踊りづらい恰好で、踊る。
ブレイキンがパリオリンピックでは公式種目になった。推してた人がメジャーになったようなうれしさと一抹の寂しさ。リアルアキバボーイズにはまり、そこから動画伝いにブレイキン動画を見続けている。ま、しょせんここ数年のニワカなんですけどね。
イオンモール川口前川のサウスコートでブレイキン世界大会「RESPECT CULTURE」の日本予選が開催されたときは喜び勇んで、観戦しに行った。
1日目はB-BoyとB-Girlの1 on 1(個人戦)、2日目はU15の1on1、一般の4 on 4(チーム戦)。両日とも試合前のショーケース(ダンス発表会)は主催した学童保育の子どもたち(とたぶんOB・OG)によるものだ。
いまどきの学童保育は英語だの書道だのお絵かきだのの習い事ができるところが多い。ダンスチーム「台風一家」の内田さんが始めた「学童保育じゃんぷ」の習い事には当然ダンスがある。
習い事の発表会を観に詰めかけた親、きょうだい、祖父母とおぼしき人たちで、サウスコートは賑わっていた。
ブレイキンという不良文化由来のダンスと、習い事というプチブル(死語)の共存。またはオリンピックという健全さとの共存。そのギリギリ感がおもしろい。
だいたいあのダボダボの、実に踊りづらそうなウェア、倒立すればお腹が出るし、回るにも邪魔じゃない? 「上着をしっかり中に入れなさい!」と怒られそう。でも、そうしない。肌もアンダーウェアも、逆立ちすればそりゃ見える。彼、彼女らのパフォーマンスは潔く堂々としていて、ハラハラしてしまう自分の「常識人」っぷりが身に染みて、逆に恥ずかしくなってしまうくらい。
女も男もなく踊る、年少も年長もなく踊る、踊りづらい恰好で踊る、この文化が続くかぎり、私はブレイキンのファンでいよう。
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