さとこい地底伝説_

【脚本】さとこい地底伝説

※昔書いた『さとこい地底伝説!』の脚本が我ながら割と面白かったので、なんとなく有料公開してみんとてしてみました。

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//さとこい地底伝説!
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//トラック1『地底のフィロソフィスト』

霊夢
「さて、わざわざこんな地底深くにある、
 地霊殿まで来てみたわけだけど……」

//SE ゴンゴン、と重い扉を叩く音

霊夢
「たのもーう。さとり、いるー?」

//SE ガチャ、ギーと開く音

さとり
「はい? あれ、霊夢さん……」

霊夢
「久しぶりねさとり」

さとり
「ええ、本当に」

霊夢
「ところで今回は、あんたたちに
 頑張って貰うことにしたわ」

さとり
「突然なんの話……?
 ……あ、なるほど。お金儲けを持ってきたのね。
 ……そして私たち姉妹をそれに利用したい、と。
 ……つべこべ言わずやれって言うつもりね」

霊夢
「あんたは相変わらず話が早くて楽だわ」

さとり
「私の心を読む程度の能力をそんな風に言うのは
 貴女だけだけど……」

霊夢
「ということで、私の神社のお金儲けする為に、
 あんたたち姉妹にデビューして欲しいのよ」

さとり
「……どうして私たちに?
 ……ああ、そういえば、妹のこいしったら
 地上で大暴れしていたものね。
 ……その人気にかこつけるってこと……」

霊夢
「いやあ、全部言ってくれるから、ほんと楽ちんね」

さとり
「楽をされるのも心外よ。それに、
 どうして私たちが貴女のために
 お金を稼がないといけないの」

霊夢
「売れそうだから?」

さとり
「分かっていたけれど、やっぱり答えになってないわ。
 んもう……」

霊夢
「まあ、あんたの都合はこの際いいのよ」

さとり
「そうね……私がつべこべ言っても、
 貴女はやらせるつもり満々だものね……」

霊夢
「解ってるじゃない。それで、妹はどこ?」

さとり
「それが分かれば私も苦労しないのだけど……」

こいし
「ん? もしかして呼んだ?」

さとり
「わっ、こいしっ。いつの間に私の後ろに?」

こいし
「えへへ、いつだろうね?」

さとり
「もう、また無意識に……」

霊夢
「あれ、あんたいたの?」

こいし
「うん、ずっといたよ」

霊夢
「どの辺りから聞いていたのよ」

こいし
「巫女が『なんか楽して稼げる方法ないかしら?』
 って神社でぼやいていた時からかな?」

霊夢
「それって今朝のことじゃない。っていうか、
 ずっと神社にいたの?」

こいし
「んー? どうだろうね?」

さとり
「この子は無意識で動いているから、
 いつから、とかどうして、とか
 全く分からないのよ」

こいし
「えへへー」

霊夢
「ふぅーん。楽そうでいいわね」

さとり
「……こいしのことをそんな風に言うの、
 貴女だけだと思うわ」

霊夢
「そう? 魔理沙も言いそうだけど」

さとり
「ああ……言いそうだわ……」

こいし
「それで? お姉ちゃんとアイドルすればいいの?」

霊夢
「そうよ。そして天狗たちや死神たちを仕留めて
 お金を稼いでくれればいいの」

さとり
「仕留めるには天狗は強すぎると思うけど……」

霊夢
「ちなみに死神の相方は幽香よ」

さとり
「確実に私たちじゃ仕留められないわ」

こいし
「でもお姉ちゃん!」

さとり
「ん? なあに、こいし」

こいし
「歌なら……わたしたちの愛の歌なら勝てるよ!」

さとり
「…………愛?」

こいし
「そう、愛こそ全てなんだよお姉ちゃん!」

さとり
「ごめんなさい、こいし。貴女が何を言っているのか、
 さっぱり分からないわ」

霊夢
「つまり歌なら面倒臭い妖怪相手でも勝てる、
 ってことじゃないの?」

こいし
「そうそう! 弱っちいお姉ちゃんでも、
 そこそこいい勝負出来るよっ」

さとり
「う……でも、そんなに歌なんて歌ったこと
 ないわよ……?」

こいし
「わたしは適当にいつも歌ってるなー、無意識に」

さとり
「どんな?」

こいし
「お姉ちゃんをぺろぺろする歌とか」

さとり
「……聞かなければ良かった……」

霊夢
「話は済んだ? というわけで早速歌って欲しいんだけど」

さとり
「そして貴女はせっかち過ぎよ、霊夢」

霊夢
「いいじゃない、善は急げよ」

さとり
「そもそも、どうして私たちが貴女のお金儲けの為に
 歌ったりしないといけないの」

霊夢
「ん? だから、お金になるからじゃない」

さとり
「こっちはこっちで全く話が通じないわ……」

霊夢
「別にあんたたちをぶっ倒して、別の妖怪にしても
 いいっちゃいいんだけど……」

さとり
「ナチュラルに脅されてるわね、私たち」

こいし
「まあ、楽しそうだしいいんじゃないかなー?」

さとり
「うーん……こいしがそう言うなら……」

こいし
「わーいっ! お姉ちゃんと夜のデュエットー!」

さとり
「待って、待ってこいしっ」

こいし
「ふぇ?」

さとり
「なんで『夜の』ってつけたの?」

こいし
「えっ、お姉ちゃんったら朝も昼もしたいの……?」

こいし
「んもう……しょうがないにゃあ……」

さとり
「いやいやいや、そういう意味じゃなくてっ、ていうか、
 歌の話よね?」

こいし
「そう。マイクを握って……ね♪」

さとり
「……どうしてかしら。なんとなく
 不穏な気配を感じるのは……」

霊夢
「MCの漫才の練習は終わった?」

さとり
「そういうのをしてたわけじゃないわっ」

霊夢
「ほら、ちゃきちゃき歌の準備して。
 時は金なり、なのよ。いい加減な気持ちで
 アイドルやってもらっちゃ困るわ」

さとり
「い、いい加減な気持ちの貴女に、
 歌わせられることになっているのだけど……」

霊夢
「いい加減なわけないでしょ! 神社のお金不足は、
 結構深刻な問題なのよ!」

こいし
「そうだよお姉ちゃん! 霊夢ったら参拝客がいないから
 毎日とってもぐーたらしてるんだよ!」

さとり
「どうして私は、私の全く関係ないことで
 二人から怒られているのかしら……」

霊夢
「はいはい、それじゃあ早速一曲目いくわよー」

こいし
「はーいっ♪」

さとり
「納得いかないけど……まあ、うん」

さとり
「よりによって貴女たち二人に言われて、
 抵抗なんてしても無駄だったわね……」

こいし
「よし、じゃあお姉ちゃんいくよっ」

さとり
「わ、分かったわ、こいし」

霊夢
「うん、覚悟も決まったなら早速――」

霊夢
「ミュージック、スタートっ!」

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//トラック2・歌パート
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//トラック3・『嫌われ者のシャイローズ』

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