音声配信が苦手な人は音声配信制作をやったほうがいい(ノウハウ付き)
こんにちは。音声ポッドキャスト配信×LPwebディレクターの堀内崇です。
パーソナリティーさんとミーティング
先日、Voicyやポッドキャストでパーソナリティを務めていらっしゃる方とzoomでミーティングいたしました。お互いいろいろなお話を交わしたところ、ポッドキャスト番組を作ることや配信代行を仕事にしたいということも伺いました。
パーソナリティーをしている人が番組を制作するもの?と思いますが、これは大いに「あり」だと考えます。
今回はポッドキャストなど音声配信番組を制作することについてお話いたします。
なぜ、僕が音声配信制作を仕事にするようになったのか
結論から言うと
・僕が話すことを得意としない、かわりに企画して制作することが好き
・継続性・リピート性あるビジネスモデル
だからです。
音声配信をする=しゃべりが得意、という公式がなんとなく想像できると思います。あながち間違ってはいないと思います。
では、話すことが苦手な人は音声配信できないか、というとそれは違うというのが僕の考えです。
ちなみに僕も話すことは決して得意とする人ではない人のひとりです。
上記は僕のポッドキャスト。聴いていただければわかりますが、「えーと」とかがすごく多い。これは治そう治そうとしているんですが、なかなか治らないんですよね。。何度もトライしているんですが。澤円さんのように流暢にスラスラっと話したい・・・。
僕はこんな感じなので、堀内はしゃべりが得意じゃないんだなということはなんとなーくわかってくださるかと思います。
ですが、企画して企画をプレゼンして相手(クライアント)を感動させることは好きなんです。『DX企画書のネタ帳』『社長の人生を変える法律相談所』の企画制作をしたときもそうでしたが、音声配信を始めたいと依頼された方は自分の専門分野などで話すことは得意ですが、
・話す内容をどうやったら面白く伝えられて聴いてもらえるかわからない
・毎回の話す番組をどのように構成したらよいかわからない
・収録して編集して仕上げることは得意としないor時間がない
というケースが多いのです。
音声配信番組は素材(話すこと)と、制作・配信の両輪がないと成立しません。話すことは得意でも企画や編集、配信の作業までは得意としないという方が多いのです。話すことが苦手な人はこの企画や編集、配信をお手伝いすることで音声配信に参入できるのです!
逆に、話すことは得意だけど編集するとかが面倒くさい!という方は僕のような人を探すことをおすすめします。(何なら僕が…ボソ)
もうひとつの特徴として「継続性・リピート性あるビジネスモデル」であることです。パンフレットを作るとか資料を作るといったお仕事は1回きりになることも多々あります。動画も場合によっては1回限りのケースが多いです。ですが、音声配信は1回ポッキリ…ではないですよね?毎回定期的に配信してファンを獲得し、ブランドを上げていくことが必要ですので継続させていくことが欠かせません。
しかしどんなに話すことが好きな人でも、毎日、音声に時間が取れるわけではありません。仕事やプライベートで忙しかったり、気分の浮き沈みがあると面倒になったりして自分ひとりではついついサボったりするものです。
そういったところに、たとえば「毎月2回収録しましょう」「配信は毎週月曜・木曜」にすることをお互いに約束して続けていけば、番組はずっと続けられます。継続することが苦手な人が多い中、継続をサポートし続けることでリピートして受注をいただくということが成立するのです。
これはすごく良いビジネスモデルのスタイルだと思いませんか?ビジネスモデルも継続性が命ですから。
実はこのビジネスモデルは以前に勤めていた印刷会社のビジネスモデルと全く同じでした。その印刷会社では折込チラシを制作して、印刷して納品するビジネスでした。
折込チラシは小売業などから毎週依頼があります。毎週毎週新規で作り直しではありますが、デザインの大枠や紙質・部数はだいたい同じケースが多く毎回同じスパンで進むため、いちど継続サイクルに入ると毎回続くのです。
音声配信企画制作も同じですよね。毎回依頼があって毎回新規で収録・編集し直しではありますが、チャンネルやサムネイルは同じ、オープニングやエンディングも同じで進むため、いちど継続サイクルに入ると毎回続くのです。
