2022年版・中小企業が他社と差をつける採用サイトのつくりかた
はじめに
サン-リブの堀内崇です。このnoteは中小企業の採用担当者向けに「本気で良い人材を採用するために準備してほしいことを知って、本年中にぜひ実践してもらいたい」の目的で書きました。
ただし、これは短期的な結果を出すためのノウハウ集ではありません。少し長めのスパンではありますが、本気で良い人材を採用したい担当者様だけに本気の内容を書きました。およそ40150文字あります。大変長くて恐縮ですがお読みいただけましたら幸いです。
まずは自己紹介いたします。私は音声配信企画制作「ラジクリ!」でポッドキャスト番組を制作しつつ、コーポレートサイトのWebディレクターを務めていました。
「ラジクリ!」制作しているポッドキャストの2番組では、ほぼ1年以上配信していることからいずれも結果が現れ始めています。
まずは、株式会社サートプロ代表・近森満さんの「DX企画書のネタ帳」。こちらは通算550回の配信を超えました。
ITに強い弁護士・中野秀俊さん(グローウィル国際法律事務所)の「社長の人生を変える法律相談所」は2022年1月1日に本編配信100回目に到達。
また、ポッドキャストランキング「ビジネス・マネジメント」部門ではコンスタントにTOP20入りをキープするようになりました。
一方、私が手掛けたWeb制作ディレクションは昨年、通算150本に到達しました。といっても、僕が担当しているのはコーポレートサイトのリニューアル・新規立ち上げが多く、立ち上げ後の結果についてはLPやサービスサイトに比べて反映しにくい点があります。
そんな中、愛知県にある製造業のコーポレートサイトをリニューアルした企業の役員(兼担当者)から連絡いただきました。
「堀内さん、リニューアルしてからは求人の申込みがすごく増えましたよ」
話を聞くと、リニューアルしたサイトを公開してから求人応募がすごく増えたとのこと。「すごく」と言うと語弊があるかもしれませんが。
その会社はこれまで求人する際は必ず有料の求人広告に出稿していたそうです。出稿したとしても申し込みがあるかないかという状況であったそうですが、サイトをリニューアルしてからはIndeedに無料で求人告知を1本打つだけで求人面接の申込みが殺到。
しかも必ずと言っていいほど「御社のホームページを見ましてぜひ入社したいと思いました!」と求職者が伝えてくださっているそうです。
その会社の社内でも「ホームページをリニューアルしてから求人応募が増えたよね」と言われているそうで、予想以上の成果に担当者もうれしいとの報告をいただくことに。
驚きました。僕自身もここまでの成果が出るとは思っていなかったのですから。
この結果が本当にうれしくて仕方がなかった僕は、ここから採用サイトの研究をスタート。現在は採用サイトを研究しながらLinkedInやYOUTRUSTで採用サイトを毎朝チョイス・分析したコメントを掲載するルーティーンを行っています。
多数の採用サイトを見ていく中で自社で採用サイトを立ち上げ、適切な情報発信を続けていくことが採用の成功につながるものだと確信。この経験をもとに具体的に何をどのように取り組んでいけばよいかをまとめました。
これから近い将来、人材採用シーンはどうなる?
・不況なのに人材不足という「ねじれ」現象
昨今深刻な人手不足の状況が続いています。
2010年代なかばから一貫して人材不足のトレンドが続き、東京オリンピックへの期待もあってか2019年には人手不足がピークを迎えます。
その後、2020年にコロナショックが発生。史上まれにみる感染症への恐怖などから景気は急速に冷え込みました。コロナ禍における経済的なダメージは大きく、今後は不況になっていくと予測されます。
ですがそれでも人手不足のトレンドはより深刻化していきます。不況なのに、人が足りなくなるんです。現に上記のグラフでは2021年7月時点で「正社員が不足している」が再び4割を超えましたから。
おかしいですよね。これまでの経験から、不況なら人余りとなるはずです。ですが、不況になるのにあちこちで人が足りないという「ねじれ」の状況が続いています。氷河期世代の僕から見ても信じられないくらい矛盾する現象ですが、これが現実なのです。
なぜ、このようなねじれの現象になっているのでしょうか。
これは、パソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社の記事からですが
このように言われていますが、結論、これです。
たしかに人口減少・少子高齢化による労働力不足の原因もありますし、DXできない現状や生産性が向上しないから人手不足になっているケースも考えられます。
これらの原因に加え、決定的に違うのは「求職者側が就業する会社を今まで以上に選ぶようになった」ことです。
求職者はいくら仕事がなくても、「待遇がよくない会社」「ブラックな職場」「自分のやりたくない仕事の職場」には行きたくないのです。就業中であれ、失業中であれ、この傾向は近年ことさら強くなっていると考えられます。
これは、インターネットで転職活動が行いやすくなったことやエージェントサービスなど増えてきて、多忙であっても転職活動が行いやすくなったからです。
また、最近では「35歳転職限界説」もそんなに言われなくなったと思いませんか?40代でも転職する人も増えてきていることから、求職者にとって転職の選択肢が広がっている状態になってきています。
このことから、これまでの転職シーンでは明らかに
採用側>求職者側
だった状態から
採用側=求職者側
になってきています。または肌感覚の違いかもしれませんが
採用側≦求職者側
になっているかもしれません。
・求人広告を出しても報酬上げても応募が一向に来ない企業
現に、採用のシーンではこのような状況が見られます。
この2つです。どちらもずっと求人広告やエージェントサービスで募集を続けています。
前者はエンジニア採用のシーンで頻繁に見られます。今話題のDX人材しかり、あれもこれも全部できる人を求めるといった要件の高さゆえ敬遠されてしまっている傾向にあります。
ハイスペックの人材は、すでに大手や外資系など報酬や環境に恵まれている職に就いているケースが多いため、報酬を大きく上げても「給料や時給が高いから」だけでは採用できないという状況に陥っています。
後者は最低賃金だけはクリアしているものの10年前から変わっていないような内容や条件のみなど最低限の情報または企業の一方的な要望しか掲出せずに募集をしている傾向が強いです。応募が来ないためか、ずーっと求人広告サイトに掲載し続けています。広告の掲載費用だけでも馬鹿にならないような気もしますが。。
いずれも応募するけど人材がいない、または応募自体を見送る状況が見受けられます。前者はハードルが高すぎて。後者は求職者に見限られていて。
また、コロナ禍を経てテレワークの有無まで応募の検討を左右するまでになりました。
転職を検討する際に、リモートワーク・テレワークを実施しているかどうかが「応募の意向に影響する」と回答した人は約6割も!
テレワークの有無で応募を左右する…2019年までには考えられないような就業における価値観の変化が進んでいます。一部業種を除いてテレワークの選択肢を用意できない企業は今後採用活動が苦しくなっていくでしょう。
さらにいうと、コロナ禍にもかかわらず2021年現在、失業者は「大きく増えてはいない」のが現状です。
2021年11月現在の完全失業率は2.8%。一時期は3%を超えていたものの、2%台で推移している現状はそこまで大きく人余りでもないということがわかります。なにぶん、2009年4月に完全失業率は5%を超えていたんですから。そこまで人余りではないことが伺えます。
人余りどころか、労働力となる若手の人口は減少の一途をたどっています。
上記が2020年時点での年齢別人口、数値にすると
ちなみの5年後は
30〜34歳はなんと5年間で30万人も減る!
25〜29歳も21.7万人減少、
新卒メインの20〜24歳はただでさえ少ないのにさらに17万人も減る!
このように、少子高齢化、人口減少、新卒の減少による若手の奪い合いに加え、コロナの影響によるオペレーションの複雑化は人的コストを大きくかけることになり、人手不足に拍車をかけています。
採用したくても人が来ない。求職者が入社したい会社を選ぶ。人気の企業には申込みが殺到しているのに、人気のない企業はたとえ求人広告を何度出しても申し込みすら来ない…というのが現状なのです。
今や、「求人広告に出しさえすれば向こうから人が勝手にやって来る」という時代ではありません。不況にも関わらず「お金を払って求人広告を出しても一向に人が入ってこない」時代なのです。
・採用にお金をかけていない企業もある!
一方で採用(というより求人広告)にお金をかけていない企業もあり、しかも一瞬で採用を成功させているとんでもない企業がいます。その会社は株式会社アクシアという会社です。
株式会社アクシアは東京と札幌に拠点を置くシステム開発会社です。2021年、代表である米村歩さんのこのツイート1つだけでエンジニアの採用を成功させました。
おそらくこのツイートにかけた時間は数分〜10分かと推測。(だと思います。少なくとも投稿にかけた時間だけ見た場合)掲載媒体はツイッターなので本人の時給換算は除けば掲載コストは0円です。
これだけでも驚きなのに、極めつけは採用の最難関職種のひとつであるエンジニア採用であること!最難関の採用をたった1ツイートだけで集めてしまうのですから!
