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PTA広報紙おせっかいマニュアル〜 7. 記事を書く

  「文章を書くのが苦手」という人が多いです。
 広報委員になって、一番苦手と言われることが多いのが、「文章を書く」ということだと思います。

 でも、不思議なのですが、実際に記事を書いてもらうと「文章を書くのが苦手」という人ほど、いい文章を書くのです。

 読むだけで、その風景が浮かんできたり、書いた人の表情までもが感じられるみずみずしい文章を書ける人は、だいたい「文章が苦手」という風に申告します。

 これは、いろいろな要因があると思いますが、実は、私たちは私たちが思っているほど「文章が苦手ではない」という風に思います。

 この章は、そういった「文章が苦手」と考えている方に、広報紙とは関係なく読んでいただきたい内容です。そういった考察も含めて約14000字の内容としてまとめました。ぜひお読みください。

文章を書くということ

 文章を書くのが苦手だから広報はやりたくない。こういう声をよく伺います。でも、みなさん、普通にメールを書いたり、SNSを使ったりして、普段からコミュニケーションとして言葉を使っていますよね。

 もちろん、文章を書くというのはそれとは違います。特定の相手ではなく、不特定多数の相手に文章を書くという経験は、普段の生活ではまず必要ありません。

 おそらく、文章を書くのが苦手、という方のほとんどは、こういう理由ではないでしょうか。

  • 正しい文章の書き方が難しいから

  • 国語の授業が苦手だったから

  • 興味がないから

  • 正しい日本語の書き方がよくわからないから

  • ボキャブラリーがないから

  • よくわからないけど、あまり好きではないから

  • 本を読むのが苦手、嫌いだから

 このような理由から、「文章を書くのが苦手」という方が多いのだと思いますが、こういう理由で「文章を書くのが苦手」という人は、おそらく、書き方がわからない、どうやって書いたらいいかわからない、という恐怖感のほうが強いのだと思います。

 私はこの2年間、そういう人たち全員に文章を書かせてみました。

 すると驚くことに、「文章を書くのが苦手」という人ほど、素晴らしい文章や記事を書いていたのです。

 もともと文章を書くのが好き、という人よりも、苦手と自覚している人のほうが素晴らしい文章を書いていた。こういった現実に出会うと、「文章が苦手」という自己申告はおそらく思い込みによるものではないかと思うようになりました。

 私自身、学校時代で一番成績が悪かったのが「国語」でしたし、高校生になっても「現代国語」や「古文」は一番嫌いな科目でした。成長するに従い、文章を書くことが苦痛になっていきました。

 音楽を始めていたということもあり、言葉よりも音によるコミュニケーションに興味がありましたし、自分で作曲したり演奏したりする曲もどんどん歌詞のない音楽への興味が高まり、歌詞があるとしてもそれは日本語ではなく英語だったり、意味のない言葉による音楽を作っていました。とにかく、日本語で歌詞を作ったり、文章を書いたりすることから自分を遠ざけていたようです。

 ところが、20歳の頃、就職した映像制作会社で、先輩に「坂根くん、こんどの作品のシナリオ書いてみなよ」と言われました。「こんどの作品」というのは、高校生向けの教育用ビデオ教材でした。いわゆるナレーションが多く、科学的な説明が多い20分くらいの映像作品です。

 文章を書くのが苦手、と自覚していたので、「いやあ、僕は文章書くのが苦手ですから。」とやんわりと断りましたが、その先輩はどういう根拠かわかりませんが「君ならできるよ。向いてると思うけどな。」とぼそっと言いました。

 ただ、いま思い返してみても、その先輩も適当に言っていたように思いますが、割と私は頼まれたことは断らない主義ですので、やってみました。(こう書くと、いい人のように思えますが、頼まれて失敗しても、それは私に頼んだ人が悪い、と考えるタイプですので、どちらかというと悪い人だと思います。)

 「ほら、できるじゃない。」と先輩に言われました。クライアントにも褒められました。そして、私の書いたシナリオをプロのナレーターが素晴らしい良い声でナレーションを入れていきます。なんだかとても恥ずかしかったのですが、プロが語るとそれらしく聞こえてきました。

 それからというもの、ほかの先輩からもシナリオを書いてくれと依頼されたり、自分の担当でもドラマ仕立てのシナリオを書いたりしました。それから、勤め先が変わっても、文章を書く仕事を依頼されました。電化製品やパソコンのソフトのマニュアルも書いたりしました。さらに本職のついでにキャッチコピーを作ったり、気がつくと、文章を書く仕事がどんどん増えてきました。

 とくに自分からアピールしているわけではないのですが、だんだん数をこなしていくと、文章を書くのも好きになってくるものです。

 さて、長々と私の話を書きましたが、言いたいことは、

 「やってみなくちゃわからない」ということです。

 過去に「不特定多数に向けて文章を書いた」経験があって、そのとき読者からクレームがあった、という経験があれば話は別ですが、学校の授業の作文や卒業文集、読書感想文などで評価が低かったということであれば、それは文章が苦手、というのではないです。

