水民マガジン 水泳 ストロークを考える(I字ストローク)

以前(かなり昔)マット・ビオンディのクロールの泳法解説ビデオを見ていると 解説の東島しんじさんが『縦のS字ストローク』ということを言っていた

それまでのS字ストローク というと ローディ・ゲインズが白眉だと思うが 左右の横の振幅が大きい 美しいS字であった 
ゲインズのビデオは 擦り切れるほど見た(当時のVHSのビデオは 同じ箇所を何度も再生していると 本当に擦り切れるのだ)
確かにビオンディの泳ぎは 横の振幅がすくなく 縦の振幅が大きいように思えた

クロールの泳法が 変わり始めたと感じたのは シドニー・オリンピックの前後 ハケットやイアン・ソープの泳ぎを見た時だ
動画や写真で見ると 明らかに左右の振幅ではなく 縦の振幅ですらない 
Tポイント(プルからプッシュに変わるポイント)のハイエルボーがエグい

S字ストロークの対概念として I字ストローク つまり 直線的に水をかく という言葉が 流通しはじめて久しい
しかし 寡聞にして 納得できる説明を見たことも聞いたことも 読んだこともない
勉強不足なのかもしれないが

何でも I字ストロークは S字ストロークに比べて ストローク効率は7割ぐらいに下がるが ピッチを上げられるので優れている
とか 筑波大の研究で 短い距離だとI字ストローク 長い距離だとS字ストロークの方が 効率が良い という結果が出た とか聞く 又聞きだけど
しかし 実際問題として 知る限りでは 今 世界制覇を果たしている選手で S字ストロークで泳いでいるのは 極めて稀なのではないだろうか

S字ストロークにせよ I字ストロークにせよ 推進力の主力は 作用反作用だと思われる
S字ストロークは 水を止めておく方法として 揚力の同時的作動が使われている と思う
では I字ストロークで S字ストロークの揚力効果を担保するのは何か?
わたしは 重心移動だと 睨んでおる




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