見出し画像

【Σリーグ3期】白石太陽自戦記 第15節第2試合

皆様Σリーグおよび M kingdom の応援いつもありがとうございます。
登板7回目、自戦記も7つ目です。
全20節のレギュラーシーズンはここで 3/4 が終了します。第15節は全体を半荘1回とすれば南2局の二段目から。そろそろ他家と自家の得点状況を見て、どうすべきかを考える時期にさしかかってきました。
といっても、まだフラットに勝つための選択をします。それ以外の作戦はどうしても打牌が歪み、勝率は下がってしまいますから。ライバルも1チームではありません。ガチガチの条件戦はもう少し先です。
この日の開始時点での順位は、10位。セミファイナルへのカットラインギリギリです。


試合前 - 「解説」白石太陽

私がもう一つ参戦しているリーグ、じゃすりーぐのレギュラーシーズンが終わりました。
あちらはすぐにファイナルとなり、12チーム中4チームだけが残ります。
私の所属する Squid Ghostars は10位となり、今期の戦いを終えました。
そこでファイナルでは他チームの控室に順番にお邪魔して、私の実況スキルを活かしてお役に立とうと思ったのですが。

最初に訪れたチーム「鬼打ち協会」には魂天が2人います。
この日の試合ではそのうち1人の連投、かつもう1人は所用で不在。
成り行きで私が任されたのは、連投するあの鉄強――Σでは遊楽亭のエースとして腕を振るう、トリス10選手の戦いを『解説』する役目でした。
いやいや待て待て、私はただの雀豪2 だぞ……?

任されたからには精一杯

いおりさん「あっ、打 1s ?」
🌞「いや、一通ちょっと見そう。打 5p とか」

「すごーーーーいほんとだーーーー!!!」

結論を言いますと、この解説はかなりうまくできました。ありがたいことに、リスナーの皆様にも高評価を頂きました。
それもこれも、じゃすりーぐではゆうれいいかさん、Σリーグではひげくじらさん・まろちょふさんと、滅多にお目にかかれないレベルの打ち手の薫陶を受けてきて、思考のレベルが上がってきたおかげです。
この出来事でちょっと自信をつけて、第15節に臨みました。

試合中 - 曇りのち晴れ、のち

東家 - 遊楽天GOTH 選手(遊楽亭)
南家 - 鴨神にゅう選手(縁)
西家 - 白石太陽(M kingdom)
北家 - 椎凰いと選手(Emperor Peng Inc.)

東3局0本場

上家から出た自風の南 ポンしますか?

🌞「鳴きました。七対子か、それとも役牌鳴いて普通に進めるかの分岐……たまにトイトイになるかも。ここまで参加できなかったし、この局も対面が前へ出てきて、さすがに、って」
🐳「どっちでもいいんだけど、もしここで鳴くなら直前に対面から出た 2s の時点でもう鳴くべきかな。南バックを恐れずに行かないと、ここからじゃ間に合わなくなりそう。スルーしたのであれば、七対子進行の方が良いかな」

結果は鴨神にゅう選手の早上がりで横移動。あまり影響はなかったか。

東4局0本場

打 2m or 2p1p

🌞「打 2p としました。2m がドラ表示牌。ペンチャンを使わなくても5ブロックは見える。先手を取れるかは微妙だけど、打点を作って押し返す構想を持ちたかった」
🐳「どっちでもいいね。僕も 2p かな」
🌰「どっちでもいいね。僕は 2m かな」

🌞「…………」

🌞「白スルー。直後の2枚目もスルーしました。鳴くと安くなるのと、ヘッドが無くなるから」
🐳「鳴いてもいい……ぐらい。これもどっちでもかな。鳴いたとしてもまだドラ引きで打点が作れる可能性もあるね」

🌞「チー」

🌞「リーチを目指したけど、残念ながら進みませんでした。巡目的に早いかなーと思いつつ、ギリギリケイテン寄りかなと思ってチー」
🐳「良いね。ここで取らないと間に合わなさそう」

