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「ウォーハンマー40,000:キルチーム」3版で勘違いしていた(しがちな)ルールとか
以下の文章は全て個人的な感想です。権利者の方々による指摘や、個人的な気付きによって、予告なく変更・削除する可能性があります。
また、視界が狭い人間なので、色々とご指摘いただければ幸いです。
前提
コアブックが無料で配布されているものではないため、わざとルール内容を欠落させて、書いている部分がある。
簡易版にも書かれている内容がメインで、そこから特にわかりにくい部分に注力して記載している。
誤訳などと思われる項目が一部に存在し、それらは、最も正しいと思われる内容としてまとめていますが、誤っている可能性もあります。
これらの文責は、すべて筆者にあります。
お手数をお掛け致しますが、間違っていると思われる箇所は、コメントなどでご連絡いただけますと幸いです。
謝辞
特に誤訳や誤植が混じり、わかりにくくなっている『登攀』『ジャンプ』等の項目に関して、正しいと思われるルールを、ぬまくび@ウォーハンマー飯能会様に教えていただきました。
解釈にとても困っていた箇所なので、非常に助かりました。この場を借りて、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。
ぬまくび様は、埼玉県の飯能地域で月1でウォーハンマーの定例会を開催されている他、キルチームを含めた小規模ゲームの会もよく開催されておりますので、ご興味のある方はぜひご確認ください。
基本構成
コアブック(ルールブック)+キルチーム(ユニットたち)+キルゾーン(テレイン)という3要素がキルチームを遊ぶために必要な要素となる。
これに追加して、承認作戦カードパックやアップグレードパック(装備品など)を追加して遊ぶことができる。コアルールの簡易版はネットで公開されているが、この情報だけでゲームを遊ぶのは難しい。
あくまで簡易版であり、自身か対戦相手か、少なくとも1冊はコアブックを所有していることが望ましいだろう。キルチームのデータはオンラインで無料で公開されている他、スマートフォンのアプリから参照可能である。
現在、データが明確化しているキルゾーンは、『ヴォルクス』『ギャロウダーク』『ベータ=デシマ』の3種類だ。
『ヴォルクス』はローンチボックスである『ハイヴストーム』に同梱されていたテレイン群である。
『ギャロウダーク』は『ボーディングパトロール』のテレインの半分でもあるため、それを持っているならば、使用できる。
戦略フェイズ
各プレイヤーが交互に『戦略的方策』を使用するフェイズ。
先制権をロールオフで決定する。勝者は先制権を取るか選べる。
同じだった場合には、前回のターニングポイントで先制権を持っていなかったプレイヤーが決定できる。指揮ポイント(CP)は、先制権を得たプレイヤーは1、そうでないプレイヤーは2を得る。
ただし、第1ターニングポイントは全プレイヤーが1CPを得る。『戦略的方策』という用語は、『戦略策略』などと似ているため、紛らわしい用語ではあるが、端的に言えば、戦略フェイズで使用するアクションである、ということ。
たとえば、ユニットの効果で『戦略的方策』と書かれていた場合、ここで使用する必要がある。すべての『戦略策略』は『戦略的方策』である。
なので、ここで使用する必要がある。
逆に言えば、『戦闘策略』は『戦闘策略』ではないので、それぞれに書かれた別のタイミングで使用する。『戦略的方策』は、あくまで戦略フェイズに使用するということを意味しており、策略ではないので、CPを消費しない点に注意する。
全プレイヤーが連続してパスを行うまで、『戦略的方策』を1つずつ使用していく。
一度パスを行っても、相手が『戦略的方策』を使用してきたため、それに対応して『戦略的方策』を使用することはできる。いわゆるソフトパス。
態勢
『戦闘態勢』と『隠密態勢』の2つの態勢がある。
『戦闘態勢』は何でもできるが、利点もない態勢。
