大手就活情報サイトの合同説明会中止は「ナビ離れ」の転機になったのか?
┃新時代の「オンライン採用元年」を振り返って
依然として社会情勢はコロナ一色ですが、22新卒採用の動きはここ富山や石川でも活発になってきています。
振り返れば、21採用に関しては新型コロナウイルスの影響で、2020年3月からの大手就職支援サイトが開催する合同説明会は次々と中止となり、従来型の「就活生と企業」の接点が激減しました。
合同説明会に参加することで「本命じゃない企業ではあるが、就活生側も企業と出会う場が存在していた」わけですが、そうした「ウィンドウショッピングでたまたま良い洋服に出会う」ような偶然の出会いはほぼなくなってしまったわけです。
令和に入り、まさに文字通り”新しい時代の就職活動や採用活動”が待ったなしで始まってしまいました。
┃大規模な合同説明会の相次ぐ中止
大手就職情報サイトのマイナビやリクナビは2020年3月に開催予定だった大規模な就活合同企業説明会のイベント中止を発表しました。
これにより、企業側、学生側ともに「今まで経験したことのない就活(採用活動)」を強いられています。
この大規模イベントの中止は首都圏や都市圏の学生に影響があるだけでなく、私達が住み暮らす石川/金沢/富山/福井においても大きな影響をもたらしていました。
この「大きな変化」をポジティブに捉えられるか?それとも慌てふためくか?によって企業の真の価値や今後の企業ブランディングにとっても、重要な分水嶺になるのではないかと考えます。
┃「合同説明会一択」の神話は崩れるのか?
時代が昭和から平成、令和に変わり、世の中はネット社会の隆盛、グローバル化、大手企業の凋落など、大きく変化しているにも関わらず、合同説明会をはじめ、HR領域(※)はまだまだデジタル化やAI化含め、まだまだ旧態以前としており、今まさに旧態からアップデートが進行中の領域だと言えます。
※)HRとは、Human Resourcesの略で日本語では「人的資源」と訳され、おもに企業においては人事部が担うべき役割の「人的資源の獲得」「人的資源の動機づけ」「人的資源の育成」「人的資源の定着」などを指すこともある。
私達プロジェクトタネも、毎年多くの人事担当者様の採用活動をデジタル領域から支援や助言をさせて頂くことも増えていますが、デジタルネイティブな学生に対して、企業側の採用担当や責任者が40~50代の方、という構図も多く見られ、その世代間ギャップにより採用戦略自体のアップデートが追いついていないように見受けられます。
学生にしてみれば、いまだに合同説明会(合説)の存在価値はあるものの、web上での情報収集や、Youtubeなどに代表されるように、リアルタイムでのオンライン配信、ストリーミング配信の方によっぽど馴染みのある世代です。
一方、採用企業側においては、経営者自身がアップデートできていないことも一因ではありますが、未だに旧来の手法に固執をしており、高い費用と膨大は人的リソースを費やして、大手の合同説明会に出展をしています。
「合同説明会自体がオワコンなのか?」と言われれば、答えはNOですが、「合同説明会の一本背負いに頼っているのはオワコン」
だと言えます。
┃新しい時代の企業と学生の接点とは?
2018年に日本経済団体連合会(経団連)から「就活ルール」の廃止が発表され、就活自体が「早期化」「通年化」しています。
企業側も、採用活動、インターンの実施、内定者フォロー、SNSを活用した日々の情報発信、と年間を通じてやるべきこと、対策すべきチャネルやメディアが増えてきています。
そうした、企業側人事担当の多忙さという状況があるにも関わらず、一方で学生側は情報収集力に優れているため、企業側の情報を様々な角度から、かつかなり細部までじっくりと調べ、精査しています。
従来のように、情報の非対称性を以て、採用ができていた時代はすでに過去のもの。
学生は企業側のウソや手抜き、取り繕われた発信をいとも簡単に見抜いてしまいます。
では、そうした情報戦を企業側はどのように戦っていくべきなのでしょうか?
答えはずばり、精度の高いマッチングロジックを徹底活用したweb手法の選定と、マーケティング視点でのターゲットに対して1to1のコミュニケーション戦略にあります。
┃「1to1コミュニケーション」って?
採用戦略の立案と施策の実行には「マーケティング思考が必要になる」ということは既にお伝えしましたが、では、「採用マーケティング思考ってなに?」という点は気になるところでしょう。
端的に言えば、「いつ」「誰に」「何を」「どこ(媒体など)で」「どのようなメッセージや手法で」「どれくらいの頻度で」発信していくか?
ということになります。
また、この考え方の手前には、「ゴール(KGI)の設定」と、そこに至るまでの「中間評価点(KPI)の設定」も重要になってきます。
従来の考え方では、「一人の学生に内定を出す」ことをゴール設定とした場合に、そこから割り戻して、何人の面接をして、何人が説明会に参加して、などという一定数の母集団を集めることに重きを置いていましたが、新しい時代の「1to1コミュニケーション」では必ずしも多くの母集団を形成する必要はありません。
本当に欲しい、たった1人の学生が、御社を選んでくれる、しかも向こうから望んでやってきてくれる。
そうした、応募者=採用者(内定者)という事例がすでに多く見られるようになってきました。
┃まとめ
新時代の採用戦略である「1to1コミュニケーション」は、魔法や手品ではありません。
マーケティング思考に則って、迅速に企画し、愚直に行動し、客観的に振り返り、過去の成功に固執しないで軌道修正できる、そんな企業で成果を出している手法です。
もちろん、企業によって、現状の課題や体制はまちまちですので、細かいチューニングは都度必要ですが、ぜひ私達と一緒に「採用戦略の棚卸し」からはじめてみませんか?
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