【Σリーグ3期】白石太陽自戦記 第10節第2試合
皆様Σリーグおよび M kingdom の応援いつもありがとうございます。
登板5回目、自戦記も5つ目です。
早いものでレギュラーシーズンも折り返し。いやほんとに早い。光陰矢の如し。note に書き残すのは、この貴重な経験を無駄にしないためです。記憶に残すための記録。
試合前 - 暗黒期
麻雀というゲームにまともに向き合っている人なら誰でも経験する「悪い偶然がまとめて起きる時期」が、今月の自分に降りかかっています。もちろん、自分の席にもっと強い人が座ったら着アップ可能性のあったケースもあるので、全てが運ではありません。それにしても。
ただちょっと良いのは、段位戦もだいぶきつい展開にもかかわらず段位ポイント自体は溶かしていないこと。
運不運の偏りはどうしても起きますが、「かなり運が悪い状態で、豪2の傾斜ならポイントを溶かさないでいられることもある」この事実は結構嬉しい。実力通りに打数を重ねれば聖まで行けることを意味しますから。
そうだとしてもリーグ全体の実力平均には到達していないのですけどね。レベルたっかいんだもの。
試合中 - 上って行く坂の上の青い天に
東家 - トリス10選手(遊楽亭)
南家 - かくきりこ選手(Pleiades)
西家 - 白石太陽(M kingdom)
北家 - ラヴィット選手(RIDECAT)
東1局0本場
とにかく痛すぎた大ミスはこの最初の1局でした。
打 5m としましたが、打 8p が良いですね。8p は相当機能していない。一通を強めに見たのはまあ良いとして、6m 引きを軽視しました。というか直後に 6m を引いて悶絶。
ここの直前でもまだ親リーチ一発目 8p プッシュできていれば 147s 待ちでやり返せた。痛い。とはいえシャンポンでなんとか聴牌。
結果はトリス10選手がロン和了、自分視点では横移動。裏3で 18000 はちょっと聞いてないけど。自分がノーミスなら起きなかった事件なので、放銃になったラヴィット選手は不運というか、申し訳ないというか。
東2局0本場
私は聴牌外し。検討ではリーチでもよかったのでは、となりました。
理由は2点。外すとくっつきの1シャンテンで、単純くっつきなのでまだ愚形聴牌が結構ありうること。この時点で打 6s がひっかけになること。
とはいえ巡目が早いので外すも許されるという結論。たーだーし!
打 9s としたのはいけない。打 6p です。6p6s のくっつきに取るべき。打 9s が優るのは、ここでの入り目が 4p でタンヤオがはっきり見える時に限る。そのときは打点上昇も込みで聴牌外しが本譜よりも有力になる。
いいかげん巡目も経ったので渋々リーチ打 4s。
東3局0本場
混一色をどの程度見るか、七対子をどの程度見るか、横伸びは全く見切るか。いったん保留でオタ風を切りましたが、それですら南 or 北にそれぞれの理由がある。
私は打北としました。「どこに鳴かれるのが嫌か」基準で、ライバル目に厳しく打つ目的です。上家は安く私の親を流す理由があるが、下家はその理由がない(なるべく打点をつけたい)。ちなみにこれはリーグ戦仕様で、段位戦ならラス目に厳しく打南です。
検討でここまで理由説明したので、それなら、と納得いただきました。ただそれでも打南になる理由もある、と。フラットな状況なら打南になる理由の確認はさせていただきました。
※中盤で鳴かれると仮定したとき、北ポンの方が良いため。南家・西家のツモ番を飛ばして自分が得できるから。
王国の検討会では重要なシーンはもちろん、たまにこんな微差第1打何切るをしっかり確認することもあります、という話。
このあと分岐が激しいので画像を一気に載せます。
🐳「太陽さんの癖が分かってきたんですよ。これ言っていいのかな……まあ言うんだけど。無難に小さく和了できる形に持っていきすぎる」
🌞「わかっています……ゆえに今日のテーマは『大きく伸び伸びと打つ』だったんですけど。ここは実行できませんでした。巡目がもう3段目に入っていくところだったので、見た目枚数が違いすぎるのがどうしても気になってしまった」
🐳「2900、ツモでテンパネしても 1300 ALL に対して、トイトイ継続は 12000 だから、3倍から4倍違う。和了しやすさは2.5倍。シンプルに考えても継続したほうがいいし、流局までにどちらの待ちでも和了できていたというケースもある」
6s 残り2枚はなんと王牌だそうで。ヒェー。こっちのルートしかなかった。
結果論を言うなら聴牌拒否の西西落としで 8000 和了だし、結果論でなくその選択もあった。
何にせよ、またしても私のミスによる被害がラヴィット選手に向かってしまう。
東4局0本場
ただの降り局ですが、降り手順は正解を踏んだので、地味な好プレーも載せます。
ここから打西→打 7s としました。8s 連打でもいいのですが、「この局面で押し返してくる相手がいるとすれば誰なのか」は見ていました。当然、ラス目で親のラヴィット選手。リーチへの現物を複数選べる状況である限り、ラヴィット選手の現物 8s は最後に取っておきました。結果は横移動で耐え。
南1局0本場
チー打 3m としました。これも小さくまとまった選択ですが、この局面だと無くはないかな? ぐらい。
トリス10選手はポン打白。あれで「速度を合わせる」を意識してのチー。
全員副露無しならまだ我慢する予定でした。ただ諸説ありで、親の打点が低いかもしれない情報が出たところで、自分の手をあえて大きく育てるもあり。どっちなんでしょうね。
