イタリック体は偽れない
カリグラフィーを始めるにあたり、私は教室に通うことにしました。
習い事をするのは中学生の頃以来です。小中学時代は書道を習っていたこともあり、懐かしさもあります。
教室で学ぶのはイタリック体。
イタリック体とは、こんな書体。文字の上部が右に少し傾いた書体です。
よーく見ると縦方向の罫線が斜めに5〜6°傾いています。
イタリアの名を冠するこの書体、由来を調べてみると「元々は15世紀のイタリアで聖書の紙面スペースを節約するために考案されたのが由来」だそうです。
(元々なんの書体を使っていたんでしょうか。スペースを使う書体とは?また調べてみよう)
イタリック体は
・強調
・引用
・出版物(本の題名など)
などの表記にも使われます。論文などで使われているのを見かけたことがある気がします。ただのフォントというわけではなく、このような役割が与えられた書体なんですね。
初めてカリグラフィーに触れる
さて、少し初回の教室の振り返りをします。
インクの注ぎ方すら分からない超初心者の私、いきなりアルファベットを書くわけもなく、まずは45°の右上がりの線を引く練習から始めます。
ペン先は3ミリ幅のCー2を使います。細い線と太い線がはっきり出やすいです。
ガイドシートを透かして(写真は後日自宅で撮影)
角を尖らせたり丸めたりしながら
※真ん中の画像のような上を丸めて下ろすストロークが苦手で、本当にコツが知りたい(涙)下画像のように下を丸めるのは大得意なんですが…。
格闘すること1時間半、線を引き続けて初回の教室は終了しました。
たったこれだけのシンプルな線を引くだけでこんなに思い通りにならないのか……。アルファベットをマスターするまでの道のりは長いぞ……。
そう焦る私を励ますように「自宅で練習すれば上達も早くなりますよ」と先生。その言葉を胸に、自主練に励もうと思います……。
筆圧が強いからか、硬いペン軸を握り続けるのが辛いので何か対策を講じたいです。
2回目の教室
2週間後、2回目の教室の時間。
「今日はアルファベットに入りたいですね」という先生の言葉にウキウキ。
しかしまずは前回の復習から。あれ、自主練習の時間もとったのに2、3日空くともう感覚がゼロスタートで、やっぱり上を丸めるストロークが苦手で凹む。
それでもなんとかアルファベットまで辿り着きました。アルファベットはA、B、C…と練習するのではなく、私は「U」から。
初回でやった基本ストロークをベースに書ける文字から入るので「I」や「U」からアルファベットの練習をするのが良いようです。
連続したストロークの練習
入りを短く、終わりを短くすることでUになる!!
1時間半のうち1時間をUの練習に費やしましたが、
U、めっちゃ難しいやないか!!!課題である上を丸めるストロークからの、2本目の縦線のガタツキが物語っています。
先を急がず、まずは1つ目の課題をクリアしなければ、、、基礎の重要性を感じます。
アルファベットの1/26文字どころか、0.3/26文字くらいしか到達していないような手応えのなさを感じつつも、2回目の教室は終了。
イタリック体から気づいたこと
イタリック体では、ペン先を45°に構えたままで全てのストロークを行います。
文字のストロークの初めから最後までが45°で設計された書体であるため、ペン先の角度が1文字を書いている最中にズレてしまうと、その後のストロークがうまくいかない緻密な世界であるということ。
こんな風に書き下ろした後、右上に線を繋げますが、そこで慌てて45°に戻そうと思っても字は正直です。(不自然に太くなっています)
また、こちらは50°くらいで書き出してしまっているので、通常より文字間隔が狭くなっています。
角度を修正しようとしたのも丸わかりですね…。
イタリック体はカリグラフィーの中でも基礎の書式です。
初心者なので、まずは取り組みやすいとされているイタリック体から…と思って選んだ書体でしたが、まさかこんなにシステマティックな書体だとは思いませんでした。小手先の誤魔化しは効かない。(カリグラフィーでイタリック体を経験された方なら分かってもらえるはず…!)
授業後、練習用紙を眺めてみても、手が疲れていたり集中が切れてしまった箇所はイマイチな出来なのがわかるので、文字がここまで正直に心の内面を表していることに感動しました。
子供の頃習っていた書道でも思い通りに書けない難しさを感じていましたが、大人になって改めて、難しさであり面白さであることに気づきました。
自分をコントロールし、思い通りの字が書けるようになる日を目指して、頑張ろう。