人生の豊かさは人との絆だ
今回は「人生の豊かさとは何か」について、3日間の舞鶴研修を通して感じたことを時系列に沿って書きたいと思います。これを読んで、皆さんの「人生の豊かさとは何か」についての参考になれば幸いです。
1日目
まず初めに市役所にて、旅の目的と学びたいことを明確にするワークを行いました。私の目的は将来自分が地方に住んだ時のイメージを持つ為です。その為に学びたいことは下記の通りです。
1、地方良さや課題。
2、舞鶴に住む方の働き方、生き方を通しての価値観
この視点で今回の研修に望みました。
ワークを終えて次に向かったのは山の中腹にポツンと佇んだカフェでした。景観の良い場所にあり、店内は旅の疲れを癒してくれるほっこりした雰囲気でした。働いている人はオーナーを始め、皆年配の方です。
ここで感銘を受けたのはカフェを立ち上げた思いと運営方法です。それは、お金を稼ぐという目的ではなく、地域の人との憩いの場、交流の場を作りたい。そうして作られた。私はその思いに強く心を打たれました。運営方法は交流を目的にしている年配の方がボランティアで働いています。改めて働くとは一体何なのかを考えさせられました。人の繋がりを提供しているオーナーの松岡さんの顔はいつもニコニコしていて、幸せに満ちた顔が今でも心に残っています。
続いてフィールドワークでは、さらに山奥に向かい樹齢800年の杉の木に触れ、自然のパワーを感じました。また山の水をそのまま飲むことができ、自然の美しさも感じることができました。そして綺麗な空気と水で心が綺麗に掃除された気分になりました。舞鶴の魅力はこの山と海に囲まれて自然を感じることができる所だと思います。また水が美味しいから育てる作物、何より料理が美味しいというのも魅力の一つだと感じました。
その後、引揚記念館に行き、戦後海外に残された民間人や軍人の引き揚げの話や捕虜として強制労働させられた話を聞き、今がどれだけ恵まれた環境にいるかを痛感しました。舞鶴には今でも自衛隊の基地があったり、イージス艦があったりなど軍港という側面と多くの兵士や民間人を引き揚げたという歴史のある町だと感じました。
2日目
午前中は海軍自衛隊航空基地へ見学に行かせて頂きました。レスキュー車やヘリコプター、イージス艦に乗らせて頂き、機械や武器などの説明を聞いて、普段近くで見ることも乗ることも聞くこともできない体験ができ、終始興奮していました。自衛隊の毎日は当たり前ですが、大変な訓練の毎日です。その中でも自衛隊を続けられるのは、上を見返してやるぞという反骨精神であったり、きつい訓練を乗り越えた後の達成感であったりなどと聞かせて頂きました。僕は反骨精神と毎日達成感を感じるということはどんな仕事を続ける上でも非常に大切なことだと思いました。
午後は、株式会社ウッディーハウスの社長さんや他の従業員の方に話を伺い、その後社内を見学させて頂きました。株式会社ウッディーハウスさんは「地元にも、本物を」というコンセプトの下、舞鶴に本店があるアパレルカンパニーです。社長さんは「舞鶴に良い服がない」という課題意識から舞鶴での事業を始められ、現在で22年も会社経営をされています。私はこのアパレル会社がここまで長く続くのは、「経営理念」と「お客様と会話するというビジョン」だと思います。この会社はお客様に対して、絶えず絶えず会話をして、次第にお客様から声をかけて貰えるようになったと聞きました。人は自分のことをいつも気にかけてくれている人は大切にしたいものです。何より嬉しいです。地方ビジネスに関わらず、これからの時代はいかに「あなたから買いたい」「会いたい」と思わせるか自分のファンを作ることが重要だと感じました。これは私生活から心がけたいです。そして衝撃的だったのがオンライン販売でも「会話」を意識していて点です。服を送る際、一緒にメッセージカードを入れられておられるという。このような常に人と繋がろうとする姿勢がお店のレビューも高く、8店舗まで増やすことができたのだと感じました。また地域活性化を目的とした経営理念を掲げることで、それに共感して舞鶴出身の方が「同じ仕事をするなら地元でやって地元の人に喜んで貰いたい」と言って人が入って来るなど、改めて経営理念の大切さを感じました。人との繋がりを大切にし同じ夢を持った仲間との仕事は最高だと感じました。
3日目
太陽が昇る前、私たちは漁師さんと船に乗り、漁業を体験しました。漁業体験は初めての経験で、漁師さんが網で大量の魚を取る姿、大量の魚が網の中でピチピチ飛び跳ねている様子、カモメが船の横を併走しているなどの全ての光景が新鮮で楽しかったです。漁師さんは1日3時間ほどしか海に出ず、それ以外は別で牡蠣屋などの飲食店を経営されたり、自分の時間を優雅に使ったりなど非常に魅力的な働き方だなと感じました。その一方で漁業はその日によって取れる魚の単価の違い、タイミングや運、天候などにも左右されやすく、固定給は少ない側面があります。それでも漁師さんの働き方は短時間で生産性の高い仕事だと魅力的に感じました。その後の釣りも含めて非常に良い体験ができました。
次に、舞鶴市長とお話をさせて頂きました。市長さんに向けて今回の研修で学んだことをお話させて頂き、また市長さんからも舞鶴の魅力、市長になった経緯、どんな社会にしていきたいかなど熱い話を聞かせて頂きました。非常に有り難く私たちが共感できる話が多くありました。中でも「努力が報われる社会」や「真の弱者を救ける社会」にしたいとお話されていて、なんて素敵な夢を持った市長さんなんだと感動しました。今の若者には目的、やりがい、夢を持って、お年寄りには感謝を持って過ごして欲しいとお言葉を頂き、改めて夢や希望を持つ大切さを感じました。
最後に、農業をされている武田さんにお話を伺いました。武田さんは万願寺甘唐辛子やイチゴなどをビニールハウスで育てておられ、ビニールハウスの中は機械で温度調整をされ、水やりも自動でされているハイテク農家さんです。これから農業はIT化がどんどん進んで行く領域だと思っていましたが、やはり人間の長年培った目利き、感覚というものはAIやロボットでは代用できないと仰っていて、武田さんでも農業は難しい、ベテランの人は凄いと仰っていました。農業はハイリスクローリターンだと言いながらも今も続けておられるのはそれは趣味の延長でやっているからだという。改めて、舞鶴に住む方々は仕事が趣味、または趣味の延長に仕事がある人、仕事を楽しんでいる人が多く、短時間ワークなど多様な働き方を見ることができた感じました。
まとめ
舞鶴で働く人は驚くほど皆優しく温かい方ばかりで、お金よりも人との絆を大切にした生き方、価値観を見ることができました。多様な働き方、その中でもビジョンの大切さ、人との繋がり、達成感を大切にしたいと感じました。舞鶴は人は少なく、大学はなく若者が離れて行くなどの課題はありますが、それでも様々な形で地域活性化の取り組みを通して、地元に戻って来る若者や他府県から移住する方など、人を温かく迎え、互いに助け合いができる魅力的な町で、やりようによっては何とでもなると感じました。地方ビジネスの魅力はまだないサービス、商品を自分が作れば人が集まってくるという所だと感じました。子どもの教育についても塾などもあり、心配する必要はなさそうで、ただ大学がないので下宿するのにお金がかかるのが痛手だそうです。しかし、これからは大学に行かない選択をする人も増えてくると思うので、そこまで心配する必要はないかと思いました。結論、スキルと人脈を都会で得て、地方でまったり過ごすのは全然ありだなと感じました。今回の研修を通して、非常に自分の人生観、仕事観を揺さぶられ、非常に刺激的な3日間でした。またこの3日間、勝山さんや池上さんと一緒に行動でき、沢山のお話を伺えたことからより学びの深い3日間になりました。メモの取り方、発表する時の表情や手の使い方、頷きだけでなく激しめの相槌、過去を否定しないなど大切なことを教えて頂きました。ここで学んだことを日常生活に活かしていきたいです。最高の移動体験を経験できました。3日間本当にありがとうございました。
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