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小説『政軍隷属:シビルミリタリーセルヴス』(全文無料公開中)

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2024年6月の記事一覧

小説『シビルミリタリーセルヴス: ダイジェストバージョン』(全文無料公開中)<㊥>

小説『シビルミリタリーセルヴス: ダイジェストバージョン』(全文無料公開中)<㊥>

セレクション(第1週 各種素養試験)

「これって録音もされてんのか?」
「分からないけど、訊いたら警戒されると思って訊かなかった。というか、さっきの指導官、面接で来た人と同じだよね?」
「あの低い声は多分そうだろうな……ま、一週間に一回、こいつの充電を忘れなきゃ、大事だろう。後は俺達次第だ」
「——そうだね」
 裾を整え、二人で廊下に出る。隊舎の外観通り、横長の廊下だった。訓練生達が荷物を抱えな

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小説『シビルミリタリーセルヴス: ダイジェストバージョン』(全文無料公開中)<㊤>

小説『シビルミリタリーセルヴス: ダイジェストバージョン』(全文無料公開中)<㊤>



この作品は「縦書き用」に書かれています。
アラビア数字ではなく縦書き用の漢数字が使用されています。
Wordでの出版のため、ルビや縦中横の不使用などがあります。



 

  シビルミリタリーセルヴス 
  ダイジェストバージョン

 CIVIL MILITARY SERVUS
: DIGEST VERSION

 

目次
上巻部分

プロローグ 狸穴

起 出内機関

承 訓練開始

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小説『シビルミリタリーセルヴス: ダイジェストバージョン』(全文無料公開中)<㊦>

小説『シビルミリタリーセルヴス: ダイジェストバージョン』(全文無料公開中)<㊦>

血盟団と竜崎

 二〇三五年、五月。茨城県南部の山中。
 大量の埃や蜘蛛の巣と格闘し、刈払機で周囲の雑草を殲滅させ、壊れたインテリアや使わない家具を空き部屋に運びながら、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を交わした引っ越し初日から数週間後。
 悩みつつも古民家のリノベーションを早々に諦めた「チーム境」の下で、縁側から陽光が差すセーフハウス一階の広間に、山田は仲間と常居していた。正面玄関以外、人が侵

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