IBM 1931401 の SDL Connector が壊れたので、人柱をやってみた
愛用のキーボード
IBM製のキーボード 1931401 (俗に言う Model M keyboard - Wikipedia) をここ20年ほど愛用している。
これに慣れてしまっているので、壊れた時のために3つほど予備をストックしている。そのうちの一つが、Model M Keyboardの一番の弱点と呼ばれている SDL Connector (Shielded data link connector - Wikipedia) がダメになってしまった。ケーブルを替えてもダメだったので、本体側のおそらくコネクターがダメになったようだ。部品取りにするか悩みつつ長年放置していたのだが、最近こういうものを発見した。
Model-H
これにはオリジナルの作者(John Hawthorn)がいて、試作品の話(Model H: IBM Keyboard USB Conversion - John Hawthorn) がとても興味深い。上記の粗悪なコピーの Model-H には心を痛めているようだが、とりあえず手軽に試せるのはまことにありがたいため、購入してみることにした。
とりあえずキーボードの中を開けてみる
清掃のために、専用のキートップ引き抜き工具やねじ回しを使って幾度となく開けているが、基盤周辺はエアダスターでほこりを飛ばすくらいしかしていなかった。基盤を外すのは、物理的に壊れてしまった以前の 1931401から取り外して以来の2度目だ。
LEDの基盤との接続が異なっていた
1987年製の基盤は、一部 Flexible Flat Cable で接続していないところがあった。
とりあえずつけてみた
ありがたいことに、特にドライバーを入れなくても入力ができた。これはうれしい。SDL Connectorも取り外しはできるのだが、抜き差しは気をつかうし、キーボードを持ち運ぶときにも爪が折れそうで保護しないとならないなど不便だったのが解消されるのはありがたい。
とりあえず、LEDの電源供給はあきらめ
LEDが光らなくても Num Lock や Caps Lock、Scroll Lock は動いたので、当面つながないことにした。面白いことに、同じキーボードを2つつなげておくと、USB接続の Num Lock を押すと、もう一つのキーボードの Num Lock がちゃんと光るのだ。片方のキーボードのシフトキーを押しながら、もう一つのキーボードのアルファベットキーを押すと、ちゃんと大文字になってもくれる。まあ、処理するところに何かしらのコードが2つ届けば動作はするのだろうが、ちょっと不思議な気がする。
結果
見事、特にドライバーなどインストール不要で、Windows10 や 11に接続ができた。ただし、このキーボードは、テンキー部分のメルブレンスイッチが何らかの原因で接触不良、もしくは壊れてしまっていることが改めてわかった。 上から順に NumLock / * - (* と -がだめ)789+はすべてO.K.、456+ (56がだめ)123Enter (23Enterがだめ) という状態であることが分かった。
フルキーボードを使っているが、テンキーは 普段 Enterしか使わないため、他人様には譲れないがとりあえず使えるようになったのはうれしい。
それと、右側のシフトがキーは 16 が出て行っているようだが、なぜか認識してくれない。firmware (qmk_firmware/keyboards/ibm/model_m/modelh at master · qmk/qmk_firmware · GitHub) は公開されているので、なにかしらのキーが出ていればここは直せるような気もするが、右側のシフトは普段使わないのと、USBを通してModel-H にドライバーを流し込むまでできる気がしないので、こちらも放置する。
宿題
LEDの基盤と非破壊でつなぐ方法を考える(Digikey で探してみたが、探し方が悪いのか見つけることができず)
メルブレンスイッチの復活方法(さすがに難しいだろうなあ…)
右側のシフトを認識させるために、firmwareの修正(いらないから、まあいいかな)