
【読書メモ】息子くんを「叱る」中で、”うわ、俺、やばい・・・”と心底思って読み始めた本~村中直人(2022)「<叱る依存>がとまらない」 1. なぜ人は「叱る」のか? からの学び
この1年くらい、息子くん(もうすぐ6歳)とのコミュニケーションの取り方に割と、悩んでいます。
彼が成長と共に、理解力やコミュニケーション力も上がり、”言葉にして伝えれば、理解してもらえる”という場面が増える一方で、必ずしもそうではないことも。相手はまだ子どもだから・・・というのも、重々承知しているのですが、ご飯を食べることや、着替えにどれだけの時間がかかるのだろう・・・とか、言葉を覚えたての5歳児の予想外に辛辣な言葉(苦笑)をぶつけられると、毎日の繰り返しのなかで、心身に余裕がないときには、良くない!という認知がありながら、つい口調が厳しくなります。
仕事柄これまでも、いろいろなコミュニケーション手法について学ぶ機会は多い方だと思いますし、普段の仕事では、コミュニケーションの大切さ、云々と、いろいろな場面でお伝えしているのですが、身内に実践するとなると、難しいものですね(並行して、NVCの書籍も読み返してみようと思います)。
SEKAI NO OWARIの「Habit」という曲にこんな一説がありました。
大人の俺が言っちゃいけない事言うけど 説教するってぶっちゃけ快楽
自分も、子どもに対して叱る中で、自分の感情がエスカレーションしていく感覚や、言い返せない相手に対して「快楽」とは言わないまでも、優越感(なんだそりゃ?)みたいなものを感じたことがあり、
”うわ、俺、やばい・・・”と心底思いました。
そんなとき、村中直人先生の『「叱れば人は育つ」は幻想』がよいとの評判が流れてきました。
そちらの書籍はまだ積読中なのですが(笑)、その前に出されていた、本書の『〈叱る依存〉がとまらない』を読み始めました。
「叱る」という行為とは何か? なぜ起きるのか? どういうネガティブな影響があるのか? について、心理学/ 脳科学的知見を取り入れながら、語られています。
「叱る」という行為について、一歩引いて、全体像をとらえることで、「叱る」を、反応的に行うのではなく、自分の行動が起きるメカニズムやその後のネガティブな影響が頭をよぎり、”一息考える間”、みたいなものを、本書を読むことで得られた気がします(まだまだTry & Error中です)。
加えて、本書で語られている重要な概念は、企業での組織開発や人材開発的な観点からも学びが多いように感じました。
自分自身の学びのためにも(というか、本ブログは、基本的に”自分が覚えておきたいこと”をまとめているだけなのですが笑)、各章の内容を整理していきたいなと思います!
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さて、本書において、「叱る」はどの様に定義されているのでしょうか?

「ネガティブな感情体験」を通じて、相手を「思うようにコントロール」とか、なかなかに刺激的な言葉が並びます。
「言葉が通じないのであれば、強い口調になるのもしょうがない」みたいな誤った理解が自分の深いところであるんだろうな・・・私の親のしつけも結構そんな感じだったので、そこからの影響もある気もします・・・
「叱る」が起こるメカニズムについても、何点か、述べられていました。

この「権力の非対称性」というのは確かに・・・と。 自分の”権力”的に優位にあるからこそ、「叱る」という行為を無理にやりにでも正当化させることができるんだなと。
そして、”権力”とは何を意味するのか?についての、定義は、子どもとの関係だけでなく、組織で働く・活動する場面において、常に意識しておきたいことだと思いました。

この「状況を定義する権利」という言葉は、非常に深みのある言葉だなと思います(引用元は、臨床心理士の信田さよ子さんの言葉でしょうか? 確認中です)。
権力の非対称性に甘んじ、無意識に「状況を定義する権利」を濫用していないか? 相手の言い分に、耳を傾けていないか? 問いかける素振りをみせながら、自分の意見を押し付けていないか?
親・教員・役職者・・・ 何かしらの立場を通じてパワーを発揮する可能性があるひとは、頭の片隅においておきたい考え方だなと思いました。
いや~もう、自戒を込めてというか、書きながら、「自分はいい歳をして、大切な子どもに悲しい想いをさせて、何をやっているんだろう?」と、自分を”叱る言葉”が、溢れ出てきます。
でも、本書は優しくて、
「叱っちゃダメと言われたからといって、はいそうですかと「叱る」をやめることができる人はあまりいません。むしろ「どうしたらいいのかわからない」となってしまう場合が多いように思います。「叱る」をやめたくてしかたがないのにやめられず、迷い街往ってしまう人がたくさん生み出されてしまうのです。
・・・安易な「叱っちゃダメ」というメッセージは「叱る人を叱る」発想になりやすいという問題もはらんでいます」(p. 26)
読書を通じた著者との対話を通じて、自分の息子くんとのコミュニケーションについて、自分自身深く考えていきたいなと思います。