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【#173_研究・実践メモ】 3年後の今も役立つ!人と組織にフォーカスしたM&A/ PMIのアプローチ
2022年2月に立教大学 中原先生、ミミグリ 東南さん、当時、中原先生の学部ゼミ生だった、柴井くん・佐藤くん、ライターの井上さん、編集としてお力添えいただいたダイヤモンド社 小川さんと製作しました『M&A後の組織・職場づくり入門』の出版から、気が付くと3年が経ちました!
改めまして、出版にあたりお世話になった皆様、ありがとうございました!!量的な調査とともに、あの時もたくさんの方にインタビューさせていただき、現場の活きた知見を含めることができました。
おかげさまで、書籍を読んでくださった方から、「読んで、PMIの参考にさせてもらってます!」「マネジャー陣にも読むようにすすめています!」といった嬉しいコメントやご質問を、今でもいただく機会があり、ありがたい限りです。学術的な論文にも触れていることもあり、研究計画書を検討する際の参考にしてくださる方もいらっしゃるようです。
余談ですが、義理の父(妻の父)も、仕事でM&Aに関わっていたのですが、当時、書籍を読んでくださって、いい本だ!と言っていただけたのが嬉しかったで。フラフラしているように見えてたかと思うのですが、ちょっと安心していただけたでしょうか(笑)
先日の、ホンダ・日産の経営統合協議(その後の撤回)も大きな話題になりましたが、今後の日本の経済/ 日本企業の行く末を考えたときに、M&Aは大事な選択肢になります。M&Aをした後、PMI(Post Merger Integration)はセットなので、PMIもますます重要になっていくかと思います。件数ベースでみると、2024年は、17年ぶりに過去最多を記録しています。人材獲得を目的としたM&Aであるアクハイアリングも増加するなど、企業の存続をかけ、M&Aに取り組む必要が増えていきます。
ホンダ・日産の破断は、完全子会社化等々、様々な交渉条件で折り合いがつかずというのが大きいのは間違いないのですが、仮にディールがうまく進んだとしても、組織文化があまりに違い過ぎて、一緒にやっていくのは難しいだろう・・・と、自動車業界に関わっていた方が仰っていました。
戦略的な面からの妥当性はあっても、内部で働く方々の働き方や想い、組織文化といった、”人や組織の側面”からのフィット感や、それを支えるPMIの取り組みが進まなければ、当初、思い描いたシナジーを実現していくのは難しくなるかと思います。
本書でも扱いましたが、組織文化や重視されている価値観、経営のスタイル、社員の意識等々について、前もって確認するCultural Due Deligence(文化的評価)も、ディールの判断や、PMIの計画を考える上で、大事な材料になります。
ベイン・アンド・カンパニーが最近行ったM&Aの状況に対する調査をみると、M&Aの成功率は過去に比べ大きく向上しているのですが、その要因の一つに、文化的評価を含む、Due Deligenceの洗練が進んでいることが含まれていました(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー、2025年1月号)。
Cultural Due Deligenceは一例ですが、本書は、そんなM&A/ PMIを進める上での課題について、人や組織の面から整理し、解決に向けてのアプローチを扱った書籍です。
出版時に、本書の内容をまとめていただいたり、取材していただいたWebサイトのリンクを貼っておきますね。
必要な方に、必要なタイミングで、何かしらの参考になれば嬉しい限りです!!