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Qi2充電器のデスクシェルフ用アタッチメントを作ったお話

はじめましての人ははじめまして。お久しぶりの人はお久しぶりです。さいぜです。久しぶりの更新です。

本題の前に少し余談。今回のネタの大元と言っても過言ではないんですけどついに我が家にも3dプリンターを迎え入れました。早速色々プリントしているわけですが正直めちゃくちゃ楽しいです。
自分の想像が現実に!という最高の体験ができます。
あと、作ったものに対して愛着が湧く。私はベンチー(最初に印刷する船みたいなやつ)にすら愛着が湧いてしまってデスクに置いてあります。
そんなこんなでタイトルにもある通りqui2充電器のアタッチメントを作ったわけですがその紹介と制作過程での微調整について書き残しておきたいと思います。今後の自分の役に立つかもしれないので。



1  制作したものの紹介

1-1 完成形


紹介の前に今回使ったqi2充電器のリンクだけ載せておきます。


制作過程などをダラダラ書くつもりなのでまず完成系の物を紹介します。

パーツは大小含めて計6個。
左から① 充電器をはめるパーツ
       ② 土台の③と充電器をはめた①を
            接続するパーツ
       ③ デスクシェルフに固定する土台
       ④ ネジの先端につけるパーツ
       ⑤ ネジ
       ⑥ ロック機構のパーツ

③〜⑤がクランプの働きをします。基本1度つけたら頻繁に動かすものでは無いので機能性は最小限です。逆に①②⑥はある程度機能性を求めて作りました。

ここまで細分化する必要あるの?と思ったそこのあなた🫵。印刷することを考えるとこうした方が楽なのです。その分仕組みに苦労したけど......それはまた後で書きます。

組み立てるとこんな感じ

Theシンプルって感じですよね。ですが、これでいいんです。というか、これがいいんです。
機能性は必要十分なので。

1-2    組み立て動画

組み待てる方法は動画のような感じ
割と簡単だと思います。



1-2    工夫した点について


やはり作るうえで工夫は必須です。
製作者視点なら作りやすさ、使用者視点なら当然使いやすさ。
今回の場合作りやすさは印刷のしやすさなのでパーツを細分化することで対応しています。
問題は使いやすさです。こちらのほうが大事です。使いやすさと言ってしまうとどこまでも突き詰めることができるのでどちらかと言えば使用時の不快感を極力無くす方向で考える。こうすることで問題が明確で改善しやすいです。
というわけで工夫点についてお話していきましょう。


1つ目:①のストッパー

①の断面


上部拡大

見てもらえばわかりますが少しだけ突起を付けることで充電器を取り付けた際にしっかり止まるようにしています。突起のサイズは0.5mmとかですがこれがあるだけで違います。

2つ目:設置位置を2パターンに

②を真横から

2つ目がこれです。右の台形の形をしたところが③の土台にスライドさせて固定するところですが円の中心についてないですよね。こうすることで
上下反対にしたときに設置する高さが変わるという算段です。
実はこれは私のミスで中心からずれてしまったというのが始まりなのですがこれは使えるかもと思いそのまま取り入れました。
ちなみに上下反対にすると高さは約2cmずらすことができます。
一応下に画像を記載。


3つ目:ケーブルホルダー

シンプルにケーブルホルダーです。
ケーブルも固定しておくことでスッキリ見えます。

斜めにしているのには理由があって、水平にすると下に出っ張る形になって印刷の際のサポートが増えてしまい、垂直にするとケーブルを曲げるのが難しいという問題がありそれを解決しようとしたためです。
絶妙にダサいですが設置してしまえば裏側の見えない位置になるので問題ないです。

最初は下の画像のように中央に1つの形だったのですが使ってみるとねじと一直線上に並んでいるせいで干渉してケーブルホルダーに固定しにくいということが分かったので左右にしました。
設置場所に応じて左右どちらかに固定すればいい感じになります。

③没案


4つ目:一番苦労したロック機構

①の内側(この穴に⑥をはめて使う)

最後にこれ。これのどこがロック機構なんだよ!と思ったな?
これが一番大変だった。詳しくは次の章で話すので良ければ読んでください。というか最後まで読んで……(切実)



2  製作過程での微調整


今回の製作で一番頭を悩まされた①と②を固定する方法。
アイディアを出して、作って、直すをいう過程を何度も繰り返して結局完成版はvar.10とかです多分。
ここでは順を追って書いていきたいと思います。私の無能っぷりをどうぞご覧ください……


2-1  試作開始と問題発生


まず最初に作ったものがこれ

①に充電器を取り付けた後②をはめるだけです。とっても単純。
はめるだけなので当然前に引っ張ると取れますね。作った後に気が付いたけど。。。
微調整である程度きつくできますがmagsafeの磁力が強いのでスマホを外すときに一緒にくっついてくるみたいな事が発生しました。

もう一つ問題があって、真円なのではめた状態で回転してしまうのです。
傾いたら見た目が悪いし鬱陶しいです、意外と。
当然これではだめですよね。今回は誰かに使ってもらう(販売)前提で製作しているわけなので。