私はこれこそ採用のブランデイングとマーケティングを両立している最強の事例だと思います。本当に尊敬の一言に尽きます。
しかし、米村さんの会社は2012年の途中まで典型的なブラック企業でした。それゆえ人材が流出することに悩まされていたそうです。
そこで一念発起してホワイト化を進め、今やホワイト企業アワードに入賞するほどの会社になっています。
もちろん受賞の実績は強力なインパクトではありますが、それだけでは採用の問題は解決しません。米村さんはツイッター・ブログによる数々の発信からエンジニアを中心に多くのフォロワーを獲得しています。
こういった発信が米村さんの存在を知らしめ、経営する会社がホワイト企業であることのブランドを形成しています。
一朝一夕による発信ではなく、誰に何を届けることを明確にして、それをコンセプト軸において発信を継続。この積み重ねこそが、たった1ツイートで採用を成功させているのです。
このように、採用に成功する企業は今後もずっと成功し続け、「今まで通りの採用のやり方」を続けている企業や報酬だけで勝負している企業は行き詰まる…という未来が容易に想像されます。
なぜ、採用ができないのか〜そもそも間違っている採用活動
そもそもなぜ、採用がうまくいかないのでしょうか。
端的に言うと次の3つです。
細かい要素はあれど、大まかに分けるとこの3つにすべて集約されます。
ひとつずつ解説していきましょう。
・採用したい人物を明確化していない
あなたが採用したい人物はズバリどんな人ですか?年齢、出身地、容姿、性格、仕事のスタンス、対人関係、コミュニケーション能力、その人が(最近2〜3年間でも)生きてきた背景…すべて言えますでしょうか。
え?と思うかもしれませんが、これが言えないと正直厳しいです。
これは「ターゲット」「ペルソナ」とよばれるものです。「こういう人、いそうだよね」といった具体的にイメージできる人が「ペルソナ」です。
ペルソナを設定し(ターゲティングといいます)、そのターゲットに対してメッセージすることで設定したペルソナに近い人に、運が良ければドンピシャに当てはまる人にメッセージが刺さり、求めている人から応募される確率がぐっと上がります。
逆にこのペルソナをあいまいにしていたり、誰でもよいような設定でメッセージしてしまうと、本当にどうでもいい人から応募される確率が高くなってしまいかねません。採用担当者としてはどうでもいい人の応募ですら真摯に対応しなくてはならないので、それだけで余計なコストがかかってしまうことになるのです。
ここでたとえペルソナを設定したとしても現実離れした人物をあげていると難しいでしょう。たとえば、年収300万円にも満たない会社が募集しているペルソナが
…だったらどうでしょうか。確かにこういう人は1人くらいはいるかもしれませんが、聞いただけでなかなか無謀だと思いますよね。まず、その人は年収300万円にも満たない会社に入社するよりも年収1000万円くらいの某外資系コンサルファームに入りそうということはなんとなく想像できると思います。
このように、採用したい人物像があいまいで具体的になっていないまたは現実からかけ離れているペルソナ設定では、求職者にとっても「これは誰を求めているのだろう?」「私には合わない」という印象を受けてしまいます。その結果、応募されない。または何を間違ったか全然求めていない人からの応募だけが増えていく結果になりかねません。
採用したい人物を明確化せずに求人広告を出すことは、結果的に余計なコストを生むことにしかつながらなくなってしまうのです。
・採用の告知がミスマッチしている
これまで採用・求人の告知はいつ、何を、どのように告知されていますか?
おそらく今なら求人広告サイトがほとんどでしょう。あとは転職エージェントサービスを利用しているケースもあります。パート・アルバイトなら地域の転職情報誌を活用されたり、地域によっては求人広告の折込チラシもあるでしょう。ハローワークでの募集も業種・地域によってはまだまだ強い存在です。
求人広告サイトはリクナビ、マイナビ、エン転職、クリエイトなどこれまで有料求人広告が一般的でした。
しかし「仕事探しはインディード」のCMでおなじみIndeedが、無料で掲載できてなおかつ検索できる仕組みを展開し始めてからネットによる求人広告サイトのシーン変わり始めます。
Indeedの出現を皮切りに、最近CMでも話題のスタンバイに加え、カカクコムが求人ボックスを展開。さらに、Googleの検索で求人状況を掲載できるGoogleしごと検索を、LINE社はLINEで無料掲載できるLINEキャリアを展開するなど、多くの無料求人掲載メディアが乱立しました。
また、エン・ジャパンがSaas型採用管理システム「engage」をリリース。オンラインで求人公開することでIndeed、スタンバイ、LINEキャリア、求人ボックスなどに各種求人メディアに自動連携でマルチ展開できるようになりました。
このように告知については無料掲載だけでも非常に多くのメディアに展開できるようになったため、「どのように」告知するかの「How」の面における選択肢は急速に広がりました。
しかしこれまで紹介したのは告知の方法だけ。では、求人告知の選択肢が増えた中で求職者に「何を」伝えるかを明確にしていますでしょうか?
求人告知メディアに多数告知しても、肝心の「何を」を適切に伝えることができないと、伝わるものも伝わらない結果になりかねません。その「何」とは求職者が入社したくて応募したくなるようなメリットやベネフィットのことです。
これは例えるなら釣り堀で釣り糸を何本も垂らしても餌(=メリット・ベネフィット)をつけていないと魚は釣れないことと同じです。ターゲットは「何を」見て、どのようなメリットやベネフィットを感じて応募へのアクションを起こすか、仮説からの設計を行わないといくら告知をたくさん出したところで、応募されない恐れがあります。
このように、求職者に「何(メリットやベネフィット)」が無いゆえに告知してもミスマッチが発生しているのです。
また、時期的なミスマッチも考えられるでしょう。
中途採用に絞って展開しますと、一般に3〜4月と9〜10月に新規求人が増える傾向があります。
ですがdodaが示唆したグラフでは4月が最も求職者が多いデータが出ています。
コロナ禍前のデータなので今は多少変わっているかもしれませんが。
では3月〜4月に求人広告を出せばよいかと言うと、その3月にはもうすでに転職先を決めているケースが多いです。求職者は転職の際に「穴(いわゆる無職期間)」を空けたくないものですから、4月から転職先の勤務をスタートさせるなら、
このように「線」で動いているケースが多くなります。
しかし求人広告の場合、掲載期間は3週間〜2ヶ月弱ぐらいの掲載が一般的です。求職者が1年スパンで動く中で、求人広告においては「点」でしか存在を知らせることができません。しかも求人広告はどんどん新しい他社の広告に上書きされてしまいます。
求職者が「線」で動いている中、採用側の企業が「点」でしか採用意向を表わせない状況だと、「点」を拾ってもらえない限り出会えない可能性が高くなるでしょう。
以上から、現状の方法では採用の「媒体」「メッセージ」「時期」のミスマッチが良き採用を逃している可能性が高いといえます。
・企業の在り方として間違っている
これはそもそも論ですが、企業の在り方として間違っていたら何よりもNGです。いくら良いところばかりを見せても、そもそも
だと、採用自体失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。仮に面接をパスしたとしても入社前に辞退される確率が上がりますし、入社後に短期間で退職されてしまうことにもなりかねません。
まず、給与テーブルがあまりにも低すぎると、そもそも応募の確率が下がります。同じような仕事で自社が月給16万円なのに、他社が20万円であればどちらを応募するか…は火を見るより明らかですよね。
今は求職者が比較検討し応募する会社を選ぶ時代ですから、業界の平均も加味して給与テーブルを加味しないと検討のテーブルにさえ乗せてもらえないことになるでしょう。
2番目に挙げた「実態を隠している」については軽度のものから悪質なものまでさまざまです。なかでも、2021年にツイッターで大きく炎上したツイッターの記事があります。
応募した求職者の方が面接後、どうやら求人詐欺だったようなのでそれが理由で辞退したら、信じられないようなメールが届いたことから、応募先へ向けて炎上しました。この会社名自体は明かされていませんが、おそらくどこかで誰かに明かされて白日の下にさらされることになるでしょう。
いわゆる「求人詐欺」と言っても良いでしょう。インビジョン株式会社が運営する求人メディア「HRハッカー」でも求人詐欺が一向に減らないことを憂いています。
求人詐欺行為があった場合は職業安定法違反として、最大6ヶ月の懲役または最大30万円の罰金を科される可能性があります。意識的であれ無意識的なものであれ、求職者を欺く求人詐欺に当たる行為は絶対に避けたいものです。
3番目はダメな企業の総称として「ブラック企業」であることです。
ブラック企業のことについてはどこよりもWikipediaに詳しく掲載されていたので、こちらをご参照ください。
または「ブラック企業アナリスト」の有名な新田龍さんの音声もおすすめします。
人によって多少ブラック企業の定義が変わるものの、求職者にとってブラック企業のイメージは決してポジティブに捉えられません。
人の入れ替わりが激しい、パワハラセクハラなどのハラスメントが横行している、長時間労働なのに給料安い(残業代も払われていないなど)、感情的な叱責やプライベートまで縛り付ける…こういった職場は求職者の立場に立てば間違いなく逃げたい職場にあたるでしょう。
こういった企業はいくら募集してもすぐに退職されるので、いくら見かけの採用対策を行って入社が決定したとしても社員が定着しません。これは企業の文化自体を変えないと根本的な解決は難しいです。
以上挙げた3つのうち「企業の在り方として間違っている」については、会社の内部の問題ですので採用の問題解決は難しいと断言しますし、法務にも関わりますので私がタッチできないところです。(実際に私がお仕事で依頼されたとしても、これらの状況が判明した場合、最終的にお断りしてします)
しかし
については十分に変えることができる課題です。
採用したい人物を明確化するには
「具体的に誰を求人するか・誰にメッセージを届けるか(Who/Whom)」
「何を(What)」
「それはなぜ?(Why)」
を、告知のミスマッチについては
「いつ告知するか(When)」
「どこで・どのように告知するか(Where/How)」
を明確化していくことから解決できるものですから。
自社採用サイトが必要であることとその理由
求人について告知する代表的なメディアは求人広告です。求人広告を出して募集する方法はこれまで多くの企業で使われてきました。ネットの求人広告は2000年代前半から多くの企業に利用されていましたし、さらに古くは求人雑誌の時代や新聞3行広告の時代を含めると40~50年くらいの歴史があるのでしょうか。それくらい求人広告は歴史がある告知方法です。
しかし採用シーンが変化し、不況でも人手不足が続くなど状況が変化した今、人材獲得競争がこれまでにないくらい激しくなっています。その中で大多数の企業が群がる求人広告サイトだけに頼りすぎるのはリスクが高いと断言します。
求人広告サイトは多くの求職者が訪問するものの、名の知れた大企業を含め多くの企業が群がっているため、選択の競争が激しくなります。
多くの企業が群がるなかで有利なのはズバリ、大企業。無名の中小企業は無名というだけで不利なのです。
このように求人広告自体がレッドオーシャンとなるゆえに、何の戦略もなくむやみに広告ばかり出しても効果がないどころか、お金をみすみすドブに捨てる結果になりかねません。
