カメラ放談 ~俺がPENTAXを辞めたワケ~
こんばんは。ぼくのわたしのさいたまにすとです。
今回はいつもと趣向を変えて、カメラの話をしたいと思います。
何でかって言うと、この度カメラシステム一式をPENTAXからNikonに移行したからなんです。
なぜそうしたのか、今までのカメラ遍歴などをひたすら自分語り乙しますので、めちゃくちゃ長くなります。大丈夫な方はよろしくお願いします。
今何を使ってるの
メインカメラ
・Nikon D800
レンズ
・SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art
・TAMRON SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F013)
・Nikon AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
サブカメラ
・OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II
レンズ
・Panasonic LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6Ⅱ ASPH. / POWER O.I.S.
・Panasonic LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.
スマホ
・ASUS Zenfone 5 (ZE620KL)
ほとんど中古です。D800は今年の夏コミ直後、E-M5IIは2年ほど前に買いました。サブカメラ用にいくつか他のレンズがあったのですが断捨離。
何でそういう構成に
そもそも、カメラ本体よりもSIGMAの24-105が使いたかったんです。凄く褒められているレンズだったので、どうしようもなく気になって。
実際使ってみたら「外さない」レンズでした。便利すぎる。異次元の使い心地です、重ささえ我慢すれば。
レンズは決まってたけどカメラが決まらない。会社はCanonかNikonのほぼ二択だったのですが、安くて割と良い性能だったのが重量級のD800でした。中古で5万円ちょっととか、相場が狂ってる。
なおSONYについては「α7シリーズのカメラのデザインが気に入らない」という大問題があるため選択肢に入れてません。
Aマウント? あいつはいい奴だったよ。
そしてD800とSIGMA 24-105を手に入れて2ヶ月ほど使ってみたのですが、そうしたら既存のPENTAXを全く触らなくなってしまって、こりゃもうズバッと乗り換えるしかあるまい、となった次第です。
売ったお金で単焦点が生えました。あとは適当な望遠ズームが欲しい。TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A030N) の中古を見つけたので注文してしまいました。
サブ機のE-M5IIは、10倍ズームと共にお散歩カメラとして重宝しています。
ただISO1000を超えると偽色が出まくって見られたものじゃなくなる(※個人的な主観です)のであくまでサブ扱い。
スマホは毎年買い替えてたのですが、Zenfone 5にしたらだいたい不満が無くなりました。こいつのカメラは結構凄いよ。屋内でホワイトバランスが寒色に転ぶけど。毎回マニュアルで直してます。
これまでのあらすじ
俺が初めて一眼レフを触ったのは2007年のこと。
うちは偶然父母ともにカメラ好きで、それほど興味の無かった俺もCanon PowerShot S1 ISなどのネオ一眼やRICOH R8、FUJIFILM FinePix F200EXR(これは時系列的には少し後)などのコンデジを使って遊んでいました。
その頃母から借りたのが、PENTAX *ist DLでした。当時は正直操作がよく分からず、その年の冬コミに持って行った程度しか使っていません。
それなりに撮り始めたのは2009年、今度はPENTAX K10Dを借りてから。
最初は風景だの電車だのを撮っていたのですが、これを冬コミに持って行ったのが運の尽き。翌2010年からコスプレとラウンジバーでの人物撮影でアホみたいに撮るようになってしまいました。
2010年はK-r、2011年はK-5、と順調にカメラを買い増し。レンズもTAMRON 17-50mm F2.8からSIGMA 17-70mm F2.8-4(まだA/C/Sのグレード分けが無かった頃…)へと微妙なグレードアップを重ねていきますが、この年仕事を辞めた為、写真活動も一旦停滞します。
再びカメラ購入熱(買うだけかよ)が高まってきたのは転職後の2014年。PENTAX K-S1とOLYMPUS XZ-2を導入します。
XZ-2はサブカメラとして非常に優秀で、その認識が後のOLYMPUSのミラーレス機遍歴に繋がります。
