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PTA広報紙おせっかいマニュアル〜5. 取材について

取材とは

 取材、と聞くと、なんだか難しそうとか、不安になったりしますよね。たしかに平成29年度も平成30年度も、私にできるかな?と不安になる方が多かったです。いや、全員が不安に感じ、前日は緊張していました。

 ところが、何回かこなすだけで、全員が取材を楽しむようになってきました。

 PTA広報紙についていえば、基本的に、取材とは「おしゃべり」をすることです。

 見学しておしゃべりして、写真をとって、そのなかで伝えなくちゃいけないことをあとで文章でまとめるのですが、そもそも「おしゃべり」が一番大切なことだと思っています。

 おしゃべりをすることがメインですから、おしゃべりが好きな人には楽しい仕事です。(とくに女性のほうが男性よりもこういったことに向いているかも知れません。)

 いやあ、私は人見知りするし、知らない人と話すのは苦手だし、という方もいらっしゃるでしょう。

 でも、知らない人と雑談をしなさいということではなく、取材にはあらかじめテーマがありますから、自分で会話を作らなくてもいいので、質問するだけで相手は勝手にしゃべってくれるでしょう。

 なぜ?どうして?と思うこともどんどん質問すればいいですし、その中で知らない言葉が出てきたらさらに質問すればいいんです。

 自分から話題を作っておしゃべりをするよりも、あらかじめ取材の目的は決まっていますから、まずは質問をあらかじめ作っておいて、その質問をぶつけるだけで取材は可能です。

 とはいえ、そうは言っても「やったことないこと」を簡単だよと言われても納得できないですよね。(実際にやってみると楽しいんですけど)

 ということで、取材について、いろいろ書いてみたいと思います。

事前準備

 ではまず、取材のための事前の準備をご紹介しましょう。

  • 腕章、名札はかならず身につける。

  • 質問やインタビューの場合は、事前に聞きたいことをまとめておく。

  • できれば取材前に先方に連絡しておくとよい

  • ペンやメモ、関連する資料なども忘れずに準備

  • 動きやすい格好で

  • どのような紙面(レイアウトイメージ)になるかを想定しておく

  • メンバーと相談しておく

  • ボイスレコーダー(スマホの録音でも可)

 これらをすべて準備しておけばだいたい大丈夫です。また、ペンやメモ帳などなくても、スマホの録音でも十分にメモの代わりにはなると思います。(事前にテストをしておくように)

 また、その学校独自のルールもあると思います。あらかじめ確認をしておきましょう。

取材の挨拶

 その取材がうまくいくかどうかは最初の挨拶ににかかっています。とくに初めて会う方への取材は元気よく挨拶することが大切だと思います。

1)当日の現場の責任者(あらかじめ名前を聞いておく)を訪ねて挨拶。

 現場についたら挨拶(元気に!明るく!)

 「おはようございます。PTA広報の◯◯です。今日はXXXXの取材に伺いました。撮影と取材をお願いしております。□□さんはいらっしゃいますか?」といってその方にご挨拶をします。

2)本日撮影させていただく内容と取材内容をご説明し、許諾を得る。

 事前に撮影内容や質問内容は連絡していた場合でも、当日あらためて簡単に確認をするとよいでしょう。
 とくに写真の掲載がNGの方がいるかどうかは事前に確認をしておきましょう。

3)取材対象の邪魔にならないように配慮する

 撮影や取材に夢中になると周りが見えなくなることもあります。たとえば行事などの取材であれば、その行事の進行の妨げにならないように注意します。とくに子どもたちの行事などはただでさえ気が散るようにならないように「空気」のようにさりげなく動き回りましょう。

4)恥ずかしがらない

 慣れない最初のうちは、恥ずかしかったりしますが、意外と誰もあなたのことを気にしていません。自分が思っているよりも、誰もあなたに関心を持たないので大丈夫です。

5)撮影する場合に「PTA広報です。撮影してよろしいですか?」と元気に声をかける

 グラビアのカメラマンのように(笑)愛想よく。笑顔で元気に声をかけます。

撮影が人とおり終わったら「ありがとうございました!」と声がけ。

6)撮影できる場所をあらかじめ確認しておく

 可能であれば、行事の責任者、関係者にあらかじめ撮影可能な場所を確認しておきます。例えば、講演会であれば、講演者の近くまで行ってで撮影してよいか、体育館などであれば2階にあがってよいか、その場合の注意点などをあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

取材時のマナー

 これが一番大切かもしれません。ちょっとあげてみましょう。

自分の荷物などは抱えておける状態にしておくか、現場の責任者に相談する

 原則として、貴重品などは持っていかないようにしましょう。荷物の管理は自己責任でお願いします。

貴重品などは持っていかない

 繰り返しますが、自分がトラブルの原因にならないためにも身軽な準備で行きましょう。

他の委員さん、一般の保護者、ボランティアの方などを撮影する場合、あらかじめ撮影、掲載の許可を確認する

 その方たちは今日の取材で自分が広報誌に載る、ということを知らない方もいらっしゃいます。あらかじめ撮影の前にひとことお伝えすることが必要です。

 「PTA広報の取材ですが、撮影してもよろしいですか?」

 画角の大きい時は、個人が特定できないため、必要ありませんが、とはいえ、いろんな方がいらっしゃいます。掲載したあとでトラブルのもとにもなるので、その場に応じて、まずは声がけをしたほうがよいでしょう。