求人広告サイト自体を否定するわけではありませんが求人広告サイトだけに頼りすぎるのは無駄な結果を引き起こす可能性が高くなるのです。
そこで私は「自社採用サイト」を提案しています。
自社採用サイトは自社の公式ホームページ(コーポレートサイト)として採用の専用サイトを立ち上げたサイトのことを指します。
あくまで自社サイト内の採用情報コーナーでお茶を濁したものではなく、コーポレートサイトとは独立(サブドメインで展開)または半独立(サブディレクトリで展開)させたサイトです。
自社採用サイトを提案する理由として次のようなことが挙げられます。
・求職者がほぼ100%見るのは「自社サイト」
そもそもなぜ自社で採用サイトを立ち上げたほうが良いのでしょうか?結論から言うと
自社サイトはほぼ100%見てもらえるから
に尽きます。
エン・ジャパンの調査にも自社採用サイトのメリットがはっきりと現れています。
2017年の統計ではありますが、2015年から比べても10%以上上昇していることからも企業ホームページ(=自社サイト)の注目の高さが伺えます。
それもそうですよね。面接の申込みをしたいと考えている会社が何を事業にしている会社なのか、どのような社風なのか、求職者は最低限のリサーチは必ず行いますし、ハローワークでもそのように案内されます(実は私もハローワークに通ったことがありまして、実体験済です)。
一方、求職者サイドからみたら、面接の際に申し込んだ会社の事業内容が答えられなかったら面接に不利になるということを知っているので、自社サイトは最低でも読み込もうと、ほぼすべての求職者の方がアクセスします。
特筆すべき点は、どの求人メディアを通っても必ず行き着く先は「自社サイト」であることです。
たとえば、リクナビに掲載依頼した場合、掲載されるのはリクナビだけです。マイナビに掲載依頼した場合、掲載されるのはマイナビだけ。最近はIndeedにも連携掲載されるようになりましたが、そこまでです。
もし「あなたの会社が求める人物」がエン転職ばかりみていたらどうでしょうか?その求める人物が箸にも棒にもかからない結果になりかねません。
しかし、求職者は求人広告なりSNSからの情報なりを最初に見たとしても、最終的には自社サイトにたどり着くのです。
これは今後も変わらない行動フローとして認識したほうが良いでしょう。
・あの警視庁ですら「本気の採用サイト」を立ち上げる時代
2021年現在、企業のコーポレートサイト(公式ホームページ)とは別に採用特設サイトを設ける企業が増えてきました。今やあの警視庁ですら独自の採用サイトを立ち上げています。
刑事ものの映画を彷彿させる非常にドラマチックなデザイン・構成は警視庁の本気ぶりが伺えます。裏を返せば、それくらいしないと警視庁ですら採用がうまくできないのではと推測されますね。
まして、警察の任務は重大ですからちょっとやそっとの決意程度では任務は遂行できないことも考えると、いくら採用試験があるとは言え、どうでもいい人は採用できません。
警視庁の採用サイトはそういった意味でも責任の重大性・リアリティを極限までわかりやすくドラマ化させて表現した非常に良いサイトです。
しかもLINE登録やすぐに申し込みに進めるサイドボタンまでも実装されているなどマーケティング面もかなり考慮してあります。
警視庁も本気になるくらい採用サイトは今、重要な位置づけになっています。
警視庁だけではありません。名の知れた大手企業も多くが採用サイトを設けています。新卒採用だけではなく中途採用も独自の採用サイトで求人応募しています。
・掛け捨ての求人広告サイトに2回掲載=自社採用サイトが作れる金額!
「大手企業や警視庁はお金があるからできるんだよ。我が社では無理」
という声も聞かれますが本当でしょうか?求人広告サイトだって1回の掲載に最低でもだいたい1ヶ月で30万円程度はかかります。(地域・媒体による)
直近でリクナビに掲載していた某士業事務所で実際にお話しを伺ったところ、1ヶ月ほど掲載して値引き後の価格で25〜26万円(撮影なし)ほどだったそうです。
しかし2回求人広告を打ったそうですが面接パスしても全員辞退されたとのこと。2回掲載しておよそ50万円がパーになったのですから、これはもう悲劇ですよね。。
その士業事務所のように1回の掲載で採用ができなければ、もう1回掲載することになります。さらにもう1回掲載したら3本で合計約75万円です。
しかも、広告なのでいわば「掛け捨て」。効果が出なくても文句は言えませんし、掲載期間終了後は一切抹消され検索もできません。
求人広告会社はあくまで「広告」の会社なので広告に対して結果は共有してもらえますが、長期的な運用改善は継続的に正規掲載料金を払い続けることになり、コストが大きくのしかかってしまいます。
ちなみに50万円もあれば、リーズナブルな自社管理のホームページを制作・設置することができるレベルの金額になります。
警視庁の採用サイトはおそらく300万円以上のレベルを超えています(と思います。撮影こみの推定料金ですが)が、そこまでしなくても十分に採用サイトをつくることは可能です。
しかも設置したらドメイン・サーバーの管理費さえ払えば、求人広告サイトのように期間限定の掲載ではなく物理的にずっと公開できるようになります。
さらに自社サイトなので採用したいときにすぐに公開する、採用しない時は応募だけをクローズにしておいて通年の公開として転職を検討している方に見ていただき、いわゆる「見込み客」に育てていくことも十分にできるのです。
求人広告サイトだと掲載期間の中での掲載キャンセルは自由ですが、新規や追加で掲載するには掲載料金を払うしかありません。
それに比べて自社採用サイトは、新規・追加掲載からキャンセルまで自由にコントロールできて、しかもほぼ100%見てもらえます!
さらに自社の資産の一つにすることもできますから、採用サイトを作るメリットは求人広告サイトだけに頼るよりも圧倒的に優位に立ちます。
・採用サイトを作る前に必要なこと
「よし、採用サイトを立ち上げることに決めた、では何を掲載しようか…」となると思いますが、息巻く前にお伝えしたいことがあります。
大事なことがありましたよね。それは
の3つです。
まずは、採用したい求める人物像(ペルソナ)の設定です。「Who/Whom」に注目して中途採用を例に具体的なペルソナ設定の例を見てみましょう。
一例を挙げますと
といったイメージです。こういう人、いそうですよね?
上記はざっくりとしていますが、このように実在しそうな人物像をペルソナとして設定します。
ペルソナ像は具体的により具体的に分解してあたかも目の前にその人がいるようなイメージをしましょう。
「そんなこと言ってもどんな人がペルソナになるかなんてわからない」
とおっしゃる方は、貴社にいる「理想の社員」を例に上げましょう。
仕事ができる、まわりの社員から信頼されている、成長意欲が高い…まわりを見渡せばそういった社員は必ず一人はいるはずです。
その理想の社員の人が社内にたくさんいればどうなるでしょうか。仕事はスムーズに進み、社内でも社外でも信頼され、自社の成長を牽引してくれるイメージができますよね?
ペルソナ設定は難しいと思われがちですが、案外身近にいるものです。もちろん、理想の社員にぴったりな人が来る確証はありません。しかし理想の社員に近い人は理想の社員像の人と似たような感覚を持っているケースが多いのです。
したがって、理想の社員に近しい人を求める人物像にするのであればその社員の方の状況を徹底的に言語化し、ペルソナに落とし込みましょう。
・わけありのペルソナにどんな「提案」ができるのか
ペルソナ設定にあわせて「何を(What)」「なぜ(Why)」の設定も必要です。なぜなら求職者はなんらかの理由があって転職をするからです。
転職の理由としては
他にもありますが、少なくとも以上4つは転職の大きな要因になりやすいです。
求職者は人生・キャリア・家庭(生活)という非常に大事なものを背負っています。これはあなた自身も同じですよね?
では求職者のこれらの理由に対して、あなたの会社が求職者に対してどのようなメリット・ベネフィットが提案ができますでしょうか。
実はこの提案ができないと求める人物から選ばれない、見向きもされないことになりかねません。
というのも、転職者はあなたの会社だけを受けるのではないことがほとんどですから。他社が魅力的な提案をした場合、たとえ面接にパスしたとしても辞退され他社に流れてしまうからです。
ペルソナ設定ができたら、そのペルソナに対してどのような提案ができるかを徹底的に言語化しましょう。
・なにより「正直」であること
「求職者のこれらの理由に対して、あなたの会社が求職者に対してどのようなメリット・ベネフィットが提案ができますでしょうか。」
と書きました。
メリットがあれば、デメリットもあるはず…というのはなんとなく想像できると思います。そのデメリットすら正直に見せていきましょうというのがここでの主旨です。
「デメリットなんか見せたら応募してもらえないしょうよ?デメリットになることについては入社してから知ればいいこと」
そうですか?私にはそうは思えません。むしろ、デメリットも正直に見せることが信頼獲得に繋がります。
その例としてスーパーマーケット「OKストア」を挙げましょう。
スーパーマーケット「OKストア」を展開するオーケーは、商品のメリットもデメリットも正直に表記する「オネスト(正直)カード」を展開しています。
出来る限り正確でかつ正直な商品情報をオネストカードで利用客に知らせています。カードの中には「(果物が)今はあまり甘くありません」「できれば他の商品をおすすめします」とまで書いてあるものも。
一見、デメリットに見えて売上が下がりそうに思えます。しかしこの姿勢が大きく評価されており、今やオーケーストアはTBSラジオ スーパー総選挙 3年連続1位、オーケークラブ会員数593万人突破するまで成長しています。
採用サイトの例も挙げましょう。学生服の老舗でおなじみ、菅公学生服株式会社の採用サイトの例です。
菅公学生服株式会社の採用サイトでは「カンコーの気になるところ」としてあえて、会社のデメリットになる部分を掲載しています。
これは、デメリットの部分を正直に見せることで現状の課題になっていることを正直に表しています。そしてその課題改善に取り組んでいる(取り組もうと動いている)姿勢を感じてもらえるようになるのです。
求職者としてもはじめからこのデメリットが開示されているのであれば、そのデメリットも享受した状態で門を叩くということができるのでお互いの心理的安全が保たれやすくなります。
求職者が今いちばん恐れていること、それは
「蓋を開けたらブラック企業だった、求人内容に相違があった、実態とかけ離れていた、期待を裏切られた」
といった結果になることです。
求職者の入社後「残業が毎日1時間位ある、そんなの聞いていない」という声に、採用側が「そんなの当たり前だよ、わかるよね?」では通じません。意図的であろうがなかろうが求職者側からみたら「騙された」と捉えられてしまうのです。
前述したとおり、デメリットを隠す行為こそが何より大きなデメリットになります。キラキラしている部分ばかり見せて求職者の無駄な期待感を上げれば上げるほどデメリットに直面したときの求職者の心理的落胆は大きくなり、やる気の減退、早期離職、果ては転職の本音サイトに悪口レベルまで書かれてしまう恐れもあります。
したがって、デメリットの部分はできる限り「これからの課題」として正直に見せること。これが何より大きな信頼を勝ち取ることができるのです。
以上、採用を成功させたいのであれば
この4つを最低限念頭に置きましょう。
採用に効果的なのは「ブランディング」なのか「マーケティング」なのか
・採用ブランディングのブランディングって何?