和了がいちいち細かいけど、トップ目の親を好きにさせない目的は果たしたので悪くない。目指すのはやっぱりトップ。
南2局0本場
①打 8m 56s 待ち
②打 7s 58m 待ち
①は副露しているラヴィット選手の現物待ち。2筋にまたがっているので出あがり期待度が大きい。場況も索子の方がいい。
②は赤 5m キャッチできる・5s カンできる。リーチの瞬間、ラヴィット選手に放銃しない。
私は②にしましたが、これは①が良さそう、という結論でした。
①のほうがポロっと出てくれることも多いし、山にも居そう。
ちょっとラヴィット選手の切り順から 58m が危なく見えてしまいましたが、実は私、対局中に中ポンがかなりラグったことに気づいていました。相当渋々ポンかな、この状況で安い手で鳴きたくないけど仕方なくって感じかな、まで読んでいたのに、その放銃を気にしてしまったことを反省しています。
かくきりこ選手の打 7s は降りていて私のリーチに合わせただけなので、①の世界線では出なかったでしょう。結果は変わらず。そしてやっぱり安かった。怖がるんじゃないよ。
南3局0本場
これはよく声が出た。リーグ戦が始まってからの私の成長。この親はしがみついてでも継続したい。
最初からトリス10選手と白おもちもちもち望月聖だったので和了世界線はなかったのですが、警戒してくれたおかげで一人聴牌流局。おいしい。
南3局1本場
この局、手順ノーミスではありませんが、この日の私のベストバウトでした。
小ミス。打 6m または打 9s が優りました。すでに3トイツで、白を使う場合はさらにトイツが不要になる手。567 三色も目に入っていなかった。
それでも、この局は私の手が伸びていく。
ここに及んで、私の思考は――
自分のミスで開局からトリス10選手を走らせてしまった。このまま行けば個人4連勝を決められてしまう。
指をくわえて見ているなんて自分が絶対に許せない。
意地でも白を重ねるか、メンタンピンにしてリーチ打白の二択。絶対高打点打法を選択しました。高い放銃のリスクは承知で、必ずこの局をトップへの決まり手にする。
大きく伸び伸びと打つ。ようやくここで一つ有言実行しました。
Σリーグ参戦以来初めて、トップ目でオーラスを迎えます。
南4局0本場
南3局2本場のノーテン流局でトリス10選手との差は 9700。供託・本場合わせて満貫どこでも逆転。よって私目線で、たとえば上家のかくきりこ選手に満貫放銃は許されない。かなり安いことが濃厚でない限り差し込みはできない。ラス目の親であるラヴィット選手に放銃は論外。2着目のトリス10選手も当然逆転条件を目指した手組になるので、ここへ放銃もできない。よって、相当に守備的な選択が求められる場面。
しかし手元には絶好形の1シャンテン。先制できるならチーしてでも自分で決めに行く方が早そう。そうできるなら、もちろんそうしましょう。
状況が変わりました。
親・ラヴィット選手のツモは一回は許容。そう簡単に着順は変わらない。なんなら供託回収してもらって構わない。横移動ロンは歓迎。
上家・かくきりこ選手の和了はツモ・ロンどちらも倍満まで私のトップ。歓迎。
対面・トリス10選手の押し返しは厳しそう。それでもやってくるならむしろ放銃リスクを負ってくれるので歓迎。供託が増えて逆転条件が近づいたので、私の放銃はさらに厳禁。リーチケア最優先だが、併せてダマテンケアも可能ならする。
幸い白暗刻がある。自分が放銃さえしなければ。
ギリギリの打 7s。通る。精査しろ。次は何だ。丁寧に丁寧に。こんな場面だけは、段位戦でもΣリーグでも何度もやってきたんだから。
まことに小さな麻雀打ちが、開化期を迎えようとしている。
上って行く坂の上の青い天に、
もし一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすれば、
それのみを見つめて――
試合後 - それのみを見つめて
終わってみれば、開局満貫を逃したミスの分だけ及ばなかった点差でした。もちろん、そうなれば全ての状況が変わっていたので、歴史の if と同様、想像しても詮無い未来です。ベストの選択でなかったから和了につながった、いわゆる結果オーライもありました。
全般には手が入っていた部類でしょう。リーグ戦で最初から最後まで戦えたのは久しぶり(Σリーグで言えば初陣以来)でした。最後に主人公の座をさらわれてしまいましたが、良い勝負が出来ました。
かくきりこ選手
オーラスの選択、トップへの細い道筋をすべて辿り切っての成就、お見事でした。Σリーグ第3期の語り継がれる名シーンとなるでしょう。
トリス10選手
強い選手に手が入る、その恐ろしさをずっと感じながら立ち向かっていました。逆転できたのはちょうど手のかみ合わせの差でした。ヒリヒリする戦いを楽しめました。
ラヴィット選手
私のミスも含め展開の全てが逆風になってしまった印象です。私との同卓でラスを引いた選手はその後巻き返す傾向にあるので、王国との同卓以外で大きなトップを期待しています。
まことに小さな麻雀打ちが、開化期を迎えようとしている。
上って行く坂の上の青い天に、
もし一朶(いちだ)の初トップが輝いているとすれば、
それのみを見つめて――
坂を上っていくであろう。
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