個人系Vtuberの税法~投げ銭~の考察

税理士を目指している会計事務所勤務の個人が一考察。
(令和1年6月25日現在の所得税法、相続税法に基づいての考察)
※なお、これは担当税理士や管轄の税務署によって判断の変わる可能性がある案件であるため、あくまで一つの考察として読んでもらいたい。


相続税法における贈与は民法の贈与の定義を借りて定義している。

民法549条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。


この定義からすると、投げ銭は個人から個人への贈与と考えることが出来る。

しかし、Vtuberにおける投げ銭は、システムを介して行われるものである点に注意が必要である。

投げ銭のシステム
・ポイントを購入し、それを配信者へ送る(showroomなど)
・直接配信者に届くのではなく、あくまで法人である企業へお金を送り、それを配信者へと送ってもらっている
・チャットを目立させるための機能(スーパーチャット)

個人が行ったお金のやり取りは会社への何らかの役務の提供に対する対価の支払いとなっている。
・ポイントの購入
・配信者へのポイントの送付
・チャットを目立たせる

また、路上ライブなどにおける投げ銭などの課税関係として「事業付随行為」として事業所得または雑所得に該当するとの見解が多数派である。
Vtuberも、動画配信業、タレント業の対価として支払われているということを鑑みれば、「事業付随行為」として事業所得、または雑所得として総合課税により課税されると想定できる。



■問題点
1、事業付随行為に該当するための「事業関連性」の不明確性
2、一時所得に該当するかどうか?
3、直接金銭を支払った場合(通帳口座などを公開して)、贈与税の課税対象となるか?

争った裁判例や論文などがあれば継続して調べてみたいと思う。


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