というわけで外れる問題を【1】として回転する問題を【2】としましょう。
これを解決する方向で考え直していきました。


2-2    問題解決に向けて


まず考えついたのは2パターン

1つ目がテーパーにして圧入で固定する方法

ですがこれは無理でした。単純に造詣が深くないこともありますが押し込む力によってどれくらい固定されるかが変わってしまうのは良くないと思ったという点もあります。

2つ目は突起で回転を防止する方法

①の下側にはもともとコードを通すために切れ込みがあります。
②に突起を付けてそこにはめ込めば回転しないようにできるよねってこと。

ですがこれだとはめる向きが固定されてしまい2つ目の工夫点の上下逆さまにできないことに気が付きました。

というわけで改善したものがこれ

上:改善前   下:改善後

突起を上下につけることでこの問題には対応です。

問題点【1】はガン無視ですが問題点【2】の解決策としては割と有効だと考えました。
やはり固定する位置は決まっていたほうが楽でいいですよ。

ここまでで問題点【2】はある程度解決したと言ってもいいでしょう。
ここまでの物にある程度応用をきかせればよいので。

次は問題点【1】です。どのように外れないようにするか。
う~ん、、、円だもんな~、、、と悩んでいた時にふと目に入ったのはコンセント。電源タップの中には挿してから回転して固定するものがありますよね?それです。これは使えると確信。

というわけで形にしていきます。
できたのがこれ。
縦向きでは切れ込みが邪魔で無理なので横向きに突起をはめるようにしました。

斜めの状態で差し込み、少し回転させて固定です。我ながらなかなか良いです。これは印刷も1発で成功したかな?
前に引っ張っても外れることはなくなりました。

代償と言ったらなんですけど①の厚みは2mmほど増えました。しょうがない。


2-3 新たな問題(割と致命的)


これで完成だと思うでしょ?私も思いました。一難去ってまた一難。
新たな問題が発生します。

ガバガバです。はぁ、致命的。
スマホを取り外そうとすると回転してしまう。
これはロック機能が必要と判断。流石に自分で使っていても不快過ぎました。

と、判断したは良いもののどうするのか、まずアイディアが思いつかない。
ここまで作ってきたものを0にして②と③のように①と②もスライド式にしようかなども考えましたが構造上無理があり却下。

フォロワーさんからリモコンの電池の蓋のような差し込んではめるような案を頂きましたが充電器をはめられなくなりそうだったのと私には無理そうだったのでこれも申し訳なかったですが却下。

やはり設置した後に回らないようにストッパーでロックする構造が単純で良いだろうと考えました。

①の差し込むところを横から見た図にロック機構の案を書き込んだものです
↓向きは反対ですがこの部分

大まかな仕組みは決まったのデザインしていきます。
最初に考えたのが両側からそれぞれ差し込んで挟み込む方法。

実際にやってみましたが、パーツが小さいため二つのパーツをうまく合体させられないことが分かり断念。
こう見るとあまり小さく見えませんが幅が5mmくらいしか無い本当に小さいパーツなのでそこにはめ込むような形を作るのは無理でした。

というわけで1つのパーツで何とかしないといけないわけですがそうなると両側から挟み込めないので抜けてしまうという問題があります。

シンプルに外側からはめるか、内側からはめるか。

左:外側からはめる    右:内側からはめる

選んだのは右の内側からはめるほうです。
理由は明確で抜けないから。
外側からはめると普通に抜けてしまいますが内側からはめれば充電器を装着している間は抜けません。

9下の画像の赤いラインから下側には充電器がきます。黄色の部分がストッパー。
ストッパーを付けた後に充電器で蓋をするような感じです。

これがうまくいきそうだったのでこの案で作り続けます。
実際にプリントして使ってみようとしましたが問題発生

穴の断面

この穴はただの穴です。特にスライドのレールなどついていません。
ここで発生するのがトルク問題。
スライドしたいのにトルクがかかって図のようになってしまいました。

これが全くうまくいかない。後からはめ込む仕組みのためスライドレールもつけられない。とにかく試して試して修正するという作業を繰り返しました。下の写真もごく一部

試作の一部

ここまで穴のサイズや⑥の形を変えることしか考えていませんでした。
そこで①に注目して変更したのが正方形のサイズ。一回り小さくなったのがわかると思います。
もともと79mmだったのに対して74㎜までサイズを落としました。

これにより⑥の棒の長さが短くなりトルクがかかりにくくなるかも?と考えました。結果は成功。見た目もコンパクトになりトルク問題も解決。
一石二鳥です。

左:旧   右:新

このロック機構が凄い。とっても快適。くだらない機能のように見えるかもしれませんが今回の仕組みでおそらく一番大事です。(当社調べ)


2-4  番外編(その他の修正点)

これをよく見てください
なんか格子状の模様が見えませんか?

これインフィル(中は空洞なのでそれを充填して強度を担保しているもの)なんですけど底面の層が少なかったせいで透けてしまったんですよね。
直し方は簡単で印刷の時に底面総数を増やすだけです。9にして解決です。


途中でこんなものも考えました。
角度を変えたものです。左は垂直に対して30°傾けてあります。
右は今回採用したもので20°傾けてあります。
この辺りは好みの問題ですかね。


3  最後に

という感じです。以上になります。
とても面白いです。完成したらうれしいですがその過程が楽しいのです。
次は何を作りましょうねぇ
ここまでご覧いただきありがとうございました。

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