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2024年10月の記事一覧

コーマック・マッカーシーの「平原の町」がブロマンスであることに、今さら気付いた。

コーマック・マッカーシーの「平原の町」がブロマンスであることに、今さら気付いた。

↑の記事でホームズとワトソンは「凄く仲良く育った兄弟が、そのまま大人になった」「阿吽の呼吸があり、それに甘えることが出来る関係」に見えると書いたが、「よく考えたら、それはブロマンスではないか」と気付いた(遅い)

「ブロマンス」は日本のBLの一ジャンルとして生まれた造語かと思っていたが、

調べたら、英語圏でBLとは関わりなく生まれた語らしい。

 言われてみれば「スタンド・バイ・ミー」のクリスと

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「シャーロック・ホームズ」を原文(英語)で読んで、ホームズの可愛さに今さら気付く。

「シャーロック・ホームズ」を原文(英語)で読んで、ホームズの可愛さに今さら気付く。

 英語の勉強がてら、「シャーロック・ホームズの冒険」を原文で読んでいる。
「英語でもスラスラ読めるぞ」というわけではなく、知らない単語を調べれば意味が取れる程度だ。
 載っている話が「赤毛連盟」「まだらのひも」「唇のねじれた男」「ブナの木屋敷」と超有名どころばかりで、だいたい何の話をしているのかわかっていることも大きい。

 ネイティヴの知り合いがいないので細かいニュアンスはわからないけど、英語で

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「俺が本気を出せば」という脳内妄想によって、坂道を転げ落ちるように悪人になってしまう。そんなしょうもない自分も時々許したくなる。

「俺が本気を出せば」という脳内妄想によって、坂道を転げ落ちるように悪人になってしまう。そんなしょうもない自分も時々許したくなる。

 久しぶりに「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を読んだ。
 十代後半の時にハマって何度も読んだ。当時のミステリーのベストはこれか「八百万の死にざま」である。

「郵便配達は二度ベルを鳴らす」は文体がハードボイルド、内容はノワールである。

 主人公のフランクは若くて様子が良くてちょっと悪ぶっているから女にモテる。要領がいいから大抵の場所で一目置かれたり、重宝がられてうまくやっていける。
 だが一か所に

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