企業に勝つには

個人系Vtuberの戦略論⑤ ~企業と戦える商品や動画とは?~

前回は、商品の作り方という話をした。
難しい話を書くと、究極に簡単な商品を作る方法は成功している人の商品(動画など)を完全にまねすることだった。

 しかし、個人系Vtuberが個性で勝つためには、過去の自分が欲しかったものや、欲しいと思っているものを商品にしてみたほうが良い。
 自分がやりたいことではなく、こんなものがあったらいいなというものである。
 何度も言うが、欲しいものと自分がやりたいことは大きく異なっているので、間違いやすい点であるが、方向性が大きく変わってしまうポイントなので注意が必要だ。

■情報の有無が大きな壁になる

これを読んでいる皆さんは、個人でVtuberとして既に活動をしているという人もいるだろう。もちろん、これからVtuberとして活動をしたいと思って準備をしている人もいるだろう。

実際に活動をしているVtuberの皆さんは、実は活動していない人より大きな情報を手にしていることを知っているだろうか?



まず、注意すべき点は、

現在活動している人が偉い」とか、「成功する」ということではないことだ。

活動をすると沢山の情報が手に入るぞ!

ということに気付いてもらいたいという前座のお話だ。
具体的にどんな情報が手に入るのかというと……。

Vtuberの体を動かすのにどんな大変さがあるか?
一つの動画を作るのに大体どれくらいの時間がかかるのか
自分の知名度がどの程度あるのか?
継続できそうか?
動画を作るのが楽しいか?
活動をしてみて楽しいか?
もっとやってみたいと思えるか?

などなど、多くの情報が手に入る。
ここに書ききれていない情報も沢山活用することが出来るようになるのである。

経営戦略論では、このような形のない情報というものも、経営資源とみなす。
名称を情報的資源という。

実は、情報的資源は、その情報を集めて活用した人でなければ扱うことが出来ない。企業が出来ない事をやっている人であれば、その人を企業が雇い入れることをしない限り人が持っている情報的資源を活用することが出来ないのである。
また、同じような情報的資源を作り出そうとすると、時間がかかる。企業からすると効率の悪い作業のように見えてしまうのである。


■情報的資源を活用して戦う

個人が企業を超えたいと考えるのであれば、この情報的資源が大いに役に立つ。

積極的に収集し、活用してかなければならない。




では、どうやって情報的資源を積極的に集めることが出来るのだろうか?

これは単純明快である。

自分が行動することで周囲の環境が変化していることに気付くことである。

VtuberとしてTwitterに呟くことで周囲にどんな影響を与えるか考えたことがあるだろうか?
Vtuberの配信や動画を投稿することで、環境にどんな変化が起きるか考えたことがあるだろうか?
投稿する前と投稿した後では、自分を中心とした環境に変化を与えることになるのである。

自分が商品を提供した結果、どんな影響を与えたのかを理解することが、「分析」であり、「評価」である。





良い評価の物は「なぜ良い評価だったのか?」を理解することで、さらに良いものを作ることが出来る。

悪い評価の物は「なぜ悪い評価だったのか?」を理解することで、悪い部分を改善することが出来る。

また、周囲の環境は常に変化しているので、昔良かった商品を今提供しても良いものになるとは限らない。


古い旧式のパソコンを今も欲しいと思うのは、ごく少数の人だけだろう。

Vtuberとは、何百万人という人間を相手にする活動である。
一番最初に作る商品なのであれば、万人受けをする商品を提供するのだ。
ごく少数の人に当たる商品は、ゆっくりと温めて作っていく方がよい。のちに自分の最高傑作として世に広めていくことが出来るようになる。
Vtuberとしての知識や、サムネイル、動画の構成などの知識も、活動を続けているうちにどんどんと身につく情報的資源なのだ。


(1)商品の性質の分析

自分が提供しようとしている商品の性質を分析する。
商品の性質の何がお客さんを引き寄せるのかを明確にすることで、お客さんのために何をするのかを考えられるようになる。
自分が楽しいことではなく、お客さんが楽しいことを商品に出来るようになっていくはずである。



具体的に何個か例を挙げてみよう。

事例 歌ってみた動画
【主要テーマ】
歌を歌う

【なぜお客さんがその動画を見るのか?】
そのVtuberが好きだから、その歌が好きだから、音楽を聴きたい気分だった、サムネイルに惹かれて、前から興味があった

【誰に対して提供するか?】
その歌が好きだから、サムネイルに惹かれて、音楽を聴きたい気分だった
の人たちに提供する。

【上記の人が動画に求めているもの】
歌を上手く歌うこと、興味を惹かれるサムネイルにすること、聞いていて不快にならない事など

【同じようなことをやっている人はいるか】
ニコニコ動画の歌ってみた、youtuberの人の歌ってみた動画、Vtuberの歌ってみた動画

【独自性はどうするか?】
コードの進行を解説しながら歌ってみる。
コードを変えると曲調が変わって~という不思議さを表現した動画にする。
ターゲット→その歌が好きな人「どんな風になるんだろう?」
サムネイルに惹かれた人「曲の印象が180度変わるってどういうこと!?」
音楽を聴きたい気分だった人「色々なジャンルの演奏が聴ける」