近年、「採用ブランディング」という言葉を聞くようになりました。少なくとも私が新卒だった2000年代前半や印刷業を退職した頃の2014年前後にはほとんど見られませんでした。
ですので、ここ数年の人手不足が深刻化した背景や良い採用を実現したい企業を中心にこの取組みが始まったのではないかと考えます。
採用ブランディングについては下記のように定義されています。
「〇〇といえば、◆◆株式会社」と広く認知してもらいつつ、最終的な目標として「この会社で働きたい」と感じてもらうためにブランド化していくことと定義しています。
確かに、知名度が高い企業や、ケチャップで有名なカゴメのようにブランドイメージが一貫している企業はわかりやすいですので求人の人気がある…と考えられます。
ところで、あなたに質問です。そもそもブランディングって何でしょうか?
またブランディングと並列されることの多い「マーケティング」との違いは何でしょうか?
企業ブランディングを手掛けるbtrax社はこのように定義しています。
btrax社は以上のようにブランディングとマーケティングの違いを解説しています。
もうひとつ、事例を挙げます。私がすごく尊敬していてベンチマークにしているトゥモローゲート社では
と書かれています。ブランド=約束ならば、ブランディングは「約束する行為」と言えるのではないかと考えます。
btrax社もトゥモローゲート社も解釈は少々違えど、私はどちらも正しいと考えています。
私は無印良品でたとえさせてください。無印良品の場合は、
ということが消費者側から印象付けられていますし、企業側としても消費者に対してそのスタンスを約束しています。
ですから無印良品は決して全面緑色のラベルは使いません。緑茶であっても他の飲料メーカーのようなラベルのような表現はしないですよね。それが無印良品のブランディングだからです。
無印良品を印象づける(ブランド化する一環の)ために、What(何を)を伝えて、かつ伝えたことに対してコンセプトを崩さないことを約束していること、これがブランディングとも言えるでしょう。
ですが、このブランディングは一朝一夕では成し得ていません。What(何を)を伝えたとしても、マーケットがなければ何も生まれないからです。どのように市場に伝えていくか、どのように(How)取り組んでいくかについて幾度となく差別化、商品開発、販売、PDCAを繰り返したマーケティング活動の中で生まれてきたものなのです。
・マーケティングは成約するまでの仕組み
ではブランディングに対してマーケティングはどういったものでしょうか。
マーケティングは、かいつまんで言うと「欲しい人たちに欲しい物を届けて購入する仕組み」です。ここで言う「欲しい人たち」とは、マーケットのこと。マーケットが無いとそもそも商品・サービスは売れません。しかし、マーケットがあっても商品・サービスを届けられないとマーケットは買うことができないのでやはり売れません。
「欲しい人たち」と「欲しい物(商品・サービス)」を橋渡しする「仕組み」であるマーケティングが、売れるために必須なのです。
今回は採用がテーマなので「売る・買う」行為ではないのですが、「売れる」を「成約する≒採用が成立する」「買う≒面接を申し込んで入社を決める」と考えれば、採用シーンも同様に「求める仕事に就きたい人たちに求める仕事の情報を届けて入社するまでの仕組み」であるマーケティングの図式が成り立つでしょう。
で、先ほどから仕組みというワードを使っていますが、その仕組みを分解しますと
接点+教育+案内
の3つのフローに分解できます。
「接点」は、文字通り情報の接点となる部分です。求職者は求人している会社の情報を探すことからはじめます。その情報がどこにあるか、情報と出会う接点が欠かせません。接点がないとそもそも求人していることすら知られませんから。
情報の接点についてはこれまでは大手求人広告が多く占めていましたが、Indeedなどの無料求人メディアも多くありますし、自社サイトや各種SNS、自社でweb広告で展開することもできます(詳細は下記「媒体別広告」「リスティング広告」の章を参照)。
情報の接点は多ければ多いほど知ってもらう機会が増えますすし、ユーザーが多く集まる強いメディアをお持ちまたは提携できるのであればそのメディア1箇所だけで展開するも良いでしょう。極論、予算に余裕があるのならテレビCMでもよいのです。テレビは広告・広報の面ではまだまだ強いですから。もっともテレビCMで求人しているシーンはあまり見かけませんが…。
ただし、接点がいくら多くあってもその求人情報はいったい何か、どんな会社でどのような人に申し込んでほしいのかを明確にしないと、あなたの会社が求める人物を案内の段階まで進めることができません。
接点のあとの2つ目のフローは「教育」です。この「教育」次第で求める人物から申し込みが来るか来ないかを左右します。
前章でも書きましたとおり、具体的に誰(=求める人物)に来てほしいか、そしてその人物がどうしたらスムーズに申し込んでくれるか。申し込み後に辞退されないようにするために、どのような未来を提案できるのかを明確に言語化して、採用サイトを見ているターゲットに認知させていくのです。これが教育です。
教育の過程を通ることで、情報がない人に良い情報を教え、知らせていきます。これにより、見込み客ならぬ「見込み社員」として育て上げるようになるのです。
いよいよ最後のフローである「案内」です。いくらたくさんの接点があり、教育を行ったとしても申し込みのひと押しがないと求職者は申し込みに動きません。
たとえば、あなたがネット通販で商品を購入しようとしたとしましょう。せっかく良い商品を見つけたのに、購入しにくいから購入を諦めた経験はないですか?実は採用のシーンも同じです。
案内の箇所で重要になるのは、募集要項と応募ボタンです。
募集要項の情報については曖昧になっていないか、そもそも法令に反していないか、掲載している条件は非現実的になっていないかを確認しましょう。
最後の最後に重要なのは応募ボタン。応募ボタンは募集要項の直下に設けるに限ります。
別のページにジャンプさせないと申し込めない、そもそも応募ボタンがどこに有るかわからないような仕組みになっていると、せっかく接点・教育を充実させても離脱されてしまいます。これではこれまでの努力が水の泡ですよね。何事も最後が肝心、案内のフローまで確実に押さえておきましょう。
以上、自社採用サイトを設けることを前提にして解説いたしました。
ちなみに、転職エージェントサービスはエージェントが接点と教育を兼ねてくれます。しかも候補者の絞り込みまでも行ってくれるのですからエージェントサービスには、求める人材が提案されやすくなります。
これに対し、求人広告サイトは接点と案内の仕組みだけです。求人広告サイトは接点は非常に作りやすく、案内への動線は素晴らしいです。しかし掲載容量は極めて少ないためどうしても教育の観点が機能しにくいです。したがって「たまたま求人広告を見た」偶然性の高い人が教育されないまま、案内を見て勢いで応募するケースも有るのです。
こういうケースでの応募者はだいたい自社への予備知識が無かったり、条件やスキルが無かったり、社風に合わない人であったりするケースが多くなってしまいます。
マーケティングの仕組みを導入しないと、あなたの会社が求める人物に申し込んでもらえる確率を下げてしまうのです。このことから採用にはマーケティングの観点も不可欠であることがご理解いただけるのではないでしょうか。
・ブランディングとマーケティングは両輪でまわす
以上から私はブランディングがすべてではなくマーケティングとも両立させていく、または並列させて考えていくことが重要だと考えます。
ブランディングだけを意識しすぎると求める人物がぼんやりしてしまい、結果的に採用の成功が難しくなるでしょう。かといってマーケティングに振り切ると目的と手段を見誤ってしまう恐れもあります。
採用においてはブランディング、マーケティングともに片手落ちではなく、両輪を備え動くことではじめて良質な採用を生み出すと考えます。
ブランディングの視点からは、求職者に何を約束することで高い価値を感じてもらえる会社なのか。
マーケティングの視点からは、誰(求める人物)に何をどのように届けていくか。
この2つの軸を確固たるものにすることが採用サイトの最重要項目なのです。
※この考えから、ブラック企業や求人詐欺を行う会社は「約束を破る」行為になり、依頼側にとっても私にとってもディスブランディングになるため、私はお断りしています。
私が採用サイトを作る際は必ず「貴社は求職者に何(メリット・ベネフィット)を約束しますか」と質問します。そして「それは365日変わりませんか?日常的に社員全員に言えますか?」と質問もします。
自社採用サイトで用意するコンテンツは
以上のことからブランディングとマーケティングを両立させた採用戦略が必要となります。ではブランディングとマーケティングを両立させた採用戦略をとっていくためには具体的に何が必要でしょうか。
