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PTA広報紙おせっかいマニュアル〜 3. 台割をつくる

台割とは「広報紙の設計図」

 台割。一般の主婦が聞き慣れない言葉の登場です。「だいわり」と読みます。

 台割とは、各ページの内容をどうするかの割り振りを意味する専門用語です。一度に印刷するページのまとまりを「台」と呼びます。

 (なお、小学4年生の国語の教科書に「新聞づくり」の単元がありましたが、そこでも台割が紹介されていました。もしかしたらそちらのほうがわかりやすく説明しているかもしれません)

 台割は、広報紙の設計図だと思います。

 ページ数に対して、どういう構成で、何が掲載されるか、これを整理し、想像するのは、頭の中だけではうまくいかないと思います。

 紙媒体ですから、出来上がりが想像できるような設計図が良いと思います。形式はとくに問わないのですが、一般的な内容としては以下のようなものです。

見開きタイプの台割

 こういった感じで見開きを作り、そのページに何が入るかというのを想像しながら構成をつくると良いでしょう。

台割のつくりかた

 ということで、台割を実際に作っていきましょう。

 用意するのは紙に手書きでも良いですし、パソコンが使える方であれば、四角をつなぎあわせて作るのも良いでしょう。

 たとえば、8ページの広報紙を作る場合には、こういった台割になると思います。

左綴じ 8ページの場合

 ここで、おや?と思うのが、P8から始まっていることだと思います。

 また、P8の隣がP1となっています。P1というのは表紙です。本の表紙を開いて裏返してみますと、P1とP8(裏表紙)は隣り合う関係になっていますね。P1とP8は一枚の紙で隣り合う関係になっているので、P8が左側、P1が右側となります。

 左綴じというのは、本に向かって左側を閉じる冊子のことです。横書きの本を作るときには、左綴じにします。

右綴じ 8ページの場合

 逆に、縦書きの本を作るときには、右綴じになります。この違いを確認するには、まずはご自宅の雑誌などで確認してみてください。または本屋さんに行ってみて確認してみてください。おもに縦書きで構成される雑誌や本は右綴じ、おもに横書きで構成される雑誌や本は左綴じです。

 どちら選択するのがいいのか、については、一概には言えませんが、日本語は縦書きの文化ですので、縦書きのほうが読みやすいと思います。ただし、パソコンのソフトなどはもともとが、欧米の文化から発生したもので、横書きのほうが作成しやすくなっています。

 そういったことからも、必ずしもどちらが良いというのは言えませんが、好みで選んでよいと思います。

 また、「表1」「表2」「表3」「表4」とあります。

 これは、表紙が1枚の紙で作られているので、その1枚の表の右左を「表1」「表4」と呼ぶものです。この場合、表1はP1、表4はP8となります。いわゆる表紙が表1、背表紙が表4ということですね。

 表2、表3はその紙の裏の2ページということになります。表紙をめくって1枚目を表2、この場合ですと2ページ目、背表紙の裏側が表3、この場合は7ページがそれにあたります。

 ちょっと専門的な話となりましたが、こういうことをあらかじめ知っておいたほうが、色々と便利です。

 この形ができたら、次に実際にどんな内容を入れて構成するか、具体的な内容を書き込んでいきます。

私たちがつくった台割

 さて、実際に作っていきましょう、と書きましたが、どんな台割を作ったのか、参考までにご紹介します。これは委員さんが作った手書きの台割です。

 いかがでしょう?

 こんな感じでもいいのです。詳細な情報だったり、見出しが決まっていればそれをいれてもいいのですが、まずは紙面全体の構成について決めていきます。

 これは、A4の紙を半分に折って、手書きでまとめた台割です。パソコンは使わず手書きのほうが、自由な発想ができました。ときにはレイアウトやイラストを入れたりしてニュアンスが感じられるようにして作っていただきました。

 この台割が良い点は、実際に仕上がりがイメージできるという点と、イラストやレイアウトの配置を感覚的に描けるところです。実際にデザインを行うときに、この台割を眺めながら作成しました。これを見ながらデザインを行うことで、広報紙の全体像をつかめることでバランスを考えたり、情報の整理を行うことができたと思っています。

 ポイントは、なるべく出来上がりがイメージできるように。また、委員のメンバー全員がそのイメージを共有できるように。そういう意味でも台割を作ることをおすすめします。

 さて、この台割をもとに出来上がったものがこちらです。

全員で台割をつくってみる

 私がみなさんにおすすめしたいことは、メンバー全員でそれぞれ台割をつくってみることです。

  私たちは、次号の企画を考えるときには、全員で宿題として台割をつくって持ち寄り、それをひとりひとりがプレゼンテーションをするという方式をとりましたが、これがなかなか有益でした。

 台割をつくる?しかもプレゼン? 私にできるかしら?と不安に思っていた人が多かったですが、実際に作ってもらうと、まったく問題ありませんでした。

 いや、むしろ、女性のほうがこういった作業は得意なのかも知れません。

 もっといえば、これは正解がありませんから、つくれる、つくれないという問題ではなく、まずはつくってみる、ということを試してみてください。

 たとえば、10人いたら10人のアイデアが集まります。そこには似たようなアイデアもあれば、まったくオリジナルなアイデアに出会うこともありました。もしかしたら、素人ならではのアイデアもあるかもしれません。

 そのアイデアのなかから「いいとこどり」をするだけで、ユニークな広報紙ができると思います。難しいことではありません。

 ですので、広報紙の企画を考えるときには、全員で台割を持ち寄るのはとても良いと思います。ぜひ試してみてください。

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