話すことが苦手だから…と音声配信に対して二の足を踏む気持ちはよくわかりますが、裏方に徹すると決めてフロントに立つ人をサポートすれば良い結果が得られるのでは、と考えます。といいますか、実際に僕がもうすでに実践しています。
私が行っている音声配信番組制作について紹介
私が行っている音声配信番組制作「ラジクリ!」について紹介いたします。
音声配信番組をつくることは、大きく分けて
・チャンネルを作る
・毎回の番組を作る
の2つがあります。
【チャンネルを作る】
この場合の「チャンネル」は、毎回の配信ではなく、YouTubeのチャンネルと同じく番組全体のチャンネルのことを指します。
チャンネル全体として、必要なことは次の6つです。
・チャンネルタイトル
・テーマ
・目的
・ターゲット
・配信回数・収録回数
・まず1番組目の内容
◆チャンネルタイトル
このチャンネルタイトルをどうやって決めるかが最初の関門です。チャンネルタイトルには「テキストタイトル」「サムネイル」の2つがあります。
《テキストタイトル》
テキストタイトルは「何を話すか」を凝縮するタイトルが必要です。たとえば話すテーマや番組構成がオールナイトニッポンのようなフリートークといった感じなのに、タイトルは「アメリカ経済最新情報」といったバリバリのビジネスとかだと、聴く、いや見るユーザー側からしたら「なんの番組なの?」となってしまいかねません。
タイトルを決める際は話すテーマにあわせることはもちろん、リスナー(ユーザー)にとって誰の何の問題を解決するか、がカギとなります。リスナーもただただ時間を埋めるためではなく、音声を通して「自分の中にある何かの問題を解決したい」「学びたい」「楽しくなりたい」「共感したい」など目的が必ずあります。リスナーの目的にリーチするようなタイトルにすることをおすすめします。
《サムネイル》
サムネイルは音声配信における唯一のビジュアル素材です。ビジュアルを見て、ユーザーは
「いい人っぽい」
「面白そう」
「信頼感もてそう」
「◎◎のテーマで話してそう」
と想像を巡らせて一旦、試しに聴いてみようかな…となりユーザーがアイコンに手が動くと想定しています。
ただし、あくまで自分が新規のチャンネルを聴くときの行動をそのまま映し出しているのですべてがこのように行動するというわけではない可能性もあります。
とはいえ、「いい人っぽい」「信頼感もてそう」「◎◎のテーマで話してそう」など信頼感または「面白そう」などの個人の趣向に合っているサムネイルじゃなければ、聴いてもらえない可能性が上がってしまいます。この機会損失を避ける意味でも、サムネイルは
・わかりやすく
・信頼感または(興味の意味で)面白そう
にしましょう。
たとえば近森満さんの『DX企画書のネタ帳』の場合ですが、私が上記のようなアイコンを作りました。このアイコンのポイントは
・小さいサムネイルでも「DX」とはっきりわかるように
↓下記の通り
・文字レイアウトはL型配置・T型配置がベスト
小さいアイコンで情報を詰める場合、文字はL型・T型配置が見やすいです
飯田浩司さんのCozy Up!のサムネイルはタイトルと顔全体でT型にしていますね。すごくバランスが良いと思います。
ちなみに逆L型・逆T型もありです。
基本的に人間は横書きの場合「Z読み」をするため、Z読みの法則は守りつつ、LまたはT型に収めることをおすすめします。
・色数は2色以内に抑える
目立つように色をたくさんつけたくなる…のはわかりますが、色を多くすればするほどごちゃごちゃした印象を与えてしまいます。特殊なロゴや造形物などではない限り、色数はできる限り2色以内に抑えましょう。
・顔ははっきり見せる
パーソナリティーありきの番組ならパーソナリティーの顔をはっきり見せましょう!パーソナリティーが入れ替わりとか顔出しを希望されない場合は別ですが。「はっきり」とはいいましたが、横顔でもよいです。顔がしっかり判別できるところがポイントです。顔への引力は非常に強い印象を与えますので。
◆テーマ
テーマは重要な項目の一つです。テーマを決める上で欠かせない条件は
・パーソナリティーがたくさん話せること
