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世界最遅! シバターvs久保優太を語ろう■松澤チョロの脱線プロレス

松澤チョロの脱線プロレスシリーズ第4弾。今回はシバターvs久保を世界で最も遅れて11000字で語ります!(聞き手/ジャン斉藤)


――松澤さん、いまさらながらシバターvs久保優太問題です(※取材日は1月17日)

松澤 ホントにいまさらだよね。締め切りに原稿が間に合わなかったみたいな感じだけど(笑)。

――掲載も2月後半とかになっちゃんですけど、だからこそ語れるところもあるんですよ。松澤さんのスタンスって、おそらく騒動直後だったら「真剣に考えろ!」「茶化すな!」「オマエはシバターを肯定するのか!?」と怒られそうなので。

松澤 あー、すごくよくわかる。ツイッターでは空気を読んで、そこまでおおっぴらには書けなかったけど……今回の件に関しては「シバター面白いじゃん!」と思ってて。

――ほら、それがマズいんですよ。

松澤 そんなこと言ってる選手や関係者の意見は、ほぼほぼ目に入ってこないんで「マズいんだろうなぁ」とは思うんだけど、そもそも俺は八百長大好きだったからさ。

――「八百長、大好き!!」って何を言い出してるんですか!

松澤 八百長というかヤラセというか、プロレス・格闘技に関わらず、そういった裏話系の話が大好きなんだよね。だって、そもそも俺たちがいた『紙のプロレス』って、ざっくり言えばそっち系の雑誌だったわけでしょ。

――それはそれでものすごく偏ったイメージですよ。でも、ボクが『紙プロ』出身ということもあって、取材をすると「オフレコ話、勝手に書かないですよね?」とか警戒されますからね。

松澤 あ~、それ『紙プロ』あるあるだよね(笑)。『紙プロ』は他媒体に比べて余計なとこまで踏み込んで面白がるところはあったでしょ。「あれ、この試合はちょっとおかしいな……」ってリアルタイムで気づくことはそんなになかったんだけど。あとになって「スタン・ハンセンが暴れたのは本当はこういうことだったのか」ってことを知ったり。

――だから松澤さんは「シバター面白いじゃん」と。

松澤 そんなこと言うと「センスねえなぁ」とか「悪趣味すぎる」みたいにゴリゴリの格闘技ファンから思われるのはわかるよ。でもマジメな話、今回の騒動抜きにして、大晦日のRIZINは地上波で観てたんだけど、俺はシバターvs久保戦を他のどの試合より緊張して見てた。

――少数派だとは思いますけど(笑)、なかにはそういう人もいたでしょうね。

松澤 いや、前田(日明)さんなんかもそうだけど、戦前は「体重差がありすきる」みたいな指摘をする人多かったでしょ。それでも「勝てる」と踏んでオファーを受けた久保と「さすがに負けるかも?」と思っていろいろと対策を練ったシバター。「久保はイロモノ枠に入れて欲しくなかった」的な声も多く出てたけど、まあ体重差はたしかにあったけど、総合格闘技のファイターとしてのスキルは「シバターのほうが上じゃない?」とも思ってたから、俺的にはメチャ勝負論もあるナイスなマッチメイクだとも思ってたし。で、終わってからあんな騒動になったから、シバター本人はもちろん、YouTubeで関連動画も観まくったよ。それでも、あらためてシバターは面白いなあって思ったしね。結果的にもシバターvs久保の件は双方ともにお咎めなしだったし、まあ言ってみればシバターの一人勝ちだよね。

――……いいかげん、巻き添え食ってボクも怒られそうな感想ですね。

松澤 いや、正直言って、今回の件で「RIZINの対応にガッカリした」とか「もうRIZINを見たくなくなった」みたいに言ってる人とか知り合いにもいるし、「まあ、そういう風に捉える人もいるだろうなぁ」ってのは理解できる。俺もシバターがやってること全肯定するつもりもないし、RIZIN出禁とかなっても「そりゃそうよね」と思ってたぐらいだし。

――シバターはマット界の人間ではないこともあって誰の言うことも聞かないみたいですけど、佐野直の話だけは聞くという都市伝説はありますね。

松澤 佐野直幻想!(笑)。唯一不満なのは、この試合はRIZINの公式YouTubeでバックステージをクローズアップするライコンって番組でも取り上げてなかったでしょ。臭いものには蓋をする感じで。あれだけバックステージにカメラがあったんだから何か真実が転がってるかもしれないし、実際シバターも控室での久保選手の嫁のサラさん(※取材後、正式離婚)周りの不穏な動きとかも指摘してたしね。

――“黒いライコン”を期待するなんて、とことん下世話ですねぇ。

松澤 でも、Dropkickの読者はマジメな格闘技好きが多いイメージだからアレだけど、俺みたいにシバターを支持する層って一定数いると思うんだよね。ツイッターだとそうでもないんだけど……たとえば俺はスロットをやるんだけど、スロット好きの格闘技ファンからすると大晦日のシバターには期待してたはずなんだよね。

――それはシバターがパチンコ方面での仕事が多いことと関係あるんですか?

