急がば回れ - 2020/02/22 vsサガン鳥栖
川崎フロンターレの2020年開幕戦は
ホーム等々力にサガン鳥栖を迎えての1戦。
残念ながら0-0のスコアレスドローとなった。
現地観戦していて気になったポイントをいくつか。
急ぎ過ぎて遅くなる
清水戦ではあまり気にならなかったのだが
今回の鳥栖戦は「遅いな」と感じた。
それは昨シーズンのように
回し過ぎているというだけではなく
縦に急いだ結果、コントロールミスで
逆に時間がかかってしまった印象だ。
主に左サイドで顕著だった。
その結果として起こったことは
エリア内に人が集まり過ぎてしまい
「より多くの人を送り込める」
というメリットを掲げていた4-3-3が
逆効果になってしまった感があった。
清水戦ではサイドを攻略したタイミングで
中央に侵入してきてそこに合わせる形だったが
鳥栖戦では中で待っているところに上げる、
という形になってしまったため
DFとしても守りやすかっただろう。
右サイドの崩し不足
基本左から攻める形になってしまって
ピッチを100%使いきれてなかった印象もある。
山根が高い位置で持って、預けて裏抜けして
そこが使われるシーンがほとんどなかった。
家長が抜け出してクロス、は何度かあったが
家長のクロスは右足だと精度が落ちる。
左足だと巻く形になるので基本ファーに飛ぶ。
左で待っているのは長谷川だ。
ハイボールに合わせる形はマッチしない。
右からどう崩して同点を取るか。
そこがまだまだ整理されてなかった。
山根がどう動くのか、そこをどう使うのか
脇坂がどのタイミングで入ってくるのか
再現性のある攻め方を組み立てる必要がある。
そういう意味で家長の役割を
もう一度考えなくてはいけないと思う。
あのポジションは左に流れてはいけないのではないか。
幅を使って真ん中を開けるべきで
逆サイドを埋めに行ってはいけない。
自由に動いてもらいたいなら
センターハーフに置く方がマッチしてる。
脇坂のやってた役割をやるイメージだ。
右サイドが主戦場の選手は実は多くない。
旗手も宮代も本来は真ん中でやりたいはずで
ちゃんと候補になるのは学くらいだろう。
(学も本来は左だが、フロンターレでは右の方がハマると思う)
ここをどれだけちゃんと埋められるかが
今年のフロンターレを左右することになる。
サポーター的VARとの向き合い方
この試合で注目を集めたのは
ダミアンのゴールがVARで取り消しになったシーンだ。
Twitterを見ると
「何が起こってるのかさっぱりだった」
「動画を場内でも流して欲しい」
「何があったのか説明して欲しい」
という声が多かった。
ただ去年のジャッジリプレイを見て思ったが
判定を変えるというのは審判にとって
かなり勇気がいる決断になる。
そのために必死でVARと会話をして
短い時間ですぐに判断しなければならない。
その状況下で、場内にリプレイが流れて
セルフジャッジして騒ぎ出す選手やサポーターがいるかもしれないことを考えると
やはり流すべきではないのでは?と思う。
今回はオフサイドの有無だったので
オンフィールドレビューは行われなかった。
なので映像も流れなかったが
PK有無をスローで流したら
それはもうPKだと騒ぎ出すサポーターはいる。
その状況下で審判がフラットに判断できるか、
審判も人なので難しい。
判定に影響を与えそうなことは避けるべき。
そしてサポーター側も
もっとVARについて知る必要がある。
初めて見にきた人が分からないのはいいが
毎試合のように見にくるレベルの人が
「何が起こってるのか分からない」は
それはもっと知った方がいい。
VARが一体どのような場面で使われるのか。
それを考えれば自明ではある。
ゴールが入ったテイで進んでいるわけなので
基本的にはそれが間違ったジャッジかもしれない、という方向での検証になる。
わざわざゴールを取り消してまで、実はPKだったのでは?には絶対ならない。
となると可能性としては
・オフサイドがあった
・ダミアンの手にどこかで当たっていた
のどちらかしかない。
自分の席はSGエリアだったので
やや斜めながらも横から見えていた。
ダミアンの位置は怪しかったな、
と感じていたので
VARと話始めた時点で取り消しを覚悟した。
そこまで見えていれば
判定には不満は全くない。
不満に思うのは知らないためだ。
なぜリプレイを見にいかないのか?
オフサイドは蹴った瞬間出てた出てないだけなので、主審の判断基準に委ねる必要がない。
誰が見ても同じジャッジが下されるものだ。
なので主審が見る必要がない。
ファールだったかどうか、は
主審がみて判断する必要がある。
押した強さがどうだったか、
その日の基準をどこに置いているか
これはVARでは判断ができない。
だから必要になったらリプレイを見る。
「判定の説明をしてほしい」というのは
選手の心境を考えたらありえないと思う。
ただでさえ取り消しをされてショックな時に
「ただいまの判定は〜」
みたいに説明されることで
どれだけ勢いを削がれるか。
選手には「VARの結果、オフサイドでゴールは取り消し」と伝わってるのだ。
それで十分ではないだろうか。
スタジアムで観戦していて
それ以上の情報がもしもほしいのであれば
同時にDAZNを見て解説を聞くか
自分で判断できるように知るしかない。
本当に知ってた方が変に傷まなくて済むので
ちゃんと知った方が楽しめると思う。
ルヴァン決勝の谷口退場も
あの場面でVARになった瞬間に
DOGSO以外にはありえなかったのだ。
ファール取り消しなんてVARはありえない。
どうしたらVARがもっと伝わるのか
Jリーグがどう伝えていくのか
そこにも注目したいと思う。
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