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小説感想

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2025年1月の記事一覧

「文学に選ばれる」とは何なのか&自分を選んだ文学たち、自分を選ばなかった文学たちについて。

「文学に選ばれる」とは何なのか&自分を選んだ文学たち、自分を選ばなかった文学たちについて。

 書評家の人の「あなたがたは文学から選ばれてませんから」というポストが話題を呼んでいるのを見かけたのでその話。
(背景や経緯はおいておいて)この言い方で人に言うのはどうかなと思う一方で、言わんとしていること自体はわかる(たぶん)

 初読で「よくわからない、つまらない」と思った作品を再度読んで「こういう作品だったのか」「凄い」と思った経験がある人は、「作品に対して読み手(自分)が足りていなかった」

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仙人になろうとして死んだ「項羽と劉邦」の張良をきっかけに、道教に興味を持った。

仙人になろうとして死んだ「項羽と劉邦」の張良をきっかけに、道教に興味を持った。

 この前、ブログで道教の概略をまとめた本を読んだ感想を書いた。

 道教に興味を持ったのは、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」の中に出てくる張良が仙人になろうとして死んだというエピソードを読んだことがきっかけだ(以下史実ではなく小説「項羽と劉邦」の話)

 それまで道教は老荘思想を研究したり信奉したりするものと思っていて、神仙術や健康法なども含まれたかなり幅が広い分野だということを知らなかったのだ。

 

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ン十年ぶりに「雲のように風のように」(原作「後宮小説」)を観て、クオリティの高さにビビる。

ン十年ぶりに「雲のように風のように」(原作「後宮小説」)を観て、クオリティの高さにビビる。

 年末年始YouTubeで無料配信されていた「雲のように風のように」をン十年ぶりに観た。
 見始めてまずアニメとしてのクオリティの高さにビビった。これが35年前の作品とは……信じられん。

 原作の「後宮小説」が架空史の色合いが強いのに対して、アニメは原作を土台にしながら銀河の成長譚に焦点を絞った造りになっている。
 テーマを変えているので、設定も筋もほぼ同じながらストーリーとしては別物と言ってい

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