『隠密態勢』は利点があるが、制限もある態勢。
【制限】射撃と突撃アクションができない
(ユニットの能力などで例外もある)【制限】対抗行動ができない
【利点】遮蔽状態ならば、有効な対象にならない
アクションをする前に、どちらかにすることを決める。
バトル開始時には、全ユニットが『隠密態勢』である。
アクション
アクションは、それぞれに指定されたAPを消費する。
APの合計が『行動力上限』になるまでアクションを組み合わせて使用できる。(ユニットの効果などで上下することもある)基本的には、同じアクションを1つの命令の中で複数回実行できない。
配置転換
【移動力】mvまで移動できる、一般的な移動手段。
敵ユニットの確保範囲内にいたら、使えない。
敵ユニットの確保範囲内には移動できない。
途中で敵ユニットの確保範囲内(1mv)に入ることはできないが、その敵ユニットが別の味方ユニットの確保範囲内にいたらできる。
ただし、敵ユニットの確保範囲内で移動終了できないのは同じ。『退却』と『突撃』と組み合わせることはできない。
ダッシュ
最大で3mvまで移動できる。追加の移動手段。
『登攀』はできない。(『降下』『ジャンプ』は可能)『配置転換』の下位互換なのだが、命令の中で同一のアクションができないという制限があるため、『配置転換』と組み合わせて、移動距離を延ばすために一般的には使用する。
一部の重火器には、『配置転換』を使用すると撃てなくなるものがあるため、この場合にも『ダッシュ』で何とかする。『突撃』と組み合わせることはできない。
退却
2APを消費するので注意。
基本的には『配置転換』と同じ。
ただし、途中で敵ユニットの確保範囲内を通ってもよい(その範囲で移動終了はできない)。『配置転換』と『突撃』と組み合わせることはできない。
突撃
【移動力】+2mvまで移動できるが、敵ユニットの確保範囲内で移動終了する必要がある。
途中で、味方ユニットの確保範囲内にいない敵ユニットの確保範囲内を通ることはできない。
基本的には『配置転換』と同じ。
『隠密態勢』のユニットは使用不可。
『配置転換』と『ダッシュ』、『退却』と組み合わせることはできない。
マーカー関連
ミッションパックでマーカー取得可能なマーカーが指示されていれば、確保範囲内に入っているそれを1APで取ることができ、1APで置くことができる、ということ。
マーカーを運搬している時に、そのユニットが無力化された場合には、即座にマーカーをそこに配置することになる。
対抗行動
自身の手番が回ってきた時に、相手にはまだ命令できる(未行動の)兵が残っている場合、ちょっとだけアクションができる、というルール。
マリーン系など少数精鋭のキルチームを使っているとよく発生する。任意である。
1AP分だけできるが、以下の条件を満たす必要がある。
戦闘態勢の兵のみができる
すでに対抗行動を行った兵はできない
(通常の行動済みに加え、事実的には対抗行動済みというもう一段階先の状態があるようなイメージ)移動する場合、その上限が2mvになる
射撃
条件
射撃アクションを行うためには、以下の条件を満たす必要がある。
射撃をするユニットが『戦闘態勢』であること。
射撃をするユニットが敵ユニットの確保範囲内にいないこと。
射撃をするユニットから、射撃対象の敵ユニットが視認できていること。(射撃ユニットの頭部から、対象が少しでも見ていること)
見えなければ撃てない!射撃対象の敵ユニットが味方ユニットの確保範囲内にいないこと。
射撃対象の敵ユニットが『隠密態勢』かつ『遮蔽(しゃへい)状態』ではないこと。
遮蔽(しゃへい)状態とは、以下の条件を満たした状態のこと。
・照準線(射撃をするユニットのベースの端の1点から、射撃対象のユニットのベースの端から端までの全体を引いた円錐状の空間)に、射撃対象のユニットの確保範囲内(1mv)にある地形が介在している。
ただし、以下の条件では、遮蔽状態になれない。
・射撃をするユニットと射撃対象のユニットが2mv以内にいる。
