富裕層の生態系

先日キングコング西野さんが出版している夢と金を読んで面白い記事を読んだのでここで紹介させていただければと思います。

高価格帯商品を買わない人が高価格帯商品の値段にクレームを入れてはいけない。

飛行機の料金

「飛行機の料金」を例に考えてみましょう。
飛行機は、座席(サービス内容)によって値段が違ってきます。

では、飛行機の料金は一体いくらでしょうか。
本の中では、「東京→ニューヨーク」の飛行機のチケット料金が記載されておりましたので、こちらでも紹介させていただければと思います。

座席数は全部で、「244席」。その内容は・・、
「エコノミークラス=147席」、「プレミアムエコノミークラス=40席」、「ビジネスクラス=49席」、「ファーストクラス=8席」。



出典:夢と金より

ファーストクラスは8しかないらしいです。

そして、各座席の料金は(2023年2月調べ)・・・、
「エコノミークラス=22万5000円」、
「プレミアムエコノミークラス=39万7000円」、
「ビジネスクラス=64万6000円」、
「ファーストクラス=188万円」。

みなさんが想像できるような高価格帯商品ですよね・・・
私も本を読む前まではおそらく、「なんでこんな高いねん。。。」と呟いていたと思います。

さて、これらの座席が全て売れたとすると、一体どれだけの売り上げが出るのでしょうか?

計算したところ、「9564万9000円」という数字が出てきました。

東京からニューヨークまで飛行機を飛ばすと、チケット代だけで「約1億円」の売り上げ出そうですね。つまり、「約1億円の売り上げを出さないと、飛行機は飛ばせない」とも言えます。

これが、「高価格帯が商品がある世界」と言えます。

この「高価格帯が商品がある世界」から、「高価格帯の商品(VIP席)」を取り除いたら、一体どうなるでしょうか?

「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「プレミアムエコノミークラス」の各席を取り除き、その空いたスペースに全て「エコノミークラスの席」を敷き詰めてみました。
すると、飛行機の席はこのような感じになります。

大きな席を取り除いた分、多めに席を確保することができて、なんと、座席数は「351席」。先ほどよりも、100隻以上増えました。
これにより、飛行機を飛ばすのに必要な「約1億円」を、「プラス100人で」負担することができます。

となると、その分、一人当たりのチケット料金も安くなりますが、そうはいきません。

「351席」に、エコノミークラスの料金「22万5000円」を掛けると、総売り上げ数が出ますが、こちらがなんと「7897万5000円」。
9564万9000円から1667万程不足してしまいます。


これでは飛行機は飛ばせません。不足分(約1667万円)を351人で追加負担しなければなりません。
一人当たりの負担額を計算すると、「4万7504円」。

つまり、私たちが飛行機のエコノミークラスに座るときは、「約5万円」をVIP席のお客さんが負担してくれていたわけです。

片道で5万円。家族4人だと20万円。
往復だと、40万円をVIP席のお客さんが負担してくれていたということになります。

VIP席の横を通る時、心の中で「ありがとうございます」といっていますか?むしろ、「ちっ」と舌打ちはしていませんか?(笑)

とても大切なことだと私は思ったので、覚えることにしました。
「高価格帯の商品」をなくしてしまうと、待っているのは、「お金に余裕がない人からお金をとる世界」になってしまいます。

私はそんな世界は嫌なので、この知識は必ず仕入れることにしました。

富裕層を知り、「プレミアム」と「ラグジュアリー」の違いを知る。

VIP席のない(エコノミークラスしかない)飛行機のチケットは高くなります。

お金に余裕がない人に商品が行き届くには商品・サービスの中に「VIP客」を取り込む必要があります。

多くの人が目を背けやすい、「富裕層」に目を向ける必要があります。

富裕層は何に価値を見出して、何にお金を払っているのでしょうか?

富裕層向けの商品・サービス(高価格帯の商品)はどう作られているのでしょうか?

この2つを知る必要があります。


「プレミアム」と「ラグジュアリー」の位置

高価格帯の商品を作るには、まずは「プレミアム」と「ラグジュアリー」の違いを知る必要があります。
この2つには明確な違いがありますが、おそらく「(どちらも)リッチ体験ができる」ぐらいの認識があるのではないでしょうか?

結論から言うと、「プレミアム」とは「競合がいる中での最上位の体験」で、「ラグジュアリー」とは「競合がいない体験」のことだそうです。
(私は熟読するまでは理解ができませんでした。。)

自動車が提供する価値の市場を考えるとわかりやすいかもしれません。
日本車は「役に立値ますが、意味がない」というポジションにあります。日本車はとにもかくにも性能重視。
静かですし、燃費もいいですし、座りごごちも良いので、「役に立つ」ということは理解できます。しかし「意味がない」というのはどういうことなのでしょうか?


これは次の説明で納得できると思います。

近頃のBMWやベンツのような「動力性能」「静粛性」「環境性能」は文句が出てきません。
日本車と同じように「役に立つ車」です。
日本車と違うのは「ベンツに乗っている、俺、どう?」と思えるところのような、「意味」があると思います。

洋服に置き換えると、「意味」は「ブランド」のような。
同じ白いTシャツでも、無地の白シャツと胸に「GUCCI」というロゴが入っている白シャツとでは、「機能」は同じでも、「意味」が違うと感じると思います。あのような感じです。

フェラーリやランボルギーニは「役には立たないけど、意味がある」というポジションにあります。
ここでは「役には立たない」を説明した方がよさそうですね。

ランボルギーニはドアが縦に開くらしいのですが、「車のドアが縦に開くと便利なのになー」と思ったことはありますか?
機能面だけで見ると、横開きで十分ですよね。

フェラーリやランボルギーニはさすが「スーパーカー」と呼ばれるだけあって、なんと時速350キロメートルも出せるとのことです。
この速度普段出しますか?

街中で時速350キロメートルも出した場合、とんでもないことになりますよね?
時速350キロメートルを出すことは可能ですが、出さないですよね?

スーパーカーを所持する人たちは移動手段としてスーパーカーを使っていません。つまり、「機能(役に立つ部分)」が全然使われていないんです。
なので、スーパーカーは「役には立ちませんが、意味がある」の位置にあります。

次に日本車、ベンツ、スーパーカーのそれぞれの値段について、説明を続けようと思ったのですが、こちらは次回の投稿で紹介しようと思います。

ここまでのご精読ありがとうごました!

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