2015年も同じ構成で活動していますが、この年は初めてコスプレの大人数スタジオ撮影に誘われました。主催さんがとてもいい人で、その後も何度も撮影に誘っていただくなど助けられています。
2016年は……PENTAX K-1が発売されましたね。GWの最中、なぜヨドバシカメラさいたま新都心店にフリーの在庫が1台あったのでしょうか。
色々な意味で自分にとどめを刺したカメラでした。
そしてこの年は色々と意味が分かりません。たまたまハードオフで買ったSIGMA 19mm F2.8 DNからOLYMPUS E-PM1とE-P5が生えたり(E-PM1の画質がセンサーサイズのより小さいXZ-2と大差無くて草生えた)、PENTAXの安い標準域ズームを探し求めてヤフオクを荒らし回ったり、そうかと思えば TAMRON SP AF 28-75mm F2.8 XR Di LD(いわゆる魚住レンズ、すぐ売った)やsmc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited(77様と崇め奉る)を買ったり。
極めつけはCanon EOS 5D MarkIIとEF24-105mm F4L IS USM。何で買った。古い個体でしたが精度は良く、あれっK-1より良い写真を吐く??と悩みの種になったりしました。
2017年も様々なレンズを売ったり買ったり。K-1の常用レンズは結局HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WRに落ち着きますが、普通すぎて微妙に物足りず。77様が心の癒しとなります。
サブ機のE-P5には現在も使っているLUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6Ⅱ ASPH. / POWER O.I.S.を導入。また単焦点が欲しくなったのでSIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryを買います。何で19mmがあるのにこれを買うの俺は。しかもMFT用にしては重いのですぐに使わなくなります。勿体無い。
2018年は無闇にカメラを増減させる自分を戒め(というか飽き始め)、OLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIを追加した程度。
初めて大阪の海遊館へ行ったり、月食を撮ろうと必死になったり、レイヤーさんと2人でスタジオ(シェアですが)へ行ったり、活動の幅を広げることを模索していました。
(Model:リリコさん @lyric_sos )
そして今年。資格試験の勉強などもあり写真活動はやや控えめに。
夏コミまでは普通にK-1を使っていましたが、その直後Nikon D800を買ったのは前述の通りです。
何故PENTAXを全部売ったのか
さて、ここからが本題です。約3千字の壮大な前振り。
浮気を繰り返しつつ10年以上PENTAXを使ってきた俺ですが、一番不満が溜まったのは実はK-1でした。
●レンズが無い
K-1はPENTAXにとって初めての35mm版フルサイズセンサー搭載デジタル一眼レフカメラでした。なのでそれ用のレンズが諸々発売されると期待していたのですが、普及価格帯のズームレンズが28-105の1本しか出ない、その他はみんなバカ高い、しかも2本ほどモロにTAMRONのOEMだ、単焦点に至っては発売されない(50mm・100mmマクロは何年も前に発売されたものでした)。
当時RICOHはレンズ・ラボなるWebサイトを立ち上げ、過去のレンズで撮った写真をユーザーから広く集めましたが、これってつまり「今後もレンズはあまり新発売できないから昔のレンズで楽しんでね」という意思表示だったんですね。分かってましたけど。
K-1発売以降の3年半で、新規設計のフルサイズ対応レンズをRICOHが何本出したと思います? 1本 ですよ。10万円超えの50mm F1.4だけです。
他に昔のレンズのコーティング更新を行ったのが2本。逆に凄くないですか、このスローペース。
まー言うてAPS-C用のレンズは沢山作ってたんとちゃうの?と思うでしょ?
そちらも3年半で2本。普通の望遠ズームと星撮用広角ズーム。
2016年6月から2018年6月までの丸2年間、RICOHは新しいレンズを発売しなかったんです。レンズはもう潤沢なラインナップが存在するからこれ以上必要ないと言いたかったんですよ。んなわけあるか。
ふと70-200mm F4くらいのレンズは無いかな?と調べたら、AF無しのAシリーズ世代まで遡ってしまった時には天を仰ぎました。30年前かよ。
結局俺もズームは魚住やSIGMA APO世代を頼ったり、単焦点はFA Limitedシリーズに流れたりしました。K-1って銀塩カメラでしたっけ……?