・『高所』の種別を有する地形に射撃をするユニットがいる時、射撃対象のユニットが、そこから2mvより低くく、軽遮蔽物により遮蔽状態にある。
(ただし、この場合、対象はカバーセーヴを得ることができる上、それをクリティカルにするか、もう1つ追加で通常成功にすることができる)
攻撃側
攻撃ダイスをロールし、【ヒット】以上の出目のダイスが通常成功。
出目が6であれば、クリティカル成功。
出目が1であれば、必ず失敗となる。成功でない出目も失敗。
失敗したダイスを取り除く。『隠蔽(いんぺい)状態』の場合、成功したダイスを1つ取り除く必要がある。
その上、クリティカル成功は、通常成功扱いになる。(弱くなる)
隠蔽(いんぺい)状態とは、以下の条件を満たした状態のこと。
・照準線(射撃をするユニットのベースの端の1点から、射撃対象のユニットのベースの端から端までの全体を引いた円錐状の空間)に、重遮蔽物が介在している。
ただし、どちらかのユニットの1mv以内の部分の重遮蔽物は無視される。
(重遮蔽物の一部が1mv以内に入っていても、その範囲外の重遮蔽物が介在しているのならば、隠蔽状態になる)
防御側
防御ダイスは基本的に3個で、【アーマーセーヴ値】以上の出目のダイスが通常成功。
出目が6であれば、クリティカル成功。
出目が1であれば、必ず失敗となる。成功でない出目も失敗。
失敗したダイスを取り除く。『遮蔽(しゃへい)状態』であれば、振ることなく、ダイス1個を通常成功にすることができる。
これをカバーセーヴと言う。
上述の『高所から軽遮蔽物によって遮蔽状態にあるユニットを無理やり撃つ』場合には、これが強化され、クリティカル成功にするか、もう1個のダイスを追加で通常成功にすることができる。(いわば超カバーセーヴ)
解決
防御ダイスを使って、攻撃ダイスをブロックしていく。
防御ダイス:攻撃ダイスと表記した場合、
通常成功1個:通常成功1個
通常成功2個:クリティカル成功1個
クリティカル成功1個:クリティカル成功1個(あるいは通常成功1個)
という対応で攻撃をブロックできる。
残った攻撃ダイスでダメージを計算する。
隠蔽(いんぺい)状態
遮蔽状態とこれの概念が似ている上に、名称まで似ているので、かなりわかりにくくなっているし、流石にどちらかを別の名称にすべきだったのでは、と思ってしまう。
とはいえ、適切に対応する概念が日本語にはないため翻訳が難しい。筆者的には、視界阻害状態とか、不明瞭状態とか、そういうイメージ。端的に言えば、『重遮蔽物が射線の途中にあるので撃ちにくい』状態。
なので、攻撃側に影響を与える。(遮蔽状態は防御側に影響を与える)照準線に重遮蔽物が介在しており、かつ、それが攻撃側・防御側ユニットのどちらの1mvの範囲の外にある場合に、この状態になる。
重遮蔽物(のテレイン)自体が、どちらかのユニットの1mv以内にあっても、1mvの外の部分が、照準線の範囲にあり、介在しているのなら、この状態にある。
成功したダイスを1つ失敗にしなければならず、その上、クリティカル成功もできない、と制限はかなり厳しい。
とりあえず、撃っておくか、という感じで、ダメージは期待できない。
遮蔽(しゃへい)状態
端的に言えば、『防御ユニットが近くの遮蔽物に隠れている』状態。
なので、防御側に影響を与える。(隠蔽状態は攻撃側に影響を与える)照準線に遮蔽物(テレイン)が介在しており、かつ、それが防御側ユニットの1mvの範囲内にある場合に、この状態になる。
ただし、互いのユニットが2mv以内にいる場合、遮蔽状態になれない。『高所』地形の効果により、その上にいるユニットが射撃をする場合に、『対象のユニットから2mvより低い位置にいる射撃対象のユニットが、軽遮蔽物によって遮蔽状態にある』時のみ、隠密態勢でも射撃の対象にできる。(遮蔽状態にならない)
ただし、この場合、カバーセーヴは取り除かれないどころか、むしろ強化され、カバーセーヴ分のダイスをクリティカル成功にするか、振ることなく、追加でもう1個のダイスを成功にできる。(超カバーセーヴ)
白兵
