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当たって砕けて海外文学

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海外文学の積読にひたすら体当たりしてどこまで小さな石ころになれるか試しています。
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#悪童日記

かけ離れているようでそうではない

アゴタ・クリストフの『悪童日記』を読んだ。そしてちょっと、もうちょっと知りたいなと思って『文盲』も読んだ。でも、もう少し、もう少しと思ってしまい、図書館で『昨日』と『どちらでもいい』を借りた。ちなみに『ふたりの証拠』と『第三の嘘』のことはうっかり忘れていた。 本当は書評とか論考とか、そういうものもあった方がいいかと思って手に取りかけたけど、それを読んだら絶対に引っ張られる自信があるのであえてやめた。訳者のあとがきと文庫解説だけ。それだけにした。 格好つけていえば、多様な解

そこには痛みを伴う読書があって

アゴタ・クリストフの『悪童日記』を読んでいる。が、遅々として進まない。この本は数ページずつの小さな章に別れていて、それをできるだけ毎日、何章かずつ読んでいるのだが、できることなら一度にたくさん読み進めたい。のに、それができないのだ。 捗らない、という話は前にもしたことがあるので「またか」という感じだが、今回は理由が違う。その理由は、外国文学云々ではなく、タイトルにも入れた通り、この本の抱える「痛み」のためだ。 本書を読んだことのある人ならよくわかると思うが、時代と環境によ