古典不要の大学入試(早慶~GMARCH編)
国語が現代文だけで受験可能な大学
みなさんこんにちは。
本日は、国語の試験範囲が現代文のみ、すなわち古文・漢文無しで受けられる私立大学について紹介していきます。
ハマる人には大きな得点源ともなり得る古典ですが、大きな障害になってしまいやすいのもまた事実。文系科目の中でも特にコスパ・タイパが悪いのが古典と言ってもいいでしょう。
極端な言い方に聞こえるかもしれませんが、古文も漢文も、外国語の勉強をするのと同じ。古典学習においても、外国語学習で避けては通れない二つの障壁が立ちはだかります。
文法と語彙
これです。
例えば古文で言えば、動詞の活用「未然・連用・終止・連体・已然・命令」があります。
「ありをりはべりいまそかり」と、念仏のように唱えて覚えたという方も多いはず。
これを、全9種類の動詞(サ行変格活用、のような)で覚えるのが基礎の一つになるわけですが…
動詞の活用は英語だけで十分!
と、アレルギー反応を起こしてしまう人は少なくありません。
あるいは係り結びや助詞・助動詞など、細かい文法事項がたくさんあります。
これに加えて語彙。
共通テストレベルなら300語程度、GMARCHレベルとなると500語程度必要と言われています。
さらに漢文もあるわけですから、古典の勉強はかなり時間を取られます。苦手意識があればなおさら苦しく、コスパもタイパも悪くなってしまいます。
だったら最初から英語など他の科目に時間をかけた方が良いですよね?
ということで以下では、早慶~GMARCHの中で、受験で古文・漢文が必要ない学部・学科の紹介をしていきたいと思います。
今回は一般入試(共通テスト利用形式等を除く)に限っていますので、あらかじめご承知おきください。
1.慶應義塾大学
同校の一般入試では、国語の代わりに小論文が試験科目となるため、古文・漢文は必要ありません。なお試験科目の名称は大学公式のものになります。
文学部(人文社会学科)
試験科目:外国語(120分 / 150点)・地理歴史(60分 / 100点)・小論文(90分 / 100点)経済学部(経済学科)
試験科目:外国語(100分 / 200点)・A方式=数学(80分 / 150点) B方式=地理歴史(80分 / 150点)・小論文(60分 / 70点)法学部(法律学科、政治学科)
試験科目:外国語(80分 / 200点)・地理歴史(60分 / 100点)・論述力(90分 / 100点)商学部(商学科)
試験科目:外国語(90分 / 200点)・地理歴史(60分 / 100点)・A方式=数学(70分 / 100点) B方式=論文テスト(70分 / 100点)総合政策学部(総合政策学科)
試験科目:「数学または情報」「外国語」「数学および外国語」から一つ選択(120分 / 200点)・小論文(120分 / 200点)環境情報学部(環境情報学科)
試験科目:「数学または情報」「外国語」「数学および外国語」から一つ選択(120分 / 200点)・小論文(120分 / 200点)
総合政策と環境情報は湘南藤沢キャンパス(いわゆるSFC)ですが、そもそも地歴すら必要ないので、特化型の学習プランを組んで勉強すれば狙いやすいとも言えます。
2.東京理科大学
実は文系でも受けられる学部があるのをご存知でしょうか。
それが経営学部であり、経営学科・国際デザイン経営学科・ビジネスエコノミクス学科の三つの学科です。
以下では「B方式」入学試験の詳細について紹介します。
国語の試験範囲は「古文・漢文を除く近代以降の文章」とされており、古典の勉強は不要となっています。
また数学については「Ⅰ,Ⅱ,A,B」が出題範囲となります。
経営学科
試験科目:国語(80分 / 100点)・数学(60分 / 100点)・英語(80分 / 100点)国際デザイン経営学科
試験科目:国語(80分 / 100点)・数学(60分 / 100点)・英語(80分 / 100点)ビジネスエコノミクス学科
試験科目:「国語」または「数学」(80分 / 100点)・数学(60分 / 100点)・英語(80分 / 100点)
ちなみにこのB方式は、
①同一試験日
②三つの試験科目が同じ
この二つの条件を満たしている場合、二学科まで出願(併願)することができます。
もちろん検定料はその分増えますが(一学科35,000円→二学科55,000円)、合格可能性を上げられるような仕組みになっています。
ただしビジネスエコノミクス学科の場合は、一科目目で「国語」を選択しないと併願対象にはならないので注意です。
経済・経営系を考えている受験生にとっては狙い目と言えそうです。
3.青山学院大学
文学部の日本文学科・史学科・比較芸術学科を除くすべての学部で、国語の試験範囲から古文・漢文が除外されています。
以下は「全学部日程」試験についてで、試験科目・時間・配点はすべて同一となっています。
試験科目:外国語(80分 / 150点)・国語(70分 / 100点)・「地理歴史」「公民」「数学」のいずれか一つ(60分 / 100点)
文学部(英米文学科、フランス文学科)
教育人間科学部(教育学科、心理学科)
