クラゲが哺乳類って冗談でしょう
えーと。今なんとおっしゃいました? クラゲが哺乳類って? それはクラゲという名前の犬か、猫のことを言っているのでしょうか。
本日はクラゲについてお話しさせていただきます。といっても、それほど深いものではなく、ゆるーりとした、わゆる情報記事です。
先日ある先輩とお会いしました。猫目がリュックサックの中から水族館の雑誌を取り出したのをキッカケに、話題は自然と水族館の話へと展開。だが、しかし。
先輩と話していくうちに耳をうたがうような言葉に遭遇・・・「わたしクラゲがいちばん好きなんだよね。哺乳類の中でいちばん」・・・ん? なんでしたっけそれ? 哺乳類のクラゲってどういうクラゲでしたっけ? あれもしかして新種のクラゲ? もしくは新種の哺乳類?
そんなふうに一瞬にして頭の中がまっしろに。それこそ、ユウレイクラゲの傘のように淡い白色へとつつまれていきました。ほんとうに彼女はクラゲが好きなのだろうか。いやいや。好きなのだろう。わたしたち人間にもっとも身近な存在である哺乳類くらいに、大好きなのだろう。
とにもかくにも、そんな先輩のセリフに驚愕してしまった猫目です。みなさん。こんにちは。あいた口が塞がらないとはいいますが、実際のところ、口すらひらかなかったというのが事実です。
はじめにお伝えさせていただきます。クラゲは哺乳類ではございません。クラゲは海を浮遊するいきもの。刺胞(しほう)動物です。
たしかにクラゲというのは一種風変わりな存在です。しかし、間違っても哺乳類ではございません。よく「クラゲはプランクトンか?」という質問がありますがこれは「YES」。クラゲは海の中を基本的に浮遊しているいきものですので、プランクトンの仲間に部類されています。
ただ、クラゲの中にはじぶんの力で泳ぐ力をもっている「遊泳能力」がそなわっている者もいます。しかし、それはあまりに弱く、ほとんどのクラゲが海中をただよっているというのが現実です。
ここで、クラゲの豆知識を箇条書きにてサクッとお伝えしていきます。
・からだはゼラチン質で形成されている
・からだの95パーセントが水分
・クラゲの口は「傘」の下に位置している
・クラゲの種類はおおよそ1万3000種
・クラゲの食べものは『プランクトン』『甲殻類』など
・クラゲの捕食者は主に『ウミガメ』や『マンボウ』など
・世界でいちばん大きなクラゲは『キタユウレイクラゲ』
(なんと体重おおよそ250キロ越えです)
・クラゲには脳、心臓がない
・日本の海の近くには約200種類のクラゲが生息している
・沖縄に生息している『ハブクラゲ』は猛毒
(他にも『カツオノエボシ』『アカクラゲ』『ヒクラゲ』なども毒をもっています。どれも日本に生息しているクラゲです)
・ベニクラゲは大人から子どもへと退行する
(不老不死といわれて注目を集めているクラゲです)
などなど。クラゲという生物は知れば知るほど、謎が深まっていくいきものです。こうして上記にいろいろあげてみると、あれ? クラゲって哺乳類なんだっけ?・・・とならなくもない。
たしかに、たしかに、クラゲの赤ちゃんというのは卵で産まれてこない。哺乳類の特徴としましては『その多くの種が胎生であり、乳で子どもを育てる』という点にあります。
いっぽうクラゲは、『ポリプ』と呼ばれている細胞の組織分裂によって赤ちゃんが生まれてきます。・・・と、ここですばらしい映像を発見いたしました。『すみだ水族館』が提供してくださっているYouTube動画です。
この動画のように、分裂してクラゲの赤ちゃんが誕生するのですね。
そういうわけで「クラゲは哺乳類ではございません」というお話でした。
ご一読いただきましてありがとうございます。それではまた来週!
ちなみに、約60年というながい年月をクラゲの研究・飼育に力を注いでいる水族館があります。『新江ノ島水族館』です。クラゲの生態がくわしく知れるだけでなく、プロジェクションマッピングを使用した『クラゲショー』などもあっておすすめです。さいきんではさまざまな水族館がクラゲの飼育・展示に力をいれている印象があります。
今回の動画でもありましたように、東京にある『すみだ水族館』。それから『サンシャイン水族館』。山形県にある『加茂水族館(友人の飼育員さんおすすめの水族館です)』など、クラゲ鑑賞におすすめの水族館がたくさんありますのでぜひ足をはこんでみてください。
『すみだ水族館』
『サンシャイン水族館』
『新江ノ島水族館』
『鶴岡市立加茂水族館』