すごく単純にするとこのようになる。
実際はもっと細かく細分する。
基本は5W2h である。
「なぜ、何を、いつ、だれが、どこで、どうやって、(いくらで)」



細かく分析すればするほど、明確な答えが出る。

【相手の年齢は?】
【どんな時間に動画を開く?】
【性別は?】
【PC?スマホ?】
【移動中に見る?家でゆっくり?】
【一人で見る?複数で見る?】

もちろん、細かく分析すると、その分労力がかかってくるので、継続するのも大変だ。

また、自信の過去の経験から誤った結び付けが発生する場合がある。
これは、思考の癖と言って、思い込みや論理的ではない結果を導き出すことがある。
思考の癖は自分では気づくことが難しい。
そして、その癖のせいで、どんなに分析しても失敗する方向にしか向かうことが出来ない場合がある。

そんなときはなぜ自分が分析をしているのかを思い出してほしい。
環境の変化に気付き、対応していくために、分析を行うのである。

自分自身の思考の癖も環境だと考えれば、これに対して何らかの対策を練らなければいけない場合もあるのだ。




(2)市場の分析

同じことをやっている人が居ると、そのネットワークの中で戦いが発生する。
ニコニコ動画内では、新しい良い曲が作られると、我先にとあらゆる人が歌ってみた動画や踊ってみた動画が公開される。
youtubeでも同じような現象が起きる。

自分がそのジャンルにおいてどんな立ち位置にいるのかを正確に分析する必要がある。
ここは詳しく解説したいので、詳細は次回にしたいと思う。


(3)サービスレベルの分析

実際に実行した結果、お客さんの反応や売上(登録者数やフォロー数など)にどのような変化を与えたか?を分析する必要がある。
あまり良い結果を得ることが出来なかった場合は、その商品の性質が悪い、もしくは自分の思考の癖によって悪い影響が出ている。
市場にしっかりと適合していない商品を提供している。
等の欠点がある。

この欠点を明確に判別して改善しなければならない。
こちらも、詳細は次々回以降にしよう。


少し長くなってしまった。
普段文章をあまり読まない人にとっては目の毒だったかも知れないので、一旦ここで区切ろうと思う。


■次回

次回は、市場の分析について語ろうと思う。
二番煎じを何度繰り返してもトップになることは出来ない。
そこに何か自分だけの資源を活用することで、トップに踊り出ることが出来るようになるのである。

その為には、しっかりと市場を分析する必要がある。
今は何が流行っているのか?などをしっかりと見極め、自分の商品が市場のどの位置にあるのかを明確にしていかなければならない。





■終わりに

難しいことが沢山書いてあるが、

もしわかりにくいことや、
感じたこと、
不安なこと、
聞いてみたいこと
などがあったら、気軽に私のツイッターにDMをしてくれてかまわない。

今は自分の勉強にもなるので、無料で協力をしている。
ぜひ、この機会に不安をすべて取り除いてほしいと思っている。


この記事を通じて、沢山のVtuberを目指す人が、楽しく活動をするようになってほしいと思っている。
むずかしくて理解できなくてもいいのだ。難しいことを考えるのは難しいことを考えることが好きな人に任せてしまえばよい。+


まずは自分が今楽しんでいることに集中してほしい。
楽しんだ先に、もっと知りたい、楽しんでみたいと思うことがあったら、戦略の扉を叩いてほしいと思う。


さて、毎度のことではあるが、この記事を読んで少しでも

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・調べてみたいと思った
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私は現在、
・新人アニメーター寮(年間1万円)
・個人系Vtuber(年間6万円)
の寄付を行っている。
サポートで得た収益は、今後の寄付や、Vtuberの支援などに使っていきたいと思っている。
もちろん、私にサポートを入れるというのは絶対ではない。
誰かに直接気持ちを伝えてサポートをすることが本質的に大切であるのだ。私に寄付をせずに、直接寄付をしてくれても嬉しい。

私のメインの目的は、「沢山の人が安心すること」楽しそうに夢中になって活動する人の笑顔を見ること」である。

皆さんの勇気ある寄付が、沢山の人々の笑顔に繋がることを祈っている。


それではまた次回……。

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