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太宰治偉大魔王せんせい。

太宰治偉大魔王せんせい。
あなたの作品をすべて拝読したわけではありません。それでも、あなたの作品をひとたび読み始めると必ず惹きつけられます。なぜでしょう。その文体に、なにか麻薬的要因を感じます。一ページも読めば、頭の中は太宰先生、あなたの文章が定着してしまい、些細な出来事も太宰調でコトバが脳内を流れてゆきます。

依存的です。

太宰治先生の威力はスバラシく、わたしの心身を支配します。ひとたび本を開けば、次のページそのまた次のページへと、物語を読み進めさせる力があります。やはりあなたは偉大です。あなたの文章は、なにより読みやすい。心音みたいにリズミカルだ。リズミカルな文章で読者をそちら側へと簡単に引き込む。

尊敬します。

それからあなたの文章はやさしい。優しさが滲み出てる。安心してしまうのはナゼでしょう。世界中であなたについて評論が交わされているのは存じていますし(すべて読んだわけではないけれども)、よく目にする「読者へ語りかけるような」や「読者(自分)にだけこっそり教えてくれるような」文章には、やはり不思議な、引力的なチカラが働いているように思います。

不思議です。

その罠のような、自然の法則のようなものに、わたしはときどき無性に触れたくなるのです。ユーモアに飾っておきながら、ふいに「アっ」と核心を突くようなことをお書きになる。本質を突くのが非常にうまい。うまく組み込まれている。世の中や人間の深層を見抜いておられる。怖いくらいです。怖いです。怖いけれども、思いやりに溢れているのでいるので、いくらかオブラート。しかしやはり怖いことを言っている。さらりと言って退けている。気がつくと自分は、内心ハラハラしながら読み進めております。

句読点の位置が呼吸だとすれば、わたしには、あなたの文章は、とても読みやすい。息がしやすい。それだから定期的に求めてしまうのかもしれない。

さいきんは、もっぱら森見登美彦偉大先生の書籍を読み漁っております。そこで発見した『太宰治傑作選 奇想と微笑』。まんまとやられました。森見先生の編まれた、この一冊の本に秘められた太宰治ストーリー。おもしろい。面白すぎてダメです。笑いのツボが浅いのかもしれません。電車で読むのは禁物です。さいきん何かと物騒です。だからでしょう。婦人に凄まじい眼力で睨まれてしまいました。マスクの下よりクスクスと声が漏れてしまったこと、小刻みに肩を震わせてしまったこと、文庫本で赤く染まる顔を覆ってしまったこと、そのことにより恐怖心または、不愉快にさせてしまったこと、誠に申し訳なく思います。大変失礼いたしました。


わたしが昭和の作家さんに強い興味を惹かれたのは、思えば、あなたのおかげなのです。愚かながらすっかり忘れていました。傲慢にも、まるで自身で昭和の魅力を発掘したかのように天狗となっていたこと、とても恥ずかしく思います。それから、やはり人間の特技は忘れることである、との再確認ができました。思い出せて嬉しいです。迂闊で不束者なわたしですが、今後とも定期的に、どうぞよろしくお願いいたします。


さいごに…

大魔王と呼んでしまったことをお詫び申し上げます。魔王的魔力があるという意味でそう呼称させていただきました。しかしこれは、敬愛する先生に対して、あまりにひどいく失礼でした。ほんとうにごめんなさい。

              △

と、いう太宰治に対する気持ちが迸る
今日この頃でした。ありのままにも程
がある文章となってしまいました。

それにしても、実にいろいろな小説
(物語)を書く作家先生です。

次は何を読みましょう。太宰治の
『津軽』はまだ読んでないので、
ひとまずそちらを読んでみようかな。

風も冷たくなってきました。
みなさん。病は気からです。
風邪にはくれぐれもお気をつけください。
わたしも。体調に気配りを。
滋養のある生活を送るよう、心がけます。




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