 さらに、文章を書いていても楽しくないというのも、あまりあてになりません。得意とか苦手というのは、まだ、本当に文章を書いてないからだと思います。

 また、その文章を不特定多数に読んでもらっていないからです。

 先ほど、私は「頼まれたら断らない」と書きましたが、失敗することを恥じることはありません。失敗してもいいんです。文章を書くという経験からさまざまなことを学ぶことができますし、これはPTA活動ですから、お子さんのためにも、ママは、パパはがんばっているよ、努力しているよ、という態度を伝えることになります。

 さらに、それが記憶だけではなく、形をして残るのです。

 おそらく、いまのお子さんには伝わらないでしょうが、未来のお子さん、つまり、お子さんが成長して大人になったとき、あなたの書いた文章が時空を超えて届くんです。

 これこそ、素敵なことではないでしょうか。

 上手な文章を書くとか、評価されること、こんなことたいしたことではありません。

 誰のために書くか、もしかしたら、PTA広報紙に文章を書くということは、大人になったお子さんのためなのかもしれません。

 そう考えるとわくわくしませんか?

 クリエイティブの楽しさは、形として残ることです。これは広報委員の特権のひとつだと思います。

表現の可能性

 おそらく、次の項「記事の書き方」を読めば十分だと思います。そこにはPTA広報紙の文章のテクニックを書いてみました。ほとんど誰でもこの文章の方法論を使えば、優秀な文章を書けます。時間のない方は読み飛ばしてください。

 ちょっと観念的なことを書きます。

 文章は、たぶん、誰かの真似事だと思います。

 学校などで、「自分の思うように書きなさい」と言われたこともありますが、たとえば、小学校のときなどに、自分の思うように書くのは無理だと思っています。

 というのは、言葉や文章というのは、あくまで表現のひとつです。誰かの言葉使いや読んだ本の文章から影響されているものです。ですから、自分が思うように文章が出てくるわけがないと思っています。

 文章は常に借り物です。誰かから拝借してくるものです。リズムもよく、表現も豊かで、思わずグッとくる文章なんて、自分のなかから出てくるわけはありません。

 もしくは、自分にとって気持ちのよい文章があるとしましょう。さらに、オリジナルの文章や文体を発明することができるかも知れません。

 でも、それは、他人にとって気持ちが良いかというと、これはなかなか難しいものです。

 文章というのは、内部から生まれてくるものではありません。

 自分の心の感情に当てはまる文章を、外から借りてきて、表現するものです。

 ですから、学校時代、言葉や文章を知らない段階で、文章を書くというのは難しいんです。苦手にもなります。

 でも、私たちは、学校を卒業して、いろいろな経験をしてきました。

 就職したり、そこで新しい同僚や友だちができたり、恋もしたり、理不尽な上司に出会ったり、傷ついたり、傷つけられたり、さまざまな経験をしました。

 また、私たち共通の経験として、自分の子どもを産み、育て、少なくとも、6年以上は親としての経験を積みました。

 これらの経験の中で、私たちは学生時代とは比べ物にならないほどの経験を得ています。ですから、学生時代に苦手だったことかも知れませんが、もしかしたら克服できているかも知れません。それほど、学生時代は人間として未熟だったとも言えるのです。

 さらに、自分のためではなく、人のために生活する経験を6年以上積んでいるんです。

 自分以外の人のために何かをする、という経験は、あなたにさまざまな文章を与えていると思います。

 ひとつの言葉がどれだけ人を傷つけるか、自分の発した言葉でどれだけ人が癒されるか。

 皆さんの文章は、それだけ雄弁に伝わるはずだと思います。

書き方を学ぶ

 とはいえ、いきなり文章が書けるか、となると、やはり、借り物をたくさん用意しておいたほうが良いです。

 そこで、今回、広報委員になったことをチャンスとして、いままで読んだことのない文章を読んでみてはいかがでしょうか。

 本を読むといっても、家事や育児、さらにお仕事があるのにそんな暇はありません。

 もちろん、その合間を縫って本を読んでみることをおすすめしますが、それ以外にも書き方を学ぶことができるサイトなどを紹介してみます。

◎分かりやすい文章の書き方:今すぐ実践できる10のコツ

https://saruwakakun.com/life/write

◎文章力を上げる方法|上手い文章の書き方や文章構成が学べる7つの記事

https://creive.me/archives/5680/

◎【文章の書き方】例文で学ぶ書き方のコツ10選

https://c.techbook.jp/contents-marketing/how-to-writing

 これらは文章の書き方を教えてくれるサイトです。

 ただし、文章の表現には正解がありません。正解がないので、こうしてればいいというものではありません。

 文章を読む読者のことを考えて、その読者の想像力を掻き立てるような、そんな文章を目指したいものです。なかなか難しいんですけどね。  

記事の書き方

 さて、広報紙の記事の書き方について、具体的にテクニックをご紹介します。

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