・パーソナリティーの専門分野が発揮できること
・聴いてもらえる人が一定数いるとみられる内容
・そのテーマについて悩みを抱える人が多い
・(フリートークなら)ファンが一定数いること
の5つです。
音声なのでパーソナリティーが話せないテーマではそもそもダメということになります。そしてフリートークでもない限り、パーソナリティーの専門分野が発揮できる内容であることが欠かせません。4番目にあげた「そのテーマについて悩みを抱える人が多い」にも関わってきますが、音声配信においてはラジオとは違い、リスナーはなにかの悩みや学びを得たいという目的があることが多いです。その目的に答えられるものであればリスナーを引きつけることになります。
このテーマ設定についてはは後述するターゲット設定が大きな要素となりますため、後ほど説明します。
一方、フリートーク番組の場合はいわゆる悩みや学びの要素はあまり必要ありません。むしろ、パーソナリティーによるトークの面白さとファンが一定数いるかいないかが大きく関わってきます。
上記を鑑みた上で、テーマを設定しましょう。
◆目的
目的には2通りあります。
A)ユーザーをどのような(社会的に理想な)流れに進んで欲しいか
B)A)を踏まえた上で自社のサービスへと誘導したいか
え?B)って下心ありすぎじゃないの??と思われますが、
何かしらのリターンがないと絶対に継続できません。
音声は趣味だから…という人は別ですが、趣味の方以外はすべてビジネスです。
ビジネスの場合ならリターンは自社のサービスへの集客になりますが、リターンがあってこそ事業は継続できるものです。
音声はそのためのプロモーションの一環としての発信といっても過言ではありません。
ただ、プロモーションだからといっていわゆる広告宣伝だけだとユーザーはついてきません。
それもそうですよね、ご自身が聴く側の立場に立って考えていただきたいのですが、広告を聴きたいから聴く…ということはありませんよね?パーソナリティのコンテンツを聴きたいから聴くのです。
理由については後述しますが、ユーザーがわざわざ時間を割いて音声を聴くのは聴きたいゆえの悩みがあり、悩みを解決させたい目的があるからです。
そのユーザーの悩みに対して、解決してもらえるようA)のような流れに進め、さらにもっとサービスを享受したい人のためにB)を進めていく流れを作るほうがリターンにつながることになります。
◆ターゲット・ペルソナ設定
次にターゲット設定です。
ターゲットを考える上で大事なことは、「なぜ、ターゲットはあなたのコンテンツを聴きたくなるのか」という点です。
「なぜ?」が何より重要です。
なぜターゲットはパーソナリティのコンテンツを聴きたいのでしょうか?
一般的に言えば、パーソナリティーから情報を得たい、学びたい・純粋に楽しみたい・笑ったり泣いたりして自分の心を癒やしたい…といった「目的」が必ずあります。
たとえば僕のケースで言いますと
●澤円さん「深夜の福音ラジオ」…澤さんの考え方・ビジネス上の立ち振舞について学ぶ
●たいろーさん「ユニコーン転職ラジオ」…たいろーさんの視点や考え方を吸収したい
●MBさん「もっと幸せに働こう」…MBさんの視点や考え方を吸収したい
●本田晃一さん…考え方や人を気持ちよくさせることを吸収したい
●本田晃一さん・竹中平蔵さん…報道されない裏側や政治・考え方から過去と未来を照らし合わせる点で知りたい
という感じです。
目的の裏には悩みがありまして、
僕の場合は「40代になったにもかかわらず、ビジネスパーソンにおいても人間的にも思った以上に成長ができていない」という悩みがあるからです。
これはペルソナ設定にも通じるのですが、ターゲットのこういった深層心理にある悩みに対して答えられるコンテンツを発信していくことができればターゲットに刺さります。
「とは言っても、他人のことだからよくわからない…」
という方に、6W1Hをもとにしたヒアリングシートを公開します。
"What Problem ターゲットの具体的な悩み"
"Who 具体的な誰が"
"When いつ[時間]聴いてもらえるか"
"Where どこ[具体的なシーン]で"
"What 何を提供することで"
"How どのような行動を促したい"
"Result 結果、リスナーはどうなる?"