それは求職者の目と耳をフル活躍させる、読む・見る・聴くに訴えるコンテンツを作ることです。
ブランディングの説明でも話しましたとおり、なにごとも見たり、読んだり、聴いたりすることを繰り返すことでブランドが意識づけられます。それもウソの情報ではなく、実態に伴った情報を。
したがって提供するコンテンツではできる限りリアリティを感じてもらうことに注力します。
その中で次の3つを活用します。
ひとつずつ解説していきましょう。
・採用LP(ランディングページ)
要は自社採用サイトです。私が提案する採用サイトはホームページのような形式ではなく、ランディングページの形式で展開します。
ホームページ形式でも悪く有りませんが、ホームページの形式はコンバージョンがあいまいなりやすいです。その点、ランディングページはコンバージョンへは真下だけの一つの動線で進みますため、求職者をコンバージョンである応募フォームへストレートに進めることができます。
また、最近はWebサイトをPCよりもスマートフォンで見る傾向が強く、今後もこの傾向は変わりません。
スマホで見ることを優先させる場合、スマホで見やすいことはもちろんのこと、できる限りスマホでページをジャンプさせずに1ページ・スクロールだけで完結させる方法をとります。
この採用LPの1ページの中に、採用におけるコンセプトメッセージから仕事内容に加え、メリット・デメリット、ベネフィットも展開。
さらにスタッフや経営者のメッセージでより身近に感じていただき、給与モデルや福利厚生、キャリアパス、「よくある質問」による疑問の回答などで申し込まない理由を極限まで払拭させて求職者に申込みへと案内いたします。
(詳しくは「自社採用サイトに掲載する7つのステップ」の章で解説します)
1ページに収めるとページは縦に長くなりますが、求職者が見やすくなるだけでなく余計なページを作らないのでその分のコストも削減できるメリットがあるのです。
・採用に特化したオウンドメディア(テキスト・動画・音声)
採用サイトをつくったら終わり…というわけではありません。求める人物の方を中心に、貴社の採用サイトに継続的に訪問してもらう仕組みを取る必要があります。
自社でコンテンツを発信し続け、ファンになってもらう仕組みのオウンドメディアを展開する仕組みです。このオウンドメディアを「テキスト」「動画」「音声」の手段で構築することで、「見る」「読む」「聴く」の五感で訴求するオウンドメディアが誕生します。
採用サイトをWordpressなどのCMSで作られる場合はCMS上のブログ投稿機能を使ってテキスト記事を更新したり、動画や音声データを貼り付ける方法があります。ブログ機能はサイトのSEOにもつながるためブログ機能を搭載できるのであればぜひブログを使って最新の動向や情報をアップしていくことをおすすめします。
ブログ機能を搭載しない場合もオウンドメディア化させていく方法があります。外部のプラットフォームを組み合わせていく方法です。
効果が高く有名なメディアは、テキストならnote、動画はYouTube、音声はSpotify。こういったそれぞれの発信における各種プラットフォームを利用するのです。noteやYouTubeにいたってはnoteやYouTubeの利用者が多いので、プラットフォーム利用者から見てもらえるチャンスも高くなるでしょう。
【テキストメディア】
では、それぞれのメディアで具体的に何を伝えればよいのでしょうか。
まずはテキストメディアから。テキストメディアでおすすめなのは採用担当者の人事日記です。日記と言っても今日のランチとかではなく、会社としてのニュースに加え、最近入社した人の成長記録を綴ってみてはいかがでしょうか。最近入社した人の成長記録は、求職者に対して中途で入社した人を大事にする姿勢が伝わりやすく、非常にポジティブに映ります。
たとえ顔出ししなくても発信することで採用担当者の「素顔」が見えるようになります。素顔が見えるようになることで、読み手である求職者に対して親近感を持ってもらえるようになり、求職者から信頼を寄せてもらえるようになります。
【動画メディア】
動画メディアはズバリ、インタビューです。採用サイトではスタッフの声を掲載しているケースが多く、インタビュー記事が多く掲載されています。しかし、文字起こしや整文化が大変ですし、テキストですとリアリティ感や温度感、人間性を伝えることが難しくなります。その点、動画はそういった問題をすべて解決することができます。
動画については、動画があると応募しやすい人が多い調査も明らかになっています。
動画が重要と言ってもどこにでもある会社案内のような動画では味気なく映り、かえって堅苦しいイメージを与えてしまいます。
採用サイトの動画では会社案内のようなカタい動画ではなく、スタッフの人間的な部分を見せていきましょう。
あくまで一例ですが、
などを具体的に話してもらうのです。スタッフだって人間ですから入社の初々しい頃から苦労や失敗、喜びを経験しているはずです。
その時どのように考え取り組んだのかについてそのスタッフの人間性や会社の姿勢が見えてきます。
そういった内容をインタビューしていくことで出演者の経験談や考えを引き出していきます。引き出された考えや人間味から、求職者は自分の未来の姿を重ね合わせることで共感し、会社に対する想いを強くしていくのです。
動画を撮ってスタッフさんの人間らしい部分をどんどん見せていきましょう。
【音声メディア】
動画になるとどうしても気になるのが「顔出し」になること。スタッフさんの中には顔出しがNGであったり、情報漏えい防止の観点から職場の動画を禁止している会社もあるでしょう。
では動画がダメなら、音声はいかがでしょう。当たり前ですが、音声なら顔や周囲の映像が見えません。実は顔が見えないからこそ人間性が動画よりももっと伝わるのはご存知でしょうか?
Spotifyによるオーディオ広告の調査によりますと音声による広告は一般ディスプレイ広告に比べて
といった結果が出ています。(Spotify for Brandsより)
動画は目と耳を駆使します。目と耳を比べると視覚情報のほうが圧倒的に強く認識されます。したがって、ビジュアルに影響されやすくなるのはなんとなくでも想像できるでしょう。映像は五感をフルに使って感じるため影響力は非常に強いのです。
しかし映像ゆえ、見る側も映像のマジックがあるだろうと疑いを持ちます。昨今、耳障りのいい内容で実は…というようなことが多くあるため、そういったものに騙されないぞと身構えてしまう人も決して少なくはありません。
現にYouTube動画では、不正を犯したインフルエンサーの動画を中心に炎上している動画も散見されます。明らかにウソの疑いが強い、ウソでなくてもウソっぽい、表だけ着飾ったような内容などが炎上しやすい傾向にあります。
しかし、音声では耳だけのメディアで当然、目で見えません。それゆえか、炎上しにくいことが音声の最大の利点です。
また、じっくり聴いて判断するため最後まで消化されやすい、人間味が伝わりやすい、繰り返し次のコンテンツも聞いてもらいやすくなる傾向が高くなります。
音声を活用する方法としては、インタビューの音声をそのまま掲載する方法と、定期的に配信する日常コンテンツの2つの方法があります。
インタビューの音声をそのまま掲載する方法については、先程の動画でのインタビューでは顔出しがどうしてもNGというスタッフの方もいらっしゃいますので顔出しが難しいという方には音声がおすすめです。
(定期的に配信する日常コンテンツについては後述します)
以上、発信するメディアを紹介しました。いきなりすべて展開するのは大変なので、テキスト・動画・音声の3つのうちいずれか始めやすい発信方法から始めてみることをおすすめします。
・採用管理システム(engage)
採用のコンテンツを立ち上げて応募を開始しても、応募管理が一元化できないとタスク管理が一気に大変になってしまいます。
自社ホームページのお問合せフォームや求人広告のメールアラートだけでは面接や採用の合否など進捗管理までは追えないのではないでしょうか。
その点、採用管理システムを導入すると応募から面接結果まで一元管理できるので便利です。
採用係長のように有料で展開しているサービスもありますが、エン・ジャパンが展開している「engage(エンゲージ)」はなんと無料で利用できます。
応募があるとリスト化されて、すぐに職務経歴書もみることができます。ワンプッシュで面接待ち、結果待ちなどが反映され、応募者どうしの選考も行いやすくなります。
しかも、engageがもっとすごいのは、engageに掲載するだけで自動で他求人メディアにマルチ掲載されることです。募集要項をオープンするだけでIndeed、スタンバイ、Googleしごと検索、LINEキャリア、求人ボックス、enエンゲージなど自動で連携掲載されます。
engageに掲載するだけで7媒体+自社サイトの8媒体が求人告知として公開されるのですから使わない手はないでしょう!
