2022年04月11日 小学生の頃に夏祭りで買ったひよこが3日で死なせてしまった罪滅ぼしができた気がします
享年4才6か月。
名古屋コーチンのメイちゃん(雌)とのお別れは突然だった。
真夜中の3時にイタチだかハクビシンだかタヌキだかわからないが、恐らく獣の類に襲われてお亡くなりになりました。
異常な鳴き声に気付き、ベットから飛び起きて裸足のままニワトリ小屋のある庭に降り、メイちゃんの姿を見つけたけどもうフラフラで、行き絶え絶え、すぐにあおむけになって足を力なくばたつかせ、あっという間に息絶えた。
「ああ、ごめんね」
というのが一番初めに思いついた言葉だった。
この獣を見つけて殺してやろうかと一瞬思ったが、獣は獣として己に忠実に生きていたのみで何の罪もない。
殺してやろうなどとは何と傲慢な発想かと自分を戒めた。
5年近く屋外で無事に生きてこられたから寿命を全うするまでこのままなんだろうなと思っていたが、そんな考えは甘かったのか、突然メイちゃんがこの世からいなくなった。
ニワトリなどというほぼ自身が食料としてこの世に生まれてきたような生物は、たった一度の獣の襲撃によって命を落とすくらいヤワなのだ。
今まで無事に命が続いたとしても明日それが続く保証は何にもない。
明日は我が身、何が起きてもおかしくないんだヨと改めて確認する。
ペットとして飼育しているのだから、家族同様に危機や脅威に対して防衛しておかなければならないのは当たり前だ。
それを結果として怠っていたと言えばその通りなのだから「ごめんね」という言葉を思いついたのは当然のことかもしれない。
しかし一家の主としては完全な敗北だ。
失敗だ。
もっとこうしておけばよかったとか色々あるが、費用対効果とか諸々あったりとくだらない言い訳を思いつく。
半分適当に、「まあ死んだら仕方ないよね」くらいのゆるいペットに対する感情だったから正直そこまで悲しくはない。
それはきっとニワトリがあまり賢くなく、そしてそれほど人懐っこくないからだ。
これが賢い犬だったら感想は全く違ってくると思う。賢いペットであればあるほどお別れはきつい。犬を飼育したことがないから想像だけど、恐らくそうだろう。
だから犬は飼いたくない。
死ぬときが嫌だから。
金魚とか昆虫とか、賢くなく、それほど人間になつかないニワトリ程度ならお別れのダメージは低い。
でも思い出すことがあった。
小学生4年生くらいの時に夏祭りでボクはひよこを買ってきたことがあった。
大事に育てようとしたけど3日位で天国に行ってしまった。
自分なりに大事にかわいがって餌をあげたりしてたから、心から泣いてしまった記憶がある。
メイちゃんニワトリを飼うきっかけは、娘がニワトリを飼いたいと言い出したことから始まる。(買ったときは2羽いてもう1羽は2年くらいでお別れとなった)
僕にとってはこの小学生時代のひよこの出来事をもう一度やり直せるようなチャンスをもらった気になった。
今度はしっかり育てて寿命を全うさせたい。
ある程度はできたと思う。
ボクとしては小学生時のこのやり残したことをやれたこと、そして毎朝早朝のルーティンから解放された安心感がある。
ニワトリのメスは比較的静かだが、朝はうるさい。
日の出直前からなぜか鳴き始める。飛べないし、大して足も速くないし、闘う武器もないのになぜ「わたしはここにいるよー」と大声で存在をアピールするのか?敵がいたらどうするんだお前?自分から食べに来てくださいと言ってどうする?不思議でならなかった。
ともかく朝は近所迷惑なので、鳴く前にボクが起きてメイちゃんを外に出したり餌をあげたり、鳴くこと以外の事に興味をずらして黙らせることをやっていたのだ。
5月から8月とかは日の出が早いので4時くらいに起きていた。だからメイちゃんの鳴き声には家族一敏感に反応できる。
たまに幻聴も聞こえるくらいボクの中ではメイちゃんの存在は大きかった。
結構辛いと言えば辛かったが、慣れるとなんでもなく、むしろ得した気分になった。毎朝の朝焼けは素晴らしいし、朝が早いと色々なことができて余裕をもって一日を始められる。
また一日を有効活用している気分になれる。
寝不足感が無きにしもあらずだったが心身総合的に健康的な生活が送れたのはメイちゃんのおかげだ。
これは全く持ってありがたい副産物だった。
休みの日には目の前の公園に散歩させたり、勝手に放したりとしている間に、近所の子ども達やら、家族連れにかわいがってもらって、写真をとられちょっとしたアイドルになっていた。
よかったねメイちゃん。
ボクの家族だけでなく、多くの人の人生の一瞬ではあるけれども喜びに貢献したメイちゃんだから「ごめんね」よりも「ありがとう」といいたい。心よりお礼申し上げます。
皆さんもメイちゃんをかわいがってくれてどうもありがとうございました。先に旅立ったセイちゃんと仲良くしてくれよー。
バイなら。
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