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Step1 排卵誘発

Step1 排卵誘発

自然の月経周期では通常1個の卵胞が成長し1個の卵子が排卵しますが、体外受精では排卵誘発剤を使って複数の卵胞(3~15個)を成長させ1度の採卵で複数の卵子を採取し、その後何度かの胚移植に利用できるようにします。採卵できる卵子数は、使用する排卵誘発剤の投与量のほか、年齢や体質、薬剤の感受性、過去の治療歴、その時の体調などにより異なります。

排卵誘発剤の投与と並行して超音波検査による卵胞計測を行い、採卵時期が決定されます。卵胞が成熟した時点(通常、卵胞径が 18~20数mm程度)で排卵誘発剤の投与を終了し、続いて卵胞の成熟を促すhCG製剤(採卵前約36時間)を注射して、翌々日の採卵に備えます。

■アゴニスト法

HMG注射を月経3~5日目から投与。注射の種類や投与量は各人により異なります。 目安として、35歳未満は1日150単位、35歳以上は1日300単位、反応不良例には450~600単位。卵胞サイズを適宜計測し、注射の量を調節します。 採卵前の排卵を抑制する方法としてアゴニスト(主に点鼻薬)とアンタゴニスト(腹部皮下注射)を用いる。

 アゴニストを開始する時期によりショート法、ロング法、ウルトラロング法がある。
ショート法は月経初日から、ロング法は前周期の高温中期から、ウルトラロング法はさらに前から、開始します。 

 刺激周期のなかでさらにそれぞれの利点、欠点等について下記に述べます。

①ショート法

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②ロング法

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③ウルトラロング法

下垂体ホルモンが長期間にわたって完全に抑制されている状態から排卵誘発をスタートする。
ゆえに、月経は開始しない状態から注射をスタートする。
下垂体抑制はリュープロレリン®などの皮下注射や点鼻薬ブセレキュア®。あとはロング法と同じ。子宮内膜症、とくに子宮腺筋症の方で、着床環境を整えるために行うことが多い。

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■アンタゴニスト法

月経3日目からHMG注射を開始。月経6日目よりガニレスト®を腹部皮下注射。卵胞が充分発育して採卵が決定するまで4日毎に追加。

■自然周期法

排卵誘発剤を使用しないか内服にとどめた方法。

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◾️体外受精説明会資料

下のファイルは当院、体外受精の説明会で使用する資料です。
ダウンロードの上、ご参照ください。

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