・最後の切り札「触れる」も戦略のひとつに
読む・見る・聴くのメディアを中心に語りましたが、視覚と聴覚だけでなく、触覚の「触れる」機会があると、採用への効果がもっと上がります。
紙の採用のパンフレットなどをつくるのも大いに有りですし、採用説明会の開催やカジュアル面談も「触れる」の一環になると考えます。
触れることのリアリティは、ラポールが高まっている人に対して特に非常に効果が高いので導入されることをおすすめします。
自社採用サイトに掲載する7つのステップ
では、採用サイト(採用LP)に何をどの順番で掲載したらよいでしょうか。採用サイトを多数見ていく中で、次の7つを掲載することを提案します。それは
以上の7つのステップを網羅することで効果が出る採用サイトになります。
冒頭で紹介した愛知県の製造業の会社の件も上記1〜7をだいたい網羅していました。(デメリットの部分はあまり表現していませんが)仮に私が求職者の立場であったとしたら、この7つが自分の中で合致すれば申込みします。
たとえば、これは他社の事例ですが効果があったと見られる(紹介されている)サイトをピックアップさせていただきますと
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・INFIELD社の採用サイト(ベイジ様制作)
https://infield95.com/recruit_info/ (株式会社インフィールド採用サイト)
上記も1~7、すべて網羅しています。
上記はホームページ形式でしたが、ランディングページの形式ではどうでしょうか。私が制作したワイヤーフレームで一例をあげますと、
上記のような形です。
数ページある採用サイトを1ページに凝縮するため多少長くなりますが、凝縮した分、無駄のないコンテンツ構成になります。
このレイアウトについては、私がLInkedInまたはYOUTRUSTで「#今日の採用サイト」を掲載していてまとめたものです。
LInkedInまたはYOUTRUSTで「#今日の採用サイト」のコーナーを平日毎日掲載していますので、よろしかったらそちらもご覧ください。
長期的なブランディングにはSNSと音声配信
これまで採用にはブランディングとマーケティング両輪が必要であることを書きました。
ブランディングのところで書いたとおり、一朝一夕ではブランディングもマーケティングも完成しません。採用サイトが完成したら募集告知をかけて終わり、あとは応募を待つ…となってしまうとただの待ちの姿勢になってしまいます。これでは求人広告に掲載していた旧来の方法と変わりません。
マーケティングの面でさまざまなチャンネルを用意することに加え、engageによる求人サイトへのマルチ掲載展開で入口を増やし、入口から出口までテキスト・画像・動画・音声で提案から現状の課題まで、ありのままの魅力を伝え、エントリーまで展開する流れを作りました。
しかしどんなに入口から出口まで整っていても、求職者が「入口まで自発的に行きたくなる」行動が生まれないとすべて砂上の楼閣になってしまいます。
ブランディングというひとつの約束ごとの旗印はかかげるものの、長期的な視野でメッセージを発信し続けないとブランドは認知されません。ブランドが認知されない原因は、ブランド自体が間違っているか、発信不足による周知不足によるものです。
採用サイトを立ち上げたきり閑古鳥が鳴く…ことを防ぐために、定期的に発信し続けましょう。
では発信は、具体的に「どこに」「何を」「どのように」発信すればよいでしょうか。結論から言うとポイントは他社と差別化させることを基本に
この2つです。
・短期〜長期ならSNS。ただし広告ばかりにしない
ツイッター、フェイスブック、LINE、note、Instagram、TikTok、LinkedIn、YOUTRUST…SNSは情報の発信・受信から交流、メッセージまでSNSも今や日常使いのツールとして機能するまでになりました。
はてななどのブログ、YouTubeといった動画や音声のVoicyなどSNSの機能を果たしています。今やSNSだけでも百花繚乱。それだけSNSは人を惹きつけるプラットフォームなのです。
SNSはいわば、都会のメインストリートのようなものです。東京で例えるなら銀座通りとか、秋葉原で歩行者天国になる中央通りとか、原宿の竹下通り、浅草の仲見世通りなどを想像してもらえばわかりやすいでしょう。
それぞれの通りにて歩いている人はたくさんいますが、歩く人達のカラーや目的はさまざまですよね。銀座通りなら高価な品物やおしゃれなものを手に入れたいなどの目的がありますし、秋葉原であればパソコンなど家電品から萌えのコンテンツのものに触れたいといった目的があります。
SNSはそういった目的別に情報を手に入れたい、発信したい、交流を広げたいといった目的のためにあります。なかでもInstagramはおしゃれな画像を使って、YouTubeなら動画を、ツイッターなら短文を中心に発信していくことで交流するためにユーザーはアカウント(いわば店舗)をつくり、他者を惹きつける発信を行います。
このようにSNSでアカウントを作って発信することは、SNSという大通りで店舗を構えてアピール・集客していくようなものと同じなのです。
「知られなければ存在していないことと同じ」アートディレクターの佐藤可士和さんはかつてこのような発言をしました。これは採用シーンも同じです。
求人についても、求職者に求人の情報を知られなければ求人が存在していないことと同じです。しかしこれまで求人の告知は求人広告サイトや情報誌といった有料発信しかできませんでした。
しかし、SNSなら無料で発信できます。企業のアカウントであってもメールアドレスと電話番号と住所さえあればすぐに作れます。したがってSNSの企業のアカウントをお持ちでない方はすぐに作ることをおすすめします。
ではどのSNSにアカウントをつくればが良いのでしょうか。端的に言うと
です。
※の2つのSNSアカウントについては企業公式というより個人アカウントでの運用になります。
私はSNSの専門家ではないのですが、上記で言えばInstagramとTikTok以外はひと通り発信したことがあります。多くの人の発信を見たり、自分自身の発信をした経験を通して2021年1月現在では上記が最適解だと考えます。
これらのSNSは、場合によっては短期的に効果を出せる場合もあります。特に2021年頃から高い盛り上がりを見せたLinkedInや、キャリアに特化した新進のSNSのYOUTRUSTはユーザー数が増えていっていますのでアプローチによってはすぐに採用となる可能性もあります。
また、ツイッターやインスタグラムなどでユーザーから良い感触を受けられたらポジティブな意味で拡散され、フォロワー数が増える結果に繋がります。フォロワーによる応募の申込みも増える可能性が高くなるでしょう。
このようにSNSは採用シーンでも強い味方にすることができます。SNSを運用して採用につなげるために次の3つのことに注意して運用していきましょう。
以上3つです。
①は業種や会社のカラーにもよりますが、明らかに業種のカラーやターゲットにマッチしないケースもあります。
トラディッショナルな会社がInstagramやTikTokで発信してもよいですが、場合によっては理想の結果に結びつくことが難しいかも知れません。
逆もしかりで、チェーン系の飲食店が、転職してキャリアアップの志向が強いYOUTRUSTやLinkedInで発信してもアルバイトの採用に結びつくのは難しい可能性が高いです。したがって、業種や求める人物像をもとにSNSを選択しましょう。
②については「あなたがネットを見るとき、広告を見ることが目的ですか?」と問います。
ほぼすべての方が「広告を見たいからネットを見たいわけではない」といいます。あなたも同じですよね?あなた以外のユーザーも同じです。
ユーザーは広告を見たいわけではないのです。たまたま見た広告にクリックするかもしれませんが、あくまでも偶然です。
SNSは交流が目的であって、広告が目的ではありません。したがって広告ばかりの投稿に興味を持ってもらいにくいことは想像に難くないと思います。
したがって、広告的な投稿である「求人のお知らせ」ばかり投稿してもユーザーには無視されてしまう確率が高くなります。
SNSでは広告の投稿よりも、ユーザー教育のための発信を行いましょう。ユーザー教育というとたとえが良くないかもしれませんが、運用者であったり、会社の取り組みであったり、社員の成長であったり、ときに業界に対する毅然とした姿勢などを発信していくことがよいです。
ベンチマークとしては
・米村歩さん(株式会社アクシア)
・トゥモローゲート西崎さん
・株式会社石井マーク
をチョイスしました。
上記3社はターゲットを明確にして、良質な情報を発信し続けています。ときに業界やSNSにおけるよろしくないことに対して毅然とした態度も発信しており、その姿勢から多くのユーザーに惹きつけられています。
それゆえ、株式会社アクシアもトゥモローゲートもSNSだけで採用が完了するという荒業も成し遂げられているのです。
③の炎上リスクについてはSNSの諸刃の剣となる部分です。SNSは発信が拡散しやすい機能がありますが、良い情報よりもネガティブな情報の方が一気に拡散しやすくなります。
意識的であれ無意識的であれ、ユーザーにネガティブに捉えられてしまうとネガティブなコメントが一気に多数書かれる「炎上」現象に見舞われます。炎上が発生すると、マイナスなイメージを世の中に広めてしまい、求職者から応募を辞退されてしまうことになりかねません。
SNSで炎上を防ぐには
上記7点を押さえておけば、大半の炎上リスクは避けられるでしょう。
SNSは諸刃の剣ですが、活用できれば数百万人も利用される空間に良い情報として発信できます。SNSで良いイメージのブランディングが成功すれば、先に紹介した株式会社アクシアのように会社に入社したいという人も現れてくるでしょう。
SNSを利用されている人の大半が社会人であることを考えると、SNSは採用にもつなげられる画期的なツールなのです。しかもSNSはほぼ無料で利用できますから、活用しない手はないですよね。
SNSはリスクを鑑みつつ、日常的に活用して採用のブランディング・マーケティングに活用していきましょう。
・長期的には音声メディア
SNSは短期的〜長期的結果まで見込めます。ですが、定期的に写真や動画、テキストで発信し続けるには、専門の担当者を設けないと厳しいかもしれません。
ふだんSNSで発信してなおかつ多くのいいねを獲得するなどの経験がない限り、SNSで結果を出すにはかなりの時間を要するケースがほとんどです。
またSNSで発信し続けるのが難しい人もいらっしゃるでしょう。毎日とは言わずも毎週のようにSNSを更新し続けるのも難しい人も多いです。
また、動画については編集の手間がかかるため編集などに慣れた人がいないと厳しいかもしれません。
そこで、音声発信はいかがでしょうか。コロナ禍に大きく伸ばしたポッドキャストを含む音声配信は、テキスト・画像・動画に次ぐメディアとして急伸中のコンテンツです。
「採用に特化したオウンドメディア(テキスト・動画・音声)」の章でも書きましたが、音声は炎上しにくい、信頼を獲得しやすい、長期的なファンが付きやすい特徴があります。冒頭で紹介したポッドキャスト番組「DX企画書のネタ帳」や「社長の人生を変える法律相談所」はファンのリスナーが一定数ついており、2021年12月現在コンスタントに毎日30〜70再生数を記録しています。音声は長期的なファンが付きやすいため定期的に配信し続けることでファンが増えていくのです。
さらに、音声配信は配信の手間がかからないことも大きな利点でしょう。なにぶん、しゃべるだけでOKですから。作り込みをしなければ編集もスマホでできて、すぐにオンエアできます。
簡単に発信できてなおかつ繰り返し聴いてもらいやすく、炎上リスクも低い。なおかつ長期的な視点でファンを作る効果が高い、これが音声配信です。個人的にはSNSよりもおすすめいたします。
音声は一般的にはポッドキャスト配信など音声配信プラットフォームを使って配信します。代表的なポッドキャストはApple Podcast、Spotify(Anchorを使って配信)、Google Podcast、Voicy、Stand.fmです。
この中でVoicyは選考制なのですぐには配信できませんが、その他のプラットフォームはすぐに配信できます。
配信した音声はURLをコピペするだけで貼り付けられるのでシェアも楽です。スマホでもPCでも気楽に聞けます。
中でも音声配信プラットフォーム「Anchor」は音楽配信アプリのSpotifyと連動して配信されます。また、Apple PodcastやGoogle Podcastにマルチ配信されるためApple PodcastやGoogle Podcastを聴く人にも届きますので非常に便利です。
また、音声配信はSEO対策にも効果的です。これは「DX企画書のネタ帳」の例ですが
音声配信はマルチ配信されるため、それぞれのサイトのURLが検索結果に現れます。したがって「◎◎株式会社の採用トピックラジオ」といった番組名にしてAnchorで配信したら、「◎◎株式会社 採用」の検索上位にたくさん現れやすくなります。求職者に音声を聴いてもらい、ファンになってもらえば…良い結果につながりやすくなるのは想像できますでしょう。
ただし、音声でも継続的な発信が欠かせません。定期的に発信し続けることで貴社のブランディングが構築されます。
いちばん手軽な発信でも大事なことは継続し続けること、これがすべてです。
「点」ではなく、「面」で勝負する
こんなにもたくさんやらなくてはいけないの…?
