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#今日の採用サイト_伊藤農園の採用サイト

和歌山県有田市にある伊藤農園の採用サイト。和歌山のみかん農園らしい太陽と緑、自然が溢れた雰囲気に手描きの絵の素朴さ、そしてあふれるほどのみかんと主力商品のみかんジュースをはじめとした写真が一面に展開されている。
募集要項などを拝見したところメインは新卒採用とみている。都会の大学生であればそのやわらかさや壮大さに想いを馳せやすい。まさしく、ザ・みかん農園産業のイメージにふさわしい全体感を表している。

個人的に斬新だったのは、職種紹介欄。トップページでは突然横スクロールに変化する。これには最初は戸惑ったが、この演出で職種のラインナップの豊富さが一般的なカルーセルよりも体感しやすい。(横スクロールはPCのみ)

そして遷移後の職種を知るページもそのまま横スクロールだ。同じ流れで同じ展開を右から左へと展開。前ページのカルーセルからの延長でいろんな雰囲気が溢れてくるといった演出から、心の琴線を動かしていく。その先に人(スタッフさん)がいて、そのスタッフさんが個別で語っていくのは私にとって斬新であった。

あとはコンテンツ表示の「遅さ」だ。スピーディーにスクロールする傾向がある中であえてゆっくり表示させている。もしかしたらこれがこの会社が表現したかったスローかのかもしれない。早く表示されないのはリスクでもあるが、これはひとつの温度感としても表現できていると思う。その遅さをどう捉えるか、ある意味それは感覚面でスクリーニングされるのかもしれない。

3つ目として紹介したいのは福利厚生を余すこと無く紹介していること。福利厚生は非常に注目度が高くなっている。農園部も製造部も倉庫もデスクワークもそれなりにハードな仕事だ。そこをいかに優しく・柔らかくおもてなしできるか、丁寧に伝えているのは非常に良い。そしてこれをみかんの明るさの雰囲気のままに伝えていることが何より上手い。また写真の色合いの統一感も◎だと思う。


斬新さもありつつもよいデザインや構成のサイトであると思う。ただし、このサイトに対して個人的な疑問点がある。
それはキャッチコピーとメインビジュアル下のリードコピー。単純に字面を読んでしまうと誰向けのコピーなのか、これについて「?」がでてしまった。それは商品を訴求するコピーと同じように思えたからだ。

タグラインやキャッチフレーズではない限り「読み手のあなた」に「(何の)メリット・ベネフィットを与えます」ことがコピーの基本のはず。冒頭のフレーズは、商品購買者に向けたBtoC会社訴求のコピーのように思えてしまうのだ。メインビジュアル下のリードコピーも読んでいても同様に「商品を買っていただきたい、だから信頼を求めている」ような文章にも読めてしまう。

本サイトは一流の制作会社が手掛けたサイトであるのは存じ上げている。だからこそ、もっと求職者の立場になってメッセージしてほしいと感じた次第。なぜなら採用サイトはデザインで採用を促すのではない、メッセージがすべてだからだ。

日本の食を支える一次産業だし、そういった企業は個人的にも応援したい。一次産業はどうしても人材が必要不可欠。だからこそ採用においてメッセージにこだわってほしい。求職者ファーストの視点で、求職者に第一志望は伊藤農園がいい!と選んでもらえるように。


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