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月波な夜
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(Moonwave Night)
多層ガラス絵(4層)
580×500mm
立川での初個展「reflection」の会期も折り返しです。
今回の新しい大作は、歌舞伎の『汐汲』或いは能の『松風』を本歌取りした戯画です。
月は一つ。影は二つ、満つ汐の夜の車に月を載せて。
他作品と比べ、微妙な柔らかさと奥深さがあると仰ってくれたお客様がいました。立ち止まってくれる方も多い印象です。技法や捉え方、構成の意識がこれまでと若干異なるので、それがそこはかとなく通じるようです。
一人でアトリエで制作していると、色々思い込みが増えがちで、それはそれで作者としては面白い発酵になる可能性もありますが、こういう気づきはやはり在廊ならではです。
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何度も腐食や削り落としを繰り返し、階調を作り込んだ銅版画にも反応がありました。特に久しぶりに会った知人からは、私が、”持って生まれた線描の魅力で魅せる作家のようなタイプではないから少し心配だったが、「ドローイングの格」が近年上がった”と鋭くもありがたい指摘をされ、そこまで見る方もいることに驚くと同時に、とても嬉しく思いました。
もう少し見る人を信じて表現を投げかけても良いのかもしれません。
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伊勢丹立川店にて28日(火)まで。個展の詳細はこちら