そうそう、SIGMAがとうとうKマウントレンズの生産を終了しましたね。新規レンズはとっくに投入されなくなってましたけど。
●ピント合わせが(以前よりましだけど)まだいまいち
以前からPENTAXのオートフォーカスは下手だと言われてきましたが、K-1になって測距点が33点に増えるなど、ようやく改善の兆しが見えました。
それまで測距点が11点しかないカメラを使ってきましたから、素直に凄いと驚いたものです。
ただ肝心のAF精度はまあ、うん。なお、ファインダーを覗いた時の位相差AFより、ライブビューでのコントラストAFの方が若干精度が良いのでは?という印象さえ抱きました。それってもはや一眼レフである意味が……
結局、PENTAXを使うならMFを極めろ、という鉄則はK-1でも健在でした。
●ファインダーが黄色い
これはたぶん自分の機体特有の問題かと思いますが、ファインダーを覗くと実像より黄色がかって見えるんです。
K-1ではファインダー部分に情報表示用の液晶を1枚挟んでいるとのことだったので、それの外れを引いたんでしょう。
特に屋外での撮影中は無性に気になってしまいました。
●書き込みが遅い
UHS-1対応SDカード(SanDiskのエキプロ)を使っても書き込み速度は遅いしバッファ詰まりは起こすし……
PENTAXのカメラは忍耐力養成マシンです。
●PENTAXファンと会社を取り巻く空気がちょっと息苦しい
シェアが小さいPENTAXなので、愛好者どうしがよく集まったりします。そこまでは良いことなのですが、会社(リコーイメージング)がその空気に乗っかり、いかにも我が社はユーザーフレンドリーですよ、みたいな雰囲気をまとってファンを手懐けるのがどうにも気に入らなかったのが本音です。
あんたら言ったことが全然出来てないやんけ。尻尾振ってるファンだけ見て生きていけると思ってんのか?
これだけけなしておきながら何故使い続けたの
もちろんK-1にも良いところは色々ありました。
例えば背面ボタンの操作感。慣れという点を差し引いてもD800のボタン操作は余計な手間が掛かると感じています。そのうち慣れるというか諦めがつくんでしょうけど。
それからサイズ感。ぎゅっと詰まったコンパクトさは持ち運びに便利ですし手の収まりも良いです。
ただ、それらの長所もあったとはいえ、一番の大きな理由は、「K-1を使えばいつか凄い写真が撮れる」という欲望?執着?信仰?根拠のない妄想?に囚われていたからだ、と思います。
いつどこで聞いたか忘れてしまったのですが、
「他社のカメラは平均して70点の写真が撮れる。
PENTAXのカメラは0点か100点の写真が撮れる」
という小話がありまして、下手なりに撮影してきた俺の体感から言っても納得できてしまう言葉でした。
ごくたまに”決まった”写真が出来た時の気持ち良さ。特に77様が見せてくれた世界は素晴らしかった。30年近く前に開発されたレンズが何故これほどまでに魅力的なのか。
まるで薬物か宗教にでも浸かりきったかのような陶酔ぶりですが、カメラ趣味の中でもマイナーなPENTAXを使っている、という一種の選民思想から始まりどんどん症状が悪化した結果でもあります。
書いてて辛くなってきた。
自分でも薄々おかしいとは感じていたのですが、今回D800を買ったことで、変な信仰から抜け出すことができたのは本当に運が良かったと思います。叶わない願いを抱いて無理を続ける必要はどこにも無いですから。
未だに77様への信仰心は消えてないけどな。いずれミラーレス機の運用を始めたらまた買ってしまうかもしれない。
今後はどうするの
しばらくはD800で活動していこうかと。東京近辺のコスプレイベントにふらっと出没するかもしれません。ストロボも買い替えた方がいいのかな……
撮影のお誘いをお待ちしております。マジで。
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ここまでお読みいただき、大変ありがとうございました。
写真について( カメラ / レンズ )
ヘッダー Nikon D800 / TAMRON SP 45mm
1枚目 Nikon D800 / SIGMA 24-105mm
2枚目 OLYMPUS E-M5II / Panasonic LUMIX 25mm
3枚目 ASUS Zenfone 5
4枚目 PENTAX K10D / TAMRON 17-50mm
5枚目 OLYMPUS XZ-2
6枚目 Canon EOS 5DII / Canon 24-105mm L
7枚目 PENTAX K-1 / PENTAX FA 77mm Limited
8枚目 Nikon D800 / TAMRON SP 45mm
9枚目 OLYMPUS E-P5 / Panasonic LUMIX 14-140mm
本当に何でもありだな、自分……。