射撃とは異なり、白兵アクションをした側も対象になった側も似たような処理をする形になる。
確保範囲内にいる敵ユニットを対象とする。
視認できていないと、確保範囲内にいる扱いにならないので、壁越しの白兵というようなことはできない。互いに武器を選び、それによって攻撃ダイスを振る。
出目6は常にクリティカルで、出目1は常に失敗。
援護されている状態では、そのような兵1体につき、【ヒット成功値】が1ポイント向上する。
援護するためには、援護するユニットが以下の条件を満たす必要がある。
(つまり、味方複数:敵単数の状態になっている必要がある)対象の敵ユニットの確保範囲内にいる
対象の敵ユニット以外の敵ユニットの確保範囲内にいない
基本的には、白兵をした側から、攻撃ダイスを1個ずつ解決していく。
攻撃ダイスは、『打ち込み』か『ブロック』に使用できる。
『打ち込み』はそのダイスをダメージに変換すること。
『ブロック』はそのダイスを使い、相手の攻撃ダイスを破棄させること。
通常成功1個で相手の通常成功1個、クリティカル成功1個で相手のクリティカル成功1個か通常成功1個をブロックできる。
射撃と違い、通常成功2個でクリティカル成功1個をブロックできない。
(ダイスを1個ずつ解決するためにできない、と覚えるとよさそう)
確保範囲
1mv以内にいて、かつ、視認できると、それは確保範囲内である。
壁の向こうの(視認できていない)敵ユニットに白兵することはできないし、マーカーを確保することもできない。どちらの条件も互いに満たすはずなので、その関係は相互的である。
策略
『戦略(せんりゃく)策略』と『戦闘(せんとう)策略』がある。
『戦略策略』は戦略フェイズで使用する策略(つまり、『戦略的方策』)で、『戦闘策略』はそれ以外のタイミングで使用する策略。特に記載がなければ、1CP使用する。
忘れがちだが、リロール命令が全キルチーム共通で使用できる。
攻撃ダイスか防御ダイスのうち、1個をリロールできる。
登攀・ジャンプ
ルールブックだけでは、最も読解が困難と思われる項目だ。
誤訳・誤植が入り乱れているので、それをまず確認した方がよい。56ページの写真は、『ジャンプ』の項目の下にあるが、実際には『ジャンプ』はしておらず、『登攀』をしている。
垂直方向に、よりにもよって4mv移動しているが、これは『登攀』した距離であり、『ジャンプ』ではない。
登攀
少なくともハイヴストームに付属してきた日本語のルールブックでは、垂直方向と水平方向が逆になっている。
水平方向に1mv、垂直方向に3mvの地形が対象。
たとえば、『キルゾーン:ヴォルクス』の3階建て廃墟の場合、2階部分は垂直方向に3mvなので、2階部分が飛び出ているところへ、地上(廃墟の中心部)から登攀することができる。(飛び乗るようなイメージ)
一方、2階建て廃墟の場合、2階部分は垂直方向に3.5mvぐらいなので直接、飛び出している部分を対象にすることはできず、まずは壁を対象にして『登攀』する(つまり、壁伝いに移動して、2階部分に行く)必要がある、ということだ。わかりにくいが、これこそが写真の例である。
その位置にある地形が対象にできる、というだけで、登攀(つまり、地形に沿った垂直の移動)自体は3mv以上もできる。
最低でも2mv扱いになる。
ジャンプ
『ジャンプ』という名称からして、誤解しやすい(恥ずかしながら筆者は誤解していた)が、水平方向へ飛ぶもの。ベータ=デジマのような地形で、連続していないテレイン同士を渡るためのものだ。
注釈文に、『ジャンプによって、(中略)、4mv以内の高さの地形を乗り越えることができる。』と記載されているが、ジャンプの内容を考えると、これはおそらく誤訳である。
実際の内容は、『水平方向4mv以内にある地形(現在位置より背の低い地形など)を飛び越えることができる。』という旨だと思われる。つまり、『ジャンプ』は、『地形の端などから、4mvまで水平方向に移動し、その後で登攀か降下を行う。その間にある(背の低い)地形などは無視できる』という内容であると思われる。