神で、ゴメンな　0814

アニキ！アニキ、どうしたんすか！？

バカ神「ああ？なんでもねえ・・調べものしたまま、寝ちまったみてぇだ…」アホ神「きょ・・・今日はゴミ出しも料理もオレがやりますから、アニキはゆっくり休んでください…」

(…今年も…あの日か…)

神で、ゴメンな　08.14

1944年、秋　東北