雑占(ざっせん)とは
偶然性を捉える占いとして、東洋占術では易が有名です。日本では易と言えば周易と言われますが、本来の周易は占卜(せんぼく)ではなく儒学者が扱う経学(けいがく)として扱われます。周易を解明するためには、説文・甲骨文・金石文・考古学などの専門知識が必要となるため、実は本格的に扱える人は非常に少ない学問です。
中国には占卜(せんぼく)と呼ばれる竹の棒、サイコロ、貨幣、石などを使った占いがありますが、これらを雑占(ざつせん)と言います。この代表的な雑占に「六壬(りくじん)」や「五行易(ごぎょうえき)」などがあります。
「五行易(ごぎょうえき)」は断易(だんえき)とも呼ばれ、占術の中では利用度の高い雑占です。十二支(月日時)と五行(ごぎょう)の木火土金水(もっかどどんすい)の生剋(せいこく:助けるまたは剋する)で、吉凶成敗禍福得失と時期が明確に分かる占いです。日本ではあまり使われていませんが、中国では一般的に使われる占いです。
「六壬(りくじん)」は正式名称を「六壬神課(りくじんじんげ)」と言い、十二支(月日時)と六親星(ろくしんせい)と十二天将星の三種類だけで組み立てた「六壬盤(りくじんばん)」を使った占術です。中国では大六壬(だいりくじん)と呼ばれ、雑占で良く使われます。この「六壬神課」は諸葛孔明が創始したと伝えられ、孔明馬上の占いと伝説で伝えられています。孔明が馬上で、六壬盤を手で繰り出し勝敗の吉凶を占い、奇門遁甲で軍を敷いたと言われています。真偽のほどは定かではありませんが、古来より使われていた占術です。この占いの良い所は、吉凶がはっきりする、象意(物事が示す意味)が分かる、占事の状態つまり事件性がみられるという点です。
世の中には古今東西問わず、サイコロ・貨幣・石などを使った多くの雑占がありますが、ホロスコープや推命など生まれ持った運勢判断では扱えない突発的な事象に対応することが出来ます。
そのため世界的に一番活用されている占いは、この雑占になります。