ドキュメンタリー映画「牛久」
2022年6月20日鑑賞
世界難民の日
「牛久」
監督・撮影・編集
トーマス・アッシュ
先日「FLEE」という映画を観ました。
アフガニスタンから逃れた主人公が、
命からがら辿り着いたデンマークの空港で、
「難民です」と言った瞬間から、
ホッとした空気に包まれました。
作品内で語られるのだけど、
奇しくもこの日本で
2016年に行われた伊勢志摩サミットで
「迫害から逃れる個人は、最初に入国した安全な国において、効果的な保護を与えられるべき」
との首脳宣言が発表された。
(私は、オバマが何を食べたのか、ドルトーの笑顔はどうか、メルケルは気品に溢れているのか、そんなくだらない事を考えていた)
なのに日本では、
空港で「難民です」と言った瞬間から、
まさかの犯罪者扱い、
入管ではそれ以下(犯罪者には刑期がある、入管は出られる目処がたたない)
の地獄に落ちる。
難民の申請書だけは配るけど、
認定されるのは1%だという。
(数年前は0.4%と聞いた)
そして入管内の、
驚くべき虐待と暴力、人権無視。
日本が先進国?
おもてなしの国?
笑わせるな…
最初に入管問題を知ったのは3,4年前のラジオで、
ジャーナリストの安田菜津紀さんが語られていた事でした。
その頃に牛久で、
ハンガーストライキの末に亡くなってしまった方がいて、
その信じ難い様な、
非人道的な状況を聴きました。
その後ウィシュマさんの事で私達が目にした、
あの放置と無責任、無視、虐待。
この映画は第二次大戦中の日本軍の記録ではなく、
アウシュビッツ収容所の記録でもなく、
令和の日本の現実…
ウクライナからの避難者を
地域で温かく迎え、日本文化を楽しんでもらう様なイベントをしました、
という様なニュースを目にします。
その方達と、入管に入れられてしまった人達と、
何が違うのですか?
肌の色ですか?世界の注目度ですか?
出身国の貧富の度合いですか?
後半、国会での映像もあります。
当時私たちをイラつかせた森元法務大臣が
「送還を忌避する者が多数に上り…」と…
帰ったら殺されるから
身元が割れたら母国に迫害されるから、
身分証も持てずに日本に逃げてきた人に?
…この辺で…
書いていたら興奮しそうで…(もうしてるけど)
この国では、興奮したり怒りを表したりすると、
冷ややかに対応され、
話を聞いてもらえなくなる。
落ち着いて、
小さな事でもコツコツと行動していくしかないかな…
辛い
(でも観て良かったですとても。
もっと観ていられなくて長く感じるかと思ったけど、
夢中で過ぎた時間でした。
限られた撮影手法による画像の不鮮明さが、
映画として意味のある作品性になっていた…
とどこかの評に書いてあったと思うけど、
本当にそうでした。
既に世界で観られているけど、
もっともっと広まって欲しい。
自主上映も、
今後もどんどん続き広まります様に。
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