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十勝若牛×Droit

十勝若牛は、北海道十勝清水町の4戸の農家だけで限定生産されている、ホルスタイン種です。生後約14ヶ月で出荷しているので、成牛に比べて乳臭さはなく、淡白であっさりとした食感なんですが、当時、和牛に慣れてしまっている僕には物足りなく、さらに、ホルスタインに興味がなかったというのが本音です。

いまから5年くらい、いや、もっと前になるだろうか。若牛の生産者と知り合い、以前より交流のあったJA清水の岡田さんからの相談事とも重なり、なんとか若牛に価値を見出せないかと、あれこれ試したのですが、なかなか僕が若牛を扱う意味が見つからず、そんなある日のこと。熟成期間35日目の若牛が驚くほどおいしくなってくれたのです。

その後、個体差に合わせて熟成期間を調整しながら、シェフの好みに合わせ、僕のなかでは、ある程度の結果と価値が見出せたのかな、と思っています。

そして、Droit×十勝若牛

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森永シェフの好みに合わせた十勝若牛のリブロースが仕上がった。生産者はオモテくん。

ソースの邪魔をしないように熟成期間は20日。香りはカブリでとめて、芯に向かうにつれ若牛らしさを残しつつ香らない仕上げ。そんなことできるのかと思われるかも知れませんが、それほど難しいことではありません。

カブリは溶岩石で、それ以外はスキレットで。同じ肉の一部なのに食感がおもしろい。カブリは目論見通り熟成香が心地よい。芯の部分は柔らかくて香りがない。ソースがよく合う。

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溶岩石は酸化した肉を焼くと真っ黒になるそうだ。安いものではないので大変だそうだ。若牛はというと、なにも変化なし。経費的にも助かりますと森永シェフ。

こういう肉を食べると、サシの多い肉は食べれないな。

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新保吉伸/Niiho Yoshinobu
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