とため息が漏れそうですが、「できるだけ多くのチャンネルで発信したほうがよい」ことには変わりません。ペルソナにしている求職者の属性によるものなので、業種によってはSNSは絞り込んだほうが良さそうですが、「接点」が多いほうが知ってもらえるチャンスも広がりますので、発信チャンネルは多いことに越したことはありません。
しかし、やたらめったら発信すればよいかというとそうでもありません。発信する媒体どうしがつながってこそ意味あるものになります。
今回私が提案する採用サイトの一式は下記のような仕組みにしています。
採用サイトや各種SNS、動画・音声、indeedなど無料展開媒体に接点を網の目のように張っていき、すべてが求人申し込みサイトであるengageにたどりついてエントリーしてもらうように仕組みを作るのです。
この仕組みを作らないと毎回の配信がターゲットにとって「点」の配信にしかとらえられず、効果がない→徒労に終わる結果になってしまうのです。
採用は「点」ではなく、「線」→「面」で勝負して欲しいのです。
面で勝負すればおのずと接点が増えます。接点から入場してきた求職者が、点と点をつないだ線を次から次へと進み、ゴールであるエントリーにたどりつく…こういった戦略が欠かせません。
Webサイトなり、SNSなり立ち上げるのはよいことですが、すべてをゴールに辿り着くよう道筋を作ることが大事なのです。
どうしても短期間で決着つけたい場合は
ここまで紹介してきた内容は、長期的なスケジュールで採用サイトを作っていくことを前提にしています。
基本的には3ヶ月前後で採用サイトやSNSの初期公開設定を完成させ、公開後は3〜6ヶ月で運用していくことで制作開始から6ヶ月〜9ヶ月で効果測定をしていくことを基本としています。
ブランディングやマーケティングのメッセージは、一朝一夕で周知させることはできませんので、一定の時間と継続的に発信していくコストがかかることをご理解ください。
ただし、どうしてもできる限りすぐに採用をしなくてはならないケースもあると思います。まずは3ヶ月前後で採用を決めたい場合は次の方法を使ってみましょう。
・リスティング広告を活用する
リスティング広告はGoogleやYahoo!における検索広告のことを指します。検索したら検索画面の最上部や最下部に表示されるテキストの広告のことです。採用を急ぎたい時は、リスティング広告をおすすめします。採用サイトが完成したらすぐにをかけましょう。
なぜリスティング広告がおすすめなのか、理由は2つあります。
1つ目は、他社を出し抜くことができるからです。
多くの会社が求人広告サイトに依存する中、自社の求人告知に対して検索広告を活用するケースは実は少数であることはご存知でしょうか。
業種・業界にもよりますが、求人を探す人は求人広告サイトも見ます。ですが、今や検索が当たり前の世の中。スマホやPCでほぼ必ず検索を行います。
求職者は検索する際、例えば「神奈川 工場勤務 求人」「埼玉 IT 営業 求人」など、「(地域名)+(職種)+求人or採用」で検索します。
地域名は都道府県名がよいですが、地域によってはもう少し地域名を絞っても良い場合があるでしょう。愛知県なら三河、尾張などの地域名を入れても良いです。また、県庁所在地の都市名や、県庁所在地以外でも北九州市や浜松市、相模原市などの政令指定都市名、または地域の主要都市名(例:山口県なら下関市や周南市など、福島県なら郡山市やいわき市など)も良いでしょう。
このワードで実際にGoogle検索を行ってみましょう。だいたい求人広告メディアが最上段に現れます。
「じゃあ、求人広告サイトに広告を入れればよいじゃないか」と思われました?
NO!
求人広告メディアに出稿すると結局求人広告サイト内で比較されてしまいますし、最悪、他社広告に埋もれてしまいます。
自社の広告が他社の求人広告に埋もれたら意味がないですよね?
また、求職者は何も求人広告サイトを見たくて見ているのではありません。自分の大切な仕事を選ぶために仕方なくアクセスします。求職者は「できる限り、早く、よりよい職場を見つけたい」一心で探しているのですから、求職者の要望に応える意味でユーザーが求人広告サイトに入る前に、「先に」求人広告をしてしまいましょう。
求職者が求人サイトにクリックされる前に、求職者が広告枠でクリックしたくなる告知文でクリックしてもらうようにするのです。
このリスティング広告は有料。Googleの検索広告として一定の金額を支払えば、検索の上部・下部のいずれかに掲載されます。金額によるため最上位表示は難しくても広告枠で掲載されることから、検索しても検索結果が表示されないことが無くなります。
検索上位を確保されアクセス数を増やすためにもぜひリスティング広告を活用してみましょう。
2つ目の理由は「デポジット方式」だから。
リスティング広告は通称・PPC広告(ペイ・パー・クリック)とよばれていて、クリックしなければ支払われないクリック型課金です。要は交通系電子マネーをご想像ください。
Suica、PASMO、ICOCA、Sugocaなど交通系マネーは入金しても使わなければずっとチャージした金額は残り続けますよね?リスティング広告は交通系マネーと同じデポジット方式なのです。
クリック課金形式は検索ワードによって変わりますが、クリックされなければデポジットが減りません。逆にクリックする人は広告されている内容に興味・関心が高いと言えるでしょう。興味・関心が高い人だけがアクセスするので効率よく広告できます。
なお、採用が終われば広告のクローズもできます。クローズした時点でデポジットが残っても繰越ができるため、次回の広告運用にご利用いただけますのでご安心ください。
ここまでお話するとSEOを知っている方は次のような質問をされます。
「SEOで集客できるんじゃないのか?」
と。
SEOで「株式会社●● 採用」で検索したらすぐに最上位に上がってくるのではないか、とのこと。
たしかにサイトを公開して、適切なSEO対策をすれば1〜2週間で「株式会社●● 採用」の検索1位を取ることもできるでしょう。
しかし、社名+採用で検索する人はすでにあなたの社名を知っているケースだけです。
あなたの会社が、その地域や全国に名前が知られている企業であれば問題ありません。SEOだけでも十分に対応できるでしょう。たとえば「パナソニック 採用」「京セラ 採用」「コメリ 採用」など大企業や地元の有力企業は、検索したらすぐにそれらの会社の採用サイトにたどり着きます。新卒でもない限り実質、求人広告サイトにアクセスする必要はありません。
しかし中堅〜無名の会社では「社名+採用・求人」で検索されるのはまれでしょう。
実際にあなたが、仮に全く違う業界の会社に転職とするとします。たとえばあなたが製造業にお勤めなら、アパレル業界の会社に転職するとしましょう。アパレル業界の会社名を挙げてみてください。おそらくユニクロ、ユナイテッドアローズなどの大手とあなたが知っている服のメーカーくらいですよね。中小企業はほとんど挙がってこないはずです。そのくらい中小企業は会社名が連想されませんし、誰かに教えてもらう以外検索されることはありません。
このように中堅〜無名の会社は社名で検索されるケースはかなりレアなのです。
ですが、いざ転職しようとしたら大企業だけしかないという人を除けば中小企業も転職の視野に入ります。
では転職先の中小企業をどのように検索するかと言うと「(地域名)+(職種)+求人or採用」です。「(地域名)+(職種)+求人or採用」で検索してもらうためには「(地域名)+(職種)+求人or採用」でSEO対策をすることはもちろん、ブログの更新やSNSの更新なども進めていく必要があります。
しかし地域内の同業他社も同様に「(地域名)+(職種)+求人or採用」でSEO対策をしている可能性も高いですし、これらのワードは求人広告サイトが上位を占めやすいため、SEO対策だけでは限界があるのです。
また、ランディングページの形式を取る場合、ランディングページの形式は1ページ構成ゆえ、複数ページを構成するホームページ形式よりもどうしてもSEO対策だけでは上位に上がりにくくなる特性があります。
これは2021年12月現在の情報のため、Googleのアップデートによっては変化する可能性はありますが、それでもページ数の多いサイトが有利になる傾向があるためSEO対策だけでは検索上位に上がりにくい傾向は変わらないでしょう。
SEOも重要ですが、あくまで求職者に届ける手段のひとつ。SEOばかりにこだわるよりも短期・長期の視点で考え、広告運用するかSNSなどでじっくり関係性を深めていくようにするか、状況に応じて戦略を選択していきましょう。
・媒体別有料広告を利用する
短期的に効果を出したいなら連動して掲載する媒体別の広告枠を利用する方法もあります。
engageなら、連動している「en転職」に有料枠で出稿する方法の「エンゲージプレミアム」と、連動するIndeedに有料スポンサー枠で掲載する「Indeed広告」が選択できます。短期的な結果を望むならこれらの広告を活用する方法もよいでしょう。
エンゲージプレミアムは、応募数保証やAIによるスカウトに加え、会員数800万人以上の「en転職」や、Indeedの有料枠、LINEキャリアの有料枠にも求人が掲載されます。料金は50000円からチャージ方式で、応募があればチャージから天引きされる仕組みです。なお天引き金額は地域・職種によって変わりますので詳しくはエン転職担当者にお問い合わせください。
Indeedのスポンサー枠は、Indeed掲載で上位に表示されます。
たとえば、「web制作 東京都」で検索した場合、
各広告欄の左下に「スポンサー」と表示されている項目がIndeedのスポンサー枠です。
スポンサー枠は検索結果で最優先に掲載。時期や検索ワードによっては検索結果1ページ目はすべてスポンサー枠になり、2ページ目までスポンサー枠である場合もあります。求職者はGoogle検索と同様に検索結果の上位から見ていく傾向がありますので、検索上位が優位になります。
料金はリスティング広告と同じクリック課金方式です。Indeedの公式サイトのヘルプページ(https://indeed.force.com/employerSupport2/s/article/203366230?language=ja)によると、有料掲載には2つの予算設定方法があります。