結果は遊楽天GOTH 選手がこの後リーチ一発ツモ赤で満貫親かぶり、からの南1局0本場で 6000ALL。特に悪いことをしてないのに 14000 点持ちのラス目に。トップとは実に 32100 点差。南場でこれは……だいたい2着争いか。

南1局1本場

打 4m or 西

🌞「西を打ちました。かなり混一色寄りですが、一応七対子が見えるのと、西はオタ風かつ1切れで価値が低いので」
🐳「どっちもあり。ただ七対子はあまり魅力がないことに気づいているかどうか。七対子をするなら、先にドラ 6s を重ねないと相当苦しい。他家から出る牌ではないから。そして、ここで即 6s を重ねたと仮定して、それでも七対子か混一色のどちらに向かっても良いぐらいの手じゃない? 鳴ける高い手はそれぐらい貴重だから」
🌞「44m 112236689s 白白發 ……うーんたしかに」
🐳「とはいえ西に価値が低いのも、それはそう。全然悪手とは思わない」
✌「ここは西切る人が相当いそう」

🌞「チーチーチーチーチー!!!」

🐳「チー打 4m、これはナイス判断」
🌞「さすがにこうなれば混一色一直線」

やったぜ。

この一戦で初めてちゃんと参加した局で満貫和了。南1局1本場まで出番なしはつらかったよ?

南2局0本場

この局、第3期Σリーグで自己ベストの打牌が出来ました。
さっそくですが以下のシーンです。皆さん何を切りますか?

前巡、ペン 3s を嫌って打 1s とした直後の裏目

良型を求める打 2p でもなく、索子を諦める打 2s3s でもなく

6ブロック進行

打 5p としました。愚形とフリテンの残る6ブロック。怖い形。それでも。

🌞「ペン 3p を残せば打点が残る。索子はフリテンとはいえ、リャンメンなら先にツモり返すこともある」
🐳「もう一つこの打 5p を肯定する材料がある。手牌の中でトイツはいくつある?」
🌞「5p 含めて3つ。打ったとて裏目は 5p 縦だけ」
🐳「その通り!!」

好プレーに牌が応えるとは限らない、が……この局は応えてくれた

いきなりタンヤオ側の 4s を引き戻し、ペン 3p が不要に。ドラ縦だけ見て打 2p 。

安全度の高い北を持ってくる

孤立したドラ 1p を先切り。実はこの時……

対面の鴨神にゅう選手、メンホンチートイドラドラ1シャンテン。1p 受けあり!!

タイミングも完璧。

天からの贈り物

リーチ!!!

結果論で言えば、良くなかったことが一つ。47p はこの時点で1枚しか山に残っていませんでした。
でもそれ以上に、良かったことが一つ。

再び鴨神にゅう選手視点。鳴き混一色に変化しています

🌰「あの巡目に切られている 5p で 47p が残っているとそんなに思わないだろう。にゅうさんの 7p が(山に残っていないため)暗刻にならないから、聴牌しても、回っても、7p が相当打ち出される」

捉えた!

この戦いに行く直前、意気込みを語るところで私は緊張してしどろもどろになってしまいました。それでも一つはっきり宣言したこと。
「にゅうさんを一回は焦らせたいと思ってます」
有言実行!!
2着争いのライバルにも優位な態勢を築く。

南3局0本場

ドキッ! カンチャンだらけの何切る問題

🌞「いやぁこれはわからなかった。タンヤオにはならなそうで、だったら横伸びを見て平和になるかも? で打 3p としました」
🐳「これは打 1p がやや良いかも。というか、タンヤオになることはたまにあるよ? 理想的な展開なら。4s 引いて、1p 切って、9s トイツ落として……もちろん、ならないことの方が多いけど。でもトイツが2つあればそんな構想も出来る」

結果はこのツモ 4p で世界線が合流した。さあ、曲げますか?