上記6W1Hを深掘りしていくことでターゲット像が見えていくことができます。
たとえば、僕・堀内崇をターゲットにするならば
"What Problem ターゲットの具体的な悩み"
→40代になったにもかかわらず、ビジネスパーソンにおいても人間的にも思った以上に成長ができていない
"Who 具体的な誰が"
→都内在住・男性・子供5歳と奥さんの3人家族
"When いつ[時間]聴いてもらえるか"
→夜
"Where どこ[具体的なシーン]で"
→ウオーキング中や寝る前、または近くの店に買い物に行く10分くらいの時間
"What 何を提供することで"
→もっと人間的・ビジネスパーソンとして成長できる考え方やヒント、話し方やにじみ出る人間性や専門性
"How どのような行動を促したい"
→もっと多く吸収・アウトプットすること
"Result 結果、リスナーはどうなる?"
→虚像ではなく人間的・ビジネスパーソンとして人々から求められる人になっていく
ということになります。
ということで、堀内崇をターゲットにしたいビジネスの方!チャンスですよー(笑)
ターゲットペルソナを公開しましたからねー笑
◆毎回の番組構成を考える
では、いよいよ毎回の番組構成についてです。
「リスナーを飽きさせない」「聴いていてつまらない」とさせない工夫がポイントです。
これらについてVoicyと民放ラジオの構成が参考になります。
Voicyの場合は、どうやら強制的に10分頃に場面転換になる模様です。(キラーンというあの音です)
人が集中して連続で物事を聴ける時間はだいたい10〜20分ではないか…と思います。
(科学的根拠をご存じの方は教えてください〜〜)
なので10分毎に場面転換のジングルを入れることで、テーマチェンジしていくのは飽きさせない王道の一つです。
民放ラジオの構成は「飽きさせない仕組み」の宝庫です!
最たるものは「●●のコーナー」といった細分化した企画コーナーを織り交ぜていくこと。
DJが「次は、●●のコーナー!」と言われて全く違うBGMが流れてくると聴いているリスナーとしては「おお!変わった」という印象を受けます。
その最たるものがこれ↓
↑これ、著作権的に大丈夫かな??
僕が高校生の時によく聴いていたJFN「赤坂泰彦のミリオンナイツ」のなかで毎週火曜日23:00〜に放送されていた「うさんくさいポップス」というコーナー。
こんな面白い曲があったの??という曲を選定してオンエアするという爆笑必至のコーナーで特定のファンが付くくらいの盛り上がりぶりでした。
こういった感じで、飽きさせない工夫が盛りだくさんでした。
こういったことを生かして、僕は「社長の人生を変える法律相談所」では毎回法律コントを展開しています。
中野さんはYouTubeも展開していますが、YouTubeでは法律の解説に特化しています。
ですが、音声でただただYouTubeを焼き直すだけでは意味がありません。
難しいと扱われがちな法律をコミカルに・あるあるを伝えられたら、飽きさせなくなります。
この発信を継続させていくかどうか
最終的には「継続」しかありません。
古今東西、人間の一番の悩みは続かないことなんです。それは、しゃべりが得意な人でああっても同じです。
継続が苦手な人向けのバックアップ役でもあり、パートナー役がいれば続きます。
パーソナルトレーニングもトレーナーがつきますよね?
いわゆる「コーチ」。この仕組みと同じです。
この「継続させること」をバックアップしつつ、番組に対する提案ができて、なおかつ毎回の納期を守っていけば間違いありません。
以上が、しゃべりが得意ではない僕による音声配信の制作のすすめでした。
参考にしていただければ幸いです。