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おどろきしぱた

生まれて初めて読んだ本は何だったか覚えていない。
「おおきなかぶ」だったか「モチモチの木」だったか、いずれにせよ絵本だったと思う。
それから漫画になって「キン肉マン」や「ハイスクール!奇面組」を読むようになった。
子供の頃から漢字が得意だったのは漫画を恒常的に読んでいたおかげだと思っている。
例えば小学校2年生のときには「冗談」という漢字が読めていた。それ以外にも小学校低学年では習わないような漢字をたくさん知っていた。
「ハイスクール!奇面組」には漢字の読み仮名がついていたのに「3年奇面組」にはついていなかった。
これはたまたまそういう転換期に連載されていた作品だったから起こったことなのだろうが、私にとってはこれが良かった。
つまり、読み仮名のついている「ハイスクール!奇面組」の方で漢字の読みを習得し、読み仮名のついていない「3年奇面組」の方でテストしていたことになる。
私は実に効率的に漢字を勉強していたわけだ。
さらに「奇面組」には個性的なキャラクターがたくさん出てくる。
そして、その名前から学んだことも多かった。
例えば「時代錯誤」という言葉。
これは漢字は違うが「事代作吾」というバンカラな先生の名前に使用されていて、それでその言葉を覚えた。
それ以外にも「天邪鬼」(天邪鬼子という天邪鬼なキャラがいた)とか「ニヒル」(似蛭田妖(にひるだよう)というキャラがいた)とか「切磋琢磨」(石砂拓真という先生がいた)などという言葉を自然に覚えることができた。
何が言いたいのかというと、人間、なんだって学ぼうと思えば学べるということ。
親だってまさか我が子が漫画からこれだけの漢字や熟語を吸収するなんて思ってもみなかったはず。
それこそ小学2年生のころ、家のベランダから外を歩く虚無僧を見て(今考えるとなかなかに怖い。人気もなく周りには田んぼしかない細い畦道を深編笠を被った虚無僧が一人で歩いていた)、「ずいぶん時代錯誤やな」と私は言ったらしい。
母親は「時代錯誤」という言葉が出たことと、その使用法の正確さに驚いたようで、いまだにその時の話をしてくる。
これは何も私が優秀だったわけではなく、単純に「奇面組」の面白さが齎してくれた副産物にすぎない。
結局、何が言いたいのかというと、「面白い作品は正義だ」ということだ。そして、創作をしようと思う者は少なからず「作品の力」を信じなくてはいけない、ということです。
もし奇面組が面白くなければ、僕は漫画を読み続けていなかっただろうし、漢字もそんなに覚えなかったはず。
もちろん後々に学校で学ぶことにはなるのだけれど、「勉強」という形で提示されるものほど覚えにくいものはない。
僕は座右の銘のひとつに(多分全部で20個ぐらいある)「習うより慣れろ」を掲げている。
最近読んだ本にも書いてあったが、歳をとって、例えば四十代になって記憶力や学習能力が低下するわけではない。
学生時代には否が応でも毎日触れていた学問に触れなくなったから学力が落ちているだけなのだ。
毎日方程式を解いていればどんなアホでも解けるようになるし、毎日歴史の教科書を読んでいれば年号だって覚えるだろう。
ただ、学生時代はそんなことは思わない。
つまり、嫌々勉強をしていたし、少しでも隙間があればテレビを観てたりファミコンをしたりして勉強から離れようとしていた。
なんであんなに勉強するのが嫌だったのか。
今ではさっぱりわからない。
そんなに気負わずに毎日毎日数をこなすだけで、ある程度の学力はついたはずなのに、と思うけど、後悔先に立たず。
もうすっかりオッサンなので、もう未来だけを見て生きていきたいと思います。
ちなみに、今日はなぜそんな話をしたのかというと、今、こうして文章を書いていても思うのですが、こういった雑文だかエッセイだかコラムだかなんだかわからない文章を書くのがあまりに下手になっている、ということに愕然としているからです。
前はもう少し上手かったはず。
いや、少なくとも一年間noteを毎日書いていた頃はもっと文章の流れがスムーズでした。
今はちょっと文章もガタガタだし、構成もグラグラです。
これはダメですね。
でも、これだって座右の銘(全部で20個)に従うと「習うより馴れ」るしかないのです。
今日から毎週月曜日に必ず記事をアップしますし、それ以外の日でもアップしていこうと思っています。
そして、これは自分だけのノルマながら、1記事2000文字(単純計算で400字詰め原稿用紙5枚分)以上は書こうと思っています。
稚拙な文章が今後どれだけ滑らかになっていくか、そして「ハイスクール!奇面組」で培った語彙力はどこまで発揮されるかも注目していただけたら幸いです。
ほら、最初は硬かった文章がいつの間にか砕けてきているし、気づけば「です・ます調」になってますもんね。
やっぱり「習うより慣れ」た方が良い結果につながるようです。
では、YouTubeチャンネル「斉藤紳士の笑いと文学」共々何卒よろしくお願いします。

では、また来週。

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