人の視界に入るところでスマホをいじったりしない

 たとえば、子どもたちの行事の取材のときに、子どもたちの視界に入る場所でスマホをいじるというのは意外にみっともないです。もちろん、撮影をスマホで行う場合にはいじらないととは思いますが、そういう場合は、しゃがんで操作するなど、なるべく自分の存在を目立たないようにして行うようにしましょう。

話の聞き方

 あらかじめ質問を用意することをおすすめします。基本的にはその質問をして、ちゃんと話を聞いておけば十分だと思います。

 しかし、質問の仕方や話の盛り上げ方が良ければ、相手から非常にいい言葉が出てくることがあります。ここからいい言葉が出てくれば、その取材は成功と言えますし、おのずと良い記事になります。

 ですから、いかに相手から言い言葉を引き出すか、工夫を考えてみましょう。

まず、相手のがんばりを褒める

 その行事や作業の取材であれば、終了後に話を聞くことになると思います。その場合はその行事や作業について褒めるポイントを見つけ、できるだけたくさん褒めたり、感想を伝えましょう。

 また、行事などではなく、最初から取材をする場合でも、褒めることです。必ず何か褒めるポイントはあるはずですから、それを見つけて相手の心をくすぐると良いでしょう。

相手が共感してくれそうな話題から始める

 相手が「YES」で答えてくれそうな質問をしてみましょう。たとえば、

「今日はいい天気でよかったですね」でもいいですし「あいにくの雨でしたけど、子どもたちとっても喜んでましたね」といったようなポジティブさに溢れた言葉をかけてあげましょう。「私はこういうところがよかったと思います」という感想でもいいんですが、それは相手によっては喜んでくれるかも知れませんが、個人の感想というより、相手が「YES」と感じてもらえるような言葉から始めるほうが、相手も気持ちよく会話を初めてくれると思います。

「どうですか?」「なんですか?」といった質問は避ける

 話も始まったところでうまい聞き方をしてみましょう。

「この活動を通じていかがでしたか?」「この活動のポイントはなんですか?」

 こういった質問は考えなくては答えられません。

 たとえば、

 「この活動を拝見して、私はこういうふうに感じました。やはり、あなたもそう感じましたか?」

とか

 「この活動は、うちの子がとても喜びそうです。やはり、子どもたちのことを考えて企画されたんですよね?」

 といったように、自分ではこう感じた、といった切り口から質問をしてみることです。

より高度な質問で相手の心を開く

 フィギュアスケートの浅田真央さんの引退会見で、浅田さんは非常に硬い表情をしていました。プロのジャーナリストが質問をしますが、どんな質問に対しても浅田さんの表情は崩れることなく、淡々と答えていました。

 「引退の決意をどこでなさったんですか?」「今までで一番印象に残る大会での演技は、どの演技ですか?」「あなたの演技の代表的な技、トリプルアクセルにもし今引退するあなたが声をかけるとすれば、なんとかけますか?」

こういった聞き方では、なかなか心を開くことはできません。

 しかし、ある記者が質問したとたん、浅田さんはこれまでの硬い表情を崩し、笑顔で答えました。その質問とはこうです。

「浅田さん、あなたはいつも強い気持ちで幾つもの困難を乗り越えられてきました。その強さをあなたに授けた人は誰ですか?」

 こういう質問は、おそらく彼女が聞いてほしい質問だったのだと思います。そのときの答えは、

「母です。」

  彼女のスケート人生には常にお母さまがいらっしゃいました。その彼女が引退するということとお母さまとの関係については無関係ではないはずです。

 その彼女の心のもやもやした気持ちに、記者の質問によって新たに踏み出す勇気を与えた。そういう瞬間だったと思います。

 こういう質問は高度な質問だと思います。ただ、想像力を駆使して、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 お話が盛り上がれば、その中にいい言葉が必ずあるはずです。

相手の心に寄り添って、相手の心のなかにあるもやもやとした気持ちに輪郭を与えるということ。

 これは取材を試みることで、自分も成長できるきっかけになるかも知れません。ぜひお試しください。

取材後のマナー

 気持ちよく取材を終了しましょう。立つ鳥跡を濁さず。

  • 撮影にご協力いただいたみなさまに大きな声でありがとうございました、と伝えましょう。

  • いつごろ発行の広報誌に載るかもお知らせするのも良いでしょう。

  • もしインタビューであれば、校正の前に原稿やデザインをチェックいただくと良いでしょう。

取材後にやること

 取材が終わったら記事を書きましょう。できるだけ早めに、できればその日のうちに記事を書いておくのが良いと思います。

 また、撮影した写真をセレクトして、みんなで共有できる場所に置きましょう。

グループLINEを活用しているのであればアルバムにアップすると良いでしょう。またはGoogleドライブやOneDriveにアップしてみんなで共有すると良いと思います。

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