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「香港の歴史」東洋と西洋の間に立つ人々

2022年11月某日読了

「香港の歴史」
東洋と西洋の間に立つ人々
著者:ション・M・キャロル
訳者:倉田朋子、倉田徹

老眼と乱視との闘いでした…。
最近ほんとに本読めない…💧

しかも途中で映画を観たり違う本読んだり昼寝したりw
するから全然進まず、
図書館で借りては返しを繰り返して、
数ヶ月かけて読み終えたので、
読み終えた瞬間全然覚えてないみたいな気すらすします😵
社会科の教科書と格闘した古い記憶も呼び覚まし…
社会のテスト嫌いだった…
年号覚えるとか、そんなんスマホに覚えさしといてくれって今なら思うわ。

ここには美男美女もアクションスターも登場せず、
恋もなく、生活者や労働者の声もない…
かと思いきや

めちゃくちゃドラマに溢れた一冊だった。
途中途中で映画館で香港の映画を幾つも観られた今年の秋だったので、
長い旅をしていた様な気すらしてくる。

最初の記述は1841年から、
著者が書き終えているのが2006年あたりだから160年以上。
この本を書き上げるのに2年以上かかったそう。

そして訳者が翻訳を始めてからは情勢も日々変化するしで4年以上かかったとのこと。
なので訳者のあとがきの最後は2020年6月5日。
2019の時にこの本を読者の手元に渡せなくて申し訳ないと詫びておられました。

新型コロナと「国家安全法」による取締りが見込まれる中、
禁令を無視した香港市民によって、
天安門事件追悼集会が「ほぼ例年通り」に行われた、
その翌日に書き終えている。

英国目線でも中国目線でもなく、
香港を中心に置いた歴史の本はなかなか無かったのだそうです。
貴重です。

ひとつの事象への言葉選びだけでも、
その表現によって政治的な意味が分かれてしまい、
本当に苦労された様子。
このあとがきを読んだら「一応読んだけど全部忘れた」みたいな感覚だった私の脳、と胸にも、少なからず熱いものが込み上げました…。

あとがきから一部だけ引用させて下さい。

「しかし、本書の読者の皆様には、「いよいよ香港も終わりだ」との論調に染め上げられている巷間の分析が、いかに香港の歴史を踏まえていないかをお分かり頂けるであろう。表面的には安定した政治環境の下で自由と繁栄を謳歌してきたように見える香港の歴史において、実際には長期にわたり先行きが見通せた時代などほとんどない。外においては常に戦争や冷戦に取り囲まれ、内においてはストライキ・暴動・デモをしばしば繰り返す中で、絶望的にも見えるようなピンチに次々と直面しつつも、鮮やかにそれを切り抜けてきたのが香港の歴史である。」

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為政者や権力に媚びる者たちが、
歴史を修正したり都合よく解釈し直したりするのは、
自分の国でも目を覆う現実だけど、
こうして英語で書かれ、日本語に訳され、
その土地の外側にもこうして記録は残されてゆく。

黙りこんだかと見えた大陸でも、
立ち上がり始めた市井の人々の動きがまた、
天安門事件の残虐な制圧の様に、強大な力に踏み潰される事になってはいけない。祈る思い。
それは私たち外国人が目をギラギラと当局に向け、熱心に動向をを追うだけでも。
決して無力では無いと思いたい。

話を戻して香港の歴史。
読み終えてみて、一冊手元に欲しいとおもったけど、やっぱ高いなぁ🥲
またいつでも図書館で会えるからいいか。

余談ですけど
先日、日本の政府(文科省)が図書館に送った文書が、
介入にあたるのでは無いのかというニュースを読んだ。
小さな記事だったけど、これは見逃せない。

「図書館は資料収集の自由を有する」!

図書館は私たちの「知る自由」が守られる場所。
文科省には撤回を求めたい。

それに、巷の出版物は日々とんでもない数出版されては、
みるみるうちに絶版になっていってしまう。

#ニューヨーク公共図書館エクスリブリス も思い出す。
図書館ってさいこう。高価な本でも山ほど借りられる!✨
お金が無くても、家も本棚も小さくても、誰でも本が読める!
図書館は私たち一般市民の砦だー!🌱

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#Freedom

#図書館の自由に関する宣言

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文科省が「図書館の自由」揺るがす依頼文
https://www.asahi.com/articles/ASQCC4SN6QC4PTIL019.html

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