経済学部(経済学科、現代経済デザイン学科)
法学部(法学科、ヒューマンライツ学科)
経営学部(経営学科、マーケティング学科)
国際政治経済学部(国際政治学科、国際経済学科、国際コミュニケーション学科)
総合文化政策学部(総合文化政策学科)
社会情報学部A方式(社会情報学科)
地球社会共生学部(地球社会共生学科)
コミュニティ人間科学部(コミュニティ人間科学科)
また青山学院大学は共通テスト利用入試でも、現代文の点数だけを利用する学部が多いのが特徴です。
全学部日程は募集人員が少ないためなかなか厳しい戦いにはなりますが、古典無しで受験できるので、合格可能性を上げるためにチャレンジする価値は十分あると言えるでしょう。
4.中央大学
中央大学も現代文だけで受験可能な学部学科が存在します。
以下は「学部別選抜」試験についてで、国語の出題範囲は「近代以降の文章」となっています。
総合政策学部
試験科目:外国語=英語(90分/ 150点)・国語(70分/ 100点)国際経営学部
試験科目:外国語=英語(90分/ 200点)・国語(60分/ 100点)国際情報学部
試験科目:外国語=英語(90分/ 150点)・国語(60分/ 100点)
特に下の二つはご存知ない方もいらっしゃるのではないかと思いますが、いずれも2019年開設の、同校では新しい学部です。
法政大学
法政大学の一般入試は、T日程(統一日程)・英語外部試験利用・A方式(個別日程)という三つの形式があります。
このうちA方式を除き、すべての学部の国語の試験で「古文・漢文の独立問題は出題しない」となっています。
以下は「T日程」についてで、試験科目・時間・配点は基本的に同じですが、一部例外については個別に書いてあります。
試験科目:「国語」または「数学」(60分 / 100点)・英語(90分 / 150点)
法学部(法律学科、政治学科、国際政治学科)
英語の配点が、法律学科・政治学科は150点、国際政治学科は200点。文学部(哲学科、英文学科、史学科、心理学科)
文学部(地理学科)
試験科目:地理(60分 / 100点)・英語(90分 / 150点)経済学部(経済学科、国際経済学科、現代ビジネス学科)
社会学部(社会政策学科、社会学科、メディア社会学科)
経営学部(経営学科、経営戦略学科、市場経営学科)
国際文化学部(国際文化学科)
人間環境学部(人間環境学科)
現代福祉学部(福祉コミュニティ学科、臨床心理学科)
キャリアデザイン学部(キャリアデザイン学科)
スポーツ健康学部(スポーツ健康学科)
法政大学のT日程で古文・漢文が出題されるのは文学部日本文学科のみとなっています。
青学同様、統一日程は募集人員が少ないので厳しい戦いになることは言うまでもないのですが、これだけ古典無しで受けられるというのは知っておいてよいでしょう。
ちなみに国際教養学部(GIS)はT日程入試が無いので要注意です。
まとめ
いかがでしたか?
こうして見てみると、首都圏の上位私大でも意外に古典無しで受験できる、ということが分かります。
古典が苦手な受験生にはありがたいですが、それは全員同じなので、その分厳しい戦いになるのもまた事実。
古文・漢文がいらない分、それ以外の科目で安定した実力が求められることになります。
受験とは時間との戦いでもあるので、志望校は学部学科まで早めに決め、必要な科目だけに注力できるようにしましょう。
今回は早慶~GMARCHに限定しましたが、国語が現代文だけの大学は他にもあります。
また別の記事で紹介していく予定ですので、受験スケジュールを決める参考にしてみてください。
最後に
古文・漢文がいらない分戦いが厳しくなる、と書きましたが、実際にはどれくらい「厳しい」のか。
最後に一つだけ例を見ておきましょう。なお数値は、すべて大学が公表しているものです。
大学名:法政大学
年度:2023年
選抜方式:T日程
学部学科:経営学部経営学科
募集人員:30名
志願者:1,002名
受験者:965名
合格者:122名
倍率:7.9倍
満点:250点
合格最低点:159.0点
合格最低%:63.6%
T日程は全入試方式のうちで一番高倍率になるのですが、T日程の中でも経営学科は特に高くなっています。
倍率だけで言えば、なかなか恐ろしいものがあります…
ではどこで差が付くかと言えば、やはり英語です。
今回紹介したほとんどの学校の入試で、英語の配点がもっとも大きくなっています。
同校の英語は150点分で昨年度の合格者最低ラインが159点ですから、英語でいかに稼げるかが勝負になってくるでしょう。
なので文系で上位私大を狙う受験生としては、「古典捨て・英語特化」が一つの学習モデルになりえます。
そしてそのような学習モデルの提案、それに基づく学習プランの作成及び指導は、私たちネイビーの本領が発揮される部分です。
もちろん国語、すなわち文章読解や小論文指導についてもお任せください。修士号以上の学位をもつ講師陣が、数多くの論文を読み、自らも論文を書いてきたノウハウを活かして徹底的に指導し、安定した国語力を身に付けさせます。
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