1つめは平均日額もしくは月額の予算の中で、より多くのクリック数を獲得できるようシステムが自動的にクリック単価の調整を行う自動調節設定。
2つめは手動設定。手動設定は、求人広告1件あたりの掲載総予算である「求人広告予算と、求人広告1クリックに対して支払う「最大限度額上限クリック単価」を設定します。
この場合、予算額であったり上限限度額に達すると広告が自動的に停止され、検索結果に表示されなくなります。
料金についてはIndeedの担当者にお問い合わせください。
・求人広告サイトや転職エージェントサービスとかけあわせる
どうしてもすぐに採用を決めなければならない…こういう時こそ求人広告サイトや転職エージェントサービスの出番です。
すぐに決めたい時はこれらのサービスをかけあわせてスピーディーに結果につなげましょう。
求人広告サイトは多数のユーザー(求職者)を集めています。常時多くの求職者がいるため多くの求職者に届く仕組みができています。
このときも自社採用サイトがあれば強いです。なぜなら自社採用サイトを作る過程で、求める人物が具体的を求めているか明確になっているからです。したがって求人広告サイトへの出稿も原稿に迷うことがありません。求人したい内容はすべて自社採用サイトに書いてあるため、求人広告への原稿は採用サイトを要約するだけなのです。
また転職エージェントサービスについても具体的な人物像を限りなく具体的伝えられますのでエージェントサイドもピッタリの人物を探しやすくなります。
とはいえ、できる限りコストの高い求人広告やエージェントサービスを利用しなくても「集まる仕組み」を作るようにしましょう。そもそも、自社採用サイトを作る目的のひとつは「求人コストを下げる」ことですから。
自社採用サイト+発信のセットは、コストを削減する
ここまで自社採用サイト作成に加え、ブランディング・マーケティング構築のために発信する仕組みについてお話ししました。
どうしてここまで用意する必要があるのでしょうか。
結論から言うと、採用コストを下げるためです。
自社で採用サイトを作り、運用することで採用コストを下げることができます。サイトを作るのでコストが掛かりそうなイメージがありますが、実はその逆。コストを下げる効果があるのです。
・年々上がる採用コストからの脱却へ動き始めた
人手不足となると採用コストが上がります。採用コストは年々増加傾向にあります。採用コストには「外注コスト」と「社内コスト」の2種類がありまして外注コストの代表的なものをあげますと
上記らが外注コストにあたります。
これに対して社内の採用業務などにかかるコストを「社内コスト」があります。
社内コストは、人件費がほとんどなので数値化することが難しくなります。特に採用面接を人事担当ではなく、所属の管理職や現場の社員・職員が担当した場合は、業務の合間に面接や打ち合わせなどを行うため時間コストの計算が曖昧になりがちです。
このように自社が人手不足になるとこれらの業務量や発注量が増えることが採用コストを上げる結果となります。
特に挙げたコスト群の中で最もわかりやすく、そしてリピートコストとなるのが
の2つです。これらは外部へ支払うもの。この支払いが大きくなればなるほど会社の利益を圧迫するのは言うまでもありません。
転職エージェントサービスは成功報酬なので成功するまで目立ってコストは掛かりませんが、求人広告掲載については掲載するだけで数十万円単位の大きなコストが掛かります。
これゆえなのか、2021年の採用の傾向として転職サイトへの掲載が減少しました。
代わりに増加したのが
でした。
ハローワークへの求人票出稿は無料、転職エージェントサービスは成功報酬なのでコストパフォーマンスの面で選択されているのではと考えられます。
「オウンドメディアによる採用」は今回ご紹介している自社採用サイトを使う方法のことです。
オウンドメディアは立ち上げの際はやや大きなコストが掛かりますが、立ち上げが終えたら効率的に発信・運用をしていくだけですので、長期的なコスト削減に繋がりますし、発信する内容が資産として積み上がります。
掛け捨てではなく資産として恒久的に活用できることから、企業もオウンドメディア=自社採用サイトによる採用を拡大させたのだと考えられます。
・自社採用サイトが採用コストを下げる理由
自社採用サイトの最大のメリットは掛け捨てのコストではなく、資産となることです。
前章でも書いたとおり、自社採用サイトは自社の採用に特化したオウンドメディアです。オウンドメディアは言い換えるなら自社が発行する情報誌のようなもの。自社採用サイトの場合、最終的に求人に特化しているので「自社求人情報誌」と例えても良いでしょう。
自社が発行する自社求人情報誌が、「能動的に」(求職者)に読んで申し込んでもらえる仕組みができれば、広告費用は不要ですよね?
自社採用サイトはこの仕組みをつくってしまうメディアなのです。
正確に言うと、自社採用サイト+発信活動が仕組みを作ります。発信することで求職者に接点ができる→興味を持った人が発信や採用サイトをじっくり読む(教育)→繰り返し、となって自社採用サイトに集客・リピートできるようになるからです。
求人広告掲載では数十万〜100万円単位で期間限定での掲載になりますが、自社採用サイトは少額のコストでずっと公開できます。状況によっては公開しておくなり一旦クローズするなりコントロールすることさえも自由にできます。自社で管理運営できるので、高いコストを掛け捨てで支払う必要はありません。
このように自社採用サイトと発信する仕組みは、長い目で見たコスト削減効果をもたらすのです。
・大事なことは、ミスマッチを防ぐこと
採用活動で大事なことは、
「お互いのミスマッチを防ぐこと」
この1点に尽きます。
企業の採用活動にとって避けたいことは、
もありますが、
の2つが最も避けたいことではないでしょうか。
解雇規制により採用後は安易に解雇できないので、採用後に「こんなはずじゃなかった!」となっても時すでに遅しとなります。
一方、求職者側にとっても最も避けたいことがあります。それは
ことです。
求職者側もさまざまな期待をこめて応募します。選考の結果面接でも感触が良ければ入社したいのが本音です。求職者自身も相当吟味して決断しているはずですから。ほとんどの求職者が面接の時にやる気がMAXになります。
しかし何らかの原因で面接後や入社後に違和感を感じてしまうとメンタル面で沈んでしまいます。
こうなってしまうと、両者にとって思ったほどの活躍ができない、果てはすぐに退職されてしまう…となってしまうのです。
これがミスマッチによる悲劇です。
ミスマッチは時間と労力、金銭面に心理面まで余計な負荷をかけるだけで疲弊させる以外生み出しません。
このようなミスマッチによる悲劇を防ぐには
2番目については私は専門外ですのでキャリアコンサルタントやエージェントサービスの担当者、人事研修の専門の方に任せますが、1番目は自社採用サイトや発信でいくらでも解決できます。
求職者が「聞いてなかった」「知らなかった」「合わなかった」ことを最大限防ぐために貴社が何も隠さず、業務や条件・社風・求める人物像まで具体的に開示しましょう。
自社採用サイトに具体的に書いてかつエントリー前にじっくり精読させる仕組みを作れば、精読してそれでも入社したい人のみが申し込むようになりますし、そもそも読んでいない応募者は見送りにすることができます。読み手である求職者がよりじっくり吟味して申し込むため、ミスマッチを防ぐことができる確率が上がるのです。
以上から、正直かつ求職者に魅力的な採用サイトをつくり、適切な運営をすることが採用コストを下げていくことがご理解いただけましたでしょうか。
オウンドメディアは直ぐに結果が出にくいといわれますが、採用シーンにおいては直近で結果を出したいときは求人広告サイトやエージェントサービスをかけあわせて展開できますので、短期的・長期的いずれの求人にもお役に立てられます。
ぜひ今年からは自社で採用サイトと発信する仕組みを構築し、貴社が求める人物に面接の申込み〜入社する仕組みをつくりましょう。
そして、採用や求人において貴社も入社する方にとってもWin-Winになる会社にしていきましょう。
おわりに
以上、2022年度版・採用サイトのつくり方について書かせていただきました。あくまで2022年1月1日現在の考えです。今後アップデートしていくので都度更新してまいります。
ここまで作るのか…と思われますがこのつくり方はあくまで「他社と差をつける」がポイントです。ここまで実践すれば圧倒的に他社と差をつけることができます。
昨今、不況になっていくと予想されるにも関わらず人手不足の傾向が続きます。したがって、これまでにないような横断的人材の奪い合いも発生します。
たとえば、営業職の社員を募集している製造業の会社のライバルがテレビ局になるとか、一見関係ない業種・業界を超えた人材の奪い合いが展開されていくのです。それだけ深刻な人材不足なのに、さらに求職者が選んで入社したい会社を指名し、面接パスしたとしても簡単に辞退できますので、人材の奪い合いの状況により拍車をかけることになるでしょう。
もう「求人広告に出せば勝手にやって来る」時代ではなくなったのです。
時代が変化していく中で時代にあわせて変化していくことがこれからの生存戦略となります。採用シーンも同じです。採用は経営を左右する非常に重要になる活動ですので、よい採用を実現させるためにも、自社でブランディングとマーケティングを両立させた採用活動を自社で行っていく仕組みを作りましょう。
・採用サイト制作運用ご希望の会社様も、採用サイト専属のWebディレクターをお探しの制作会社様も
私・サン-リブの堀内崇は、採用に特化した自社採用サイトを制作・運用+音声配信で長期的な採用ブランディング+マーケティングの構築支援をいたします。
採用にお困りの企業採用担当者の方に、尽力いたします。
また、採用サイト専属のWebディレクターとしての業務委託も歓迎いたします。昨今、Webディレクターがなかなか採用できないといった情報見かけますので、採用サイト制作事業を推し進めたいWeb制作会社様、ぜひ専属〜主担当でWebディレクターとして提携してみませんか?ぜひご連絡をお待ちしております。
いずれもご相談ベースからお問い合わせを承りますので、お気軽にお問い合わせください。
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