
叱っている」時、どんな報酬を得ているのか?~〈叱る依存〉がとまらない:第3. 叱らずにいられなくなる人たち からの学び
村中(2022) 〈叱る依存〉がとまらない 第2章が、「叱られる」側で起こっているメカニズムについてまとめた章でした。逆に、第3章は「叱る」側で起こっているメカニズムについて、まとめた章です。
本章のポイントを整理すると、下記の1枚になるかなと思います。

叱ることで、相手の行動が変化すると、本当は、叱られる側はその場面を切り抜けるための場当たり的な回避行動でしかないのですが、叱る側は勘違いし、自分の行動がの相手の望ましい変化を生み出したと自己効力感を感じる。「幻の成功体験」を感じてしまう。
また「処罰感情の充足感」といったものを感じ、脳内の報酬系回路が刺激され、満足感に繋がる。そして、この報酬により、行動が強化されていく(強化学習)。
以前、アンガーマネジメントの書籍を読んでいた時に、「怒りは身近な弱い人に流れやすい」という表現を見た記憶があります。
仕事など、家庭の外でうまくいかない=自己効力感が感じられないことで高まったフラストレーションが、家庭内で子どもや、時にはパートナーに、強い反応として出てします。それによって、自己効力感や、処罰感情の充足により、より強い満足感に繋がっていく。そんなメカニズムもありそうです。
そして、叱ることも叱られることも、慣れ(馴化)に繋がりやすく、より行動がエスカレーションし、それが長期化すると、心の病気に繋がってしまうという状況が発生してしまいます。
いや~ 確かに、疲労感が高いときや、仕事がうまくいかないとき、家での子どもへのあたりが強くなっていくことは自認しているので、本当に気を付けたいと思います。
親への心理的支援や子どもの行動への対処法を学ぶ、友田明美先生の書籍に書かれている「親への心理的支援」や「子どもの行動への対処法」について学ぶ「ペアレント・トレーニング」も一度受けてみようと思います。