「卒業おめでとう」と同時に「素敵な楽曲を届けてくれてありがとう」と伝えたい
個人的で勝手な解釈もあるけれど、彼女たちに元気づけられた一人の人間が、ただ感謝の気持ちを残したいと思っただけの文です。
2021年12月13日、モーニング娘。'21のまーちゃんこと佐藤優樹さんが卒業した。
12歳で加入して約10年、たくさんの人を振り向かせてくれたまーちゃん。
「振り向かせてくれた」というのは、私自身がモーニング娘。デビュー時から応援してきた身であり、寂しい時期も見続けてきた身であり、時に気持ちが離れたこともある身だからである。
これまでの人生の中で喜怒哀楽では表しきれないほど様々な日があったけれど、モーニング娘。の音楽はいつもそばにあって、どの曲にもその時々の思い出があるのだ。
モーニング娘。デビュー当時、小学生だった私にとってモーニング娘。は憧れのお姉さんだった。いつしか現役メンバーは憧れの同年代になり、気付けば年の離れた子ばかり。
今では近所のおばちゃんのような目線で見守っているつもりだったけれど、
疲れ果ててるけど頑張りが足りないだけなんじゃないかと悩む日に「寝不足は寝るしかない」って言われれば「だよね!」ってなるし、
言いたいことも言えなくて笑うことしかできない悔しさに打ちのめされた日に「笑顔が私の防御ですから」って言われれば「だよね!」ってなるし、
このままでいいのか漠然と不安な日に「行列に並んだら幸せになれるなら早朝から並ぶわ でも結果だけを求めてるんじゃないことくらいは私自身が分かってるわ」って言われれば「だよね!」ってなる。
小学生だったあの頃から背中を押してくれる存在には変わりなくて、見守っているつもりが、支えられてきたのだ。
一方で、「モーニング娘。って、まだいるんだ」「モー娘。懐かしいな」、そう言われる度、私もどこかで仕方ないよなと諦めていたことも事実だ。
世の中には様々なアイドルグループが生まれ、輝き、そのどれもがその時代ごとに誰かを支えている。
それは素晴らしいことで、だからこそ私は私がモーニング娘。に感謝できていればそれでいいのだと、自己完結していた。
ただ、モーニング娘。のメンバーは違ったんだと'14の頃に気付かされる。
9、10期が加入した頃の私は、最推しであるえりりんの卒業後どう応援するかも定まらないまま、幼い彼女たちをただ見ていただけだった。
プラチナ期と比べるのも、そもそも何かと比べるのもおかしな話だというのに、大人の中に子どもが混ざったモーニング娘。を見るのが久しぶりすぎて、戸惑いながらまじですかスカ!とピョコピョコウルトラを聞いていた。
これまでもたくさんのメンバーが卒業してきたし、グループとしての新陳代謝がモーニング娘。のアイデンティティのようなものだと理解はしていたのに、だ。俗に言う亡霊状態だったのかもしれない。
そんなときにリリースされた「わがまま気のまま愛のジョーク」。
曲自体のオシャレさ格好良さはもちろん、MVもワクワクする構成で、衣装も久しぶりの2着。まーちゃんの前髪解禁の美しさと、あゆみんの目の輝きに衝撃を受けた1曲でもある。度肝を抜かれたとはまさにこのこと。
歌詞の力強さも相まって、自分がどれだけ小さくまとまっていたのか思い知らされた気がした。
愛されたいと力強く歌う姿は、もうぴよぴよしてたヒヨコちゃんではなかった。
大好きなプラチナ期が精一杯バトンを繋いだ先にいた彼女たちが、新たな時代を築こうとしている。
"今の"モーニング娘。で勝負している。
プラチナ期とはまた違ったその強さに胸を打たれ、いつしか「彼女たちの届けるパフォーマンスをもっと見て聴いてくれ!」と思うようになった。私がまたモーニング娘。に振り向いた瞬間だった。
それから先輩や同期、後輩が卒業する度、彼女たちの欠片を受け取るかのようにまーちゃんは成長していったように思う。
出会った人たちから受け取った様々なピースを加えて、持ち前の感性がさらに輝いて、私たちのもとにパフォーマンスとなって届いていたんだと、そう思う。
そのまーちゃんのパフォーマンスは時に新規ホイホイと言われ、徐々にファンが増えていくのを末端オタクの私ですら感じた。
私も友人に勧めるときは大抵まーちゃんのパフォーマンスを見せた。
まーちゃんのパフォーマンスで多くの人がモーニング娘。に振り向いていったのを肌で感じて、私も心から嬉しくなった。
10年間というのは本当に長い時間で、その中で"モーニング娘。の佐藤優樹"として頑張り続けてきてくれたから、モーニング娘。として素敵な楽曲を届け続けてくれたから、あのとき振り向かせてくれたから、この10年間も私はモーニング娘。の楽曲に支えられてきた。
卒コンで歌ってくれた楽曲ひとつひとつが、そのことをまた思い起こさせてくれたのだ。
メドレーでまりあやかえでぃーがソロダンスで目立っていたのを見たとき、まーちゃんの10年間はきっとまたモーニング娘。に大切なピースとなって、バトンとなって、現役メンバーやまだ見ぬ未来のモーニング娘。に繋がっていくんだと実感した。
楽曲発売時の現役メンバーが全員卒業してしまっても歌い継がれていくのは、こうやって皆がバトンを受け取ってくれるからなんだと改めて思うと、感謝の気持ちで胸がいっぱいになって、涙が止まらなかった。
まーちゃん、10年間ありがとう。
たくさんの素敵な楽曲を届けてくれて、ありがとう。
笑顔のまーちゃんは、太陽だよ。
それにしても今回のメドレーはめちゃくちゃ好きでした……最高……セレモニーは号泣しすぎてマスクがすごいことになりました。
卒コンは悲しくて寂しいけれど、彼女たちがいつも全力でステージに立ってくれるからこそ、悲しい涙ではなくて、感謝の涙でいっぱいになる特別な空間だと改めて思いました。
次の10年も、その先の何十年も、モーニング娘。の楽曲を聴いていたいから、これからもずっと応援し続けます。