松澤 そうそう。シバターはパチンコ&スロット店にゲストで呼ばれて実践動画もYouTubeで配信してるんだけど、シバターの場合は「ギャラはそんなにいらないから、その日は必ず出してくれ」という契約をしてるのよ。それで、もし出さなかったら、お店のことをボロクソ言うわけ。 だからシバターが嫌いな人でも、シバターの来店の日はみんな期待してお店に行くの。

――いいことじゃないですか。

松澤 と思うでしょ? でも、弊害があって。シバターが来ない日は逆に回収になっちゃうから、業界的にもお客さん的にも良し悪しはあって。ただ、昔に比べていろいろとパチンコも規制も厳しくなってるなか、自分の来店ギャラだけしっかりもらえればいいやと考えてる演者が多いなか、シバターはお客さんに喜んでもらえるよう、しっかり店側と交渉して自分のイベントのブランディングを上げてるんだよね。

――パチンコ業界でもお騒がせしていると。

松澤 結果的にシバターは2年連続大晦日で勝ったから知名度がまた上がって、シバターをゲストに呼ぶパチンコ店はすでに増えてる。つまり、パチンコ&パチスロファン的にはシバター来店の日は狙い目なんで、それほどシバターを好きじゃなくても注目度の高い大晦日に試合するなら、たとえ姑息な手段を取ろうとも勝利を願うという側面もあるわけ(笑)。

――ものすごくミクロな世界ですよ、それ(笑)。

松澤 とか言いながらも、自分は一度もシバター来店のホールに足を運んだことはないんだけどね(笑)。

――とにかく松澤さんは大晦日直後からシバターvs久保問題に血沸き肉踊る感じだったと。

松澤 いやあ、直後はいろんな意味でドキドキしたよ。直前の「久保さん怖いから辞退したい」アピールは「気持ちはわかるけど、なんだかなぁ」と思ってじゃっかん冷めて観てたけどね。

――「シバターなら何をやっても許される」というスタンスではないと。

松澤 そうそう、そんな感じ。でも、ぶっちゃけジャン斉藤もこっち側の人間でしょ。『紙プロ』育ちなんだから、普通のプロレス雑誌に載らないような話が大好きだったわけじゃない?

――プロレス雑誌に載らないような話をなんとか日の目を見るように頑張っている人間ではありますね。

松澤 そんなジャン斉藤がこの件が騒ぎになり始めた当初「八百長が事実だったらマズイことになりますよ」ってツイートしてたことが気になって。それは俺なんかと違ってRIZINのことをよく知ってるからなんだろうけど、「え、そんな大事になるの?」って正直ビビった。

――だって八百長があったら大事ですよ。  

松澤 同じ時期に堀江ガンツさんもそういうことをツイートしてて。『紙プロ』出身の2人がこんなこと書くんだから、はしゃいじゃマズイのか……と思って多少自粛した部分はある(苦笑)。

――たぶんボクも堀江さんも20年前だったら違ったリアクションだったかもしれませんけど、松澤さんほど下世話じゃない(笑)。ボクはこの件の全体像が明らかになるまではピンポイントでしかツイートしてないんですよ。非常に興味深い騒動なんですけど、批判するにしても興味を示すにしても誤解を招きそうですし。

松澤  恒例の大会直後インタビューで渦中の笹原さんを取材したのも知ってるし「どこまで話してるんだろう?」と公開されるのを待ったけど、予想どおりというか、なかなか公開されなくて「うわ~、大変そう」と他人事ながら思ったし。

――あれは元旦に収録したんですけど、収録直後に今回の騒動が発覚したんですよ。けっこうな騒ぎになったから「お蔵入りになるだろな」と思ったんですけど、まあ笹原さんもどうかしてる側の人間なので、時間はかかりましたが、ひょっこり原稿は戻ってきました。

松澤 自分の知ってるジャン斉藤も堀江ガンツさんも今回の件にはもの凄く慎重であったのは伝わってきた。要するに俺と違って、みんな立場があるってことだよね(笑)。

――松澤さんもそろそろ誰かに怒られたほうがいいですよ!

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