読書が人生を救うかは別としても、取り急ぎ私の生活を守ってくれた個人的3冊
生活がヤバい、暮らしがヤバい、人生がヤバい。
ストレスと疲労がたまり、精神的にも肉体的にも限界を感じ始めていた1月の終わり、ついに腰をやった。重くなってきた子どもを抱き上げた瞬間、これまで経験したことのない激痛が腰に走り、動けなくなった。必死の思いで身体を引きずりながら近所の整形外科に行くと、「椎間板が傷んでいる」のだそうだ。
椎間板ってアレか?ヘルニアとセットで語られるソレか、なんて考えながら日常生活で気をつけることは…と消え入りそうな声で聞いて、なんとか帰宅。薬を飲んで湿布を貼って、床の上でうつぶせ(一番楽な姿勢)になりながら考えた。「これはイカン、本当にイカン、このままではダメになってしまう」と。
デスクワークによる運動不足&筋力低下。日に日にアクティブ&重くなる子ども。たくさんの不安とストレス。本やネットで情報を仕入れまくった結果、自分の社会生活のなかで感じたモヤモヤの正体への苛立ち。
自分の身体と心をないがしろにし続けた結果、すべてが今この瞬間にドカーンと来てしまったのだろう。正直、絶体絶命のピンチだった。
その後、痛みが減ってから少しずつウォーキングなどをしてみるもなかなか続かない。そんな時に通勤途中の本屋でふと『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』を手に取り立ち読み、すぐにレジへ。
腰が痛いのにヨガなんかできんのか、と自分に軽く突っ込みつつも、「いろんな不調がよくなった」という著者の体験を信じてみることにした。そして何より「ずぼらでもできる」というのがよかった。ベストセラーというのは売れるだけの理由があるのだ。
ヨガについては、過去にもネットなんかを見ながらセルフでやっていたことがあって、効いてる感覚みたいなものは感じるんだけど、それが何がどうなってそうなるのかが分からないままのことが多かった。「よく分からないけれど続けていたら痩せていた」みたいな感じだ。
この本はその点、解説が強い。動きのポーズや効果が身体の仕組みも含めてイラストでとても分かりやすく説明されている。なので、「リラックスしたいときはこれ」「ここのコリを改善したいときはこのポーズ」などピンポイントで狙いやすい。
私がこの本でぶっちぎりに使えたのが「呼吸」だ。最初は「腰痛が悪化するのが怖くてポージングがこわい。よって腹式呼吸くらいしか実践できない」という状態で始めたのだが、この呼吸が侮れない。あくまで個人的感覚だが、深呼吸や腹式呼吸を布団の中でしておくと、寝起きの身体が軽いし、腰痛も良くなった。そしてひどく短気だったのだが、少し気が長くなったような気がする。端的にいうと、あまり怒らなくなった。
とはいえ、私は元々短気で怒りっぽい。いつかはアンガーマネジメントにも取り組まなければと思っていたので、この勢いで『キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~』を読むことにした。
親からの抑圧をたくさん受けて育ったこともあり、毒親や虐待などの描写が入っているものは基本的にツラすぎて読むめないのだが、これはエッセイというよりもメソッドに重点を置いている本だ(トラウマの描写が少ないのもよかった)。怒りをコントロールするためにはどうしたらいいかわからない。自分自身に対して手に負えなくて困っている。など「怒ることをやめたい(減らしたい)」と思っている人にはきっと発見がある。
なかでも「ゲシュタルトの祈り」という、この本の著者が実践した「ゲシュタルトセラピー」の創始者の詩にガツンとやられたし、著者の「おわりに」にある「即戦力のある本を目指した」という言葉にかなり勇気づけられた。
そして最後の一冊が『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』だ。もう知る人ぞ知るアルテイシアさんの新刊で、この本についてはまた機会を改めて詳しく書きたいと思うのだが、身体が痛くて動けないときの精神的支えとして大活躍してくれた。
思うように身体が動かせないと、なによりも無力感がすごい。そしてその無力な自分にもイラついて、それでも休めない現実に悲しくなってしまう。そんな時にこの本を読んで、久しぶりに声を出して笑った。
毒親、セクハラ、結婚、子宮、女。これだけ聞くと「なんのことやら」と思うかもしれないが、もしこれらのどこかでモヤってることがあったら、とりあえず「はじめに」だけでも読んで欲しい。きっと心が軽くなる。
本が何の役に立つか、それは人によって違うと思う。「何の役にも立たない」と思う人もいるかもしれない。しかし、これらの本があったおかげで、今はなんとか日常生活を変わらず送ることが出来ている。あくまで私個人の感想だけれど、それだけは紛れもない事実なのだ。