🌞「カン 2s ですがこれはリーチ。親が萬子の混一色濃厚の河。前巡打 8m もちょっと勇気は要ったけど、まだかなと。ここで字が余り始めて、好形の1シャンテンぐらいに見えました。でも、ここはリーグ戦なので。せっかくトップがうっすら見えてきた。これを自模れば射程圏内まで行ける。なら、行こう、と」
🌰🐳「「ナイスリーチ!!」」

その後の他家の動き

対面の鴨神にゅう選手が鳴きを駆使して追いついてくる。この辺の動き方は実に「らしい」。しかし打点面ではこちらが勝る。リーチに対して果てしなく押し返される手にも見えない。
そして親の椎凰いと選手は……手出し 8m → 4m で、リアルタイムの感覚でも「降りている」とほぼ確信が持てました。結局、あれから危険牌を連続で掴み、迂回するしかなかった様子。

深い深い山の底から

2s を拾い上げて

裏も乗せて

3局連続和了。諦めかけたトップに指をかける。

南4局0本場

何だろうねこれは……

🌞「これ、打 7p はミスったかなぁ……567 が見えてなかった」
🐳「そうだね。まだ取っておかなきゃいけない」

決して良くない手のまま

ポン。しても間に合いそうにないポンだけど、しないとほぼ間違いなく間に合わない。
本当はここで逆転を決めたかったけど、他家が早上がりする理由がある局面だけに、最悪でも親を継続しに行かねばならない。

なりふり構わずチー!

ここまで来た以上、絶対にトップを持ち帰るんだ。

ひとまず命を繋ぐ

4局連続和了。まだ終わるわけにはいかない。トップを持ち帰るんだ。
放銃に回った椎凰いと選手も、ここで鴨神にゅう選手に加点されればラス落ち終了となる。逃げている場合ではない中での結果。それぞれがそれぞれのやるべきことを。知恵と勇気を絞り尽くして1本場へ。

南4局1本場

この一戦最大のミス

🌞「いや、一通ちょっと見そう。打 5p とか」

じゃすりーぐファイナル第1節 解説・白石太陽

なーんで人の解説で見えてる手役を自分が打ってて見逃すんですかねー?
ここでの正着は打 4p or 5s でした。

切り遅れた 4p がチェックメイトとなりました

先に 4p を切っていてもその時点で鳴かれて結局先制はされていました。なので結果は大体変わらなそうですが……もう少しだけ、可能性を高める選択が出来たことは、悔いの残る結果でした。

試合後 - 初トップの重み

これでもΣリーグ全体では中ぐらいのスタッツだから恐ろしい

南3局終了までは、明確に損をする打牌はほぼなく、微差・諸説あり程度の箇所のみ。最後だけ課題ですが……全体を通しては過去一番の内容でした。特に過去一番の打牌が出来た南2局0本場は、私設リーグ参戦前であれば見えなかった選択です。素直に成長を誇りに思います。
これぐらいの打ち方が出来ていれば、25% に限りなく近い確率でトップは取れると思っています。残り少ない出番で、その時が来ることを信じます。

遊楽天GOTH 選手

Σリーグ初トップおめでとうございます!(ちっ)
この一戦の結果次第ではかなり苦しいチーム状況になるところ、最後まで丁寧に打ちまわして逃げ切ったことで、リーグとして残り5節がとても面白くなったと思います!(ならないで欲しかったけど!)

鴨神にゅう選手

まだまだ胸を借りる立場ですが、卓上ではそんなことは関係ない。私の短いキャリアながら、見せるものは見せられたと思っています。
「いつだってドタバタするのは僕の麻雀だよね~」と仰りながら打っていましたが、苦しい状況からもトップの可能性を見出す選択は今回も学びとなりました。

椎凰いと選手

初戦トップで、そのまま走られたらレギュラー通過争いを脱出されてしまうところでした。あぶないあぶない。高打点の手組も随所にあり怖さはずっと感じていました。もうしばらく一緒に楽しみましょう?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?