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健康な豚肉とは

いろんな農家さんで豚を見てきました。子豚は可愛くて何度連れて帰りたい衝動にかられたことか。先日の取材は豚の「健康」がテーマでした。とは言っても、僕は養豚家ではないので走り回る豚を見ても、健康かどうかなんて分からないし、そこに興味がないのが正直なところです。

僕が興味あるのは、目の前の肉だけで、そこから感じること、探れることで、学んだり調べたりすることが多くあります。その結果として、「この肉は健康じゃない育ち方をした」という紐付けができることが多々あります。見た目は健康そうに見えても健康診断で病気が見つかるのと似ているかも知れません。

豚が健康に育つには、環境がもっとも重要だと言われています。餌、水、空気、光、スペース、安らぎ。飼育環境でこの6つが満たされているかどうか。このあたりも人間と同じですね。

2か月ぶりに入荷した愛農ポークはいつもより水分が多く、すぐに販売することができません。一般的には、肉質がどうであれ、水分が多くても、骨を外して部位ごとに分割して流通させるのですが、これだと焼いてもドリップがでるし、鍋にすれば灰汁がでてしまいます。なによりも嫌な後味が残ってしまいます。豚肉を好まない方の大半が臭いが苦手だといいます。僕もその1人です。だから手当てした愛農ポークを食べるとみなさん驚かれます。

僕は豚肉の熟成はやらないし、やる意味がないと思っています。なので肉を乾かせて水分を抜くことだけを行います。技術ではなく時間がおいしくしてくれます。僕はじっと待っているだけです。今週末あたりには販売できそうです。

最後に、愛農ポークはなぜおいしいのか?
先日の取材でも聞かれました。料理人の方にも聞かれます。理由はわかりません。愛農高校の生徒たちプロの養豚家ではないので、なにも特別なことはしていません。いたって普通です。あくまでも授業の一貫として育てている愛豚家なのです。もしかしたら、おいしいものに理由なんかないのかも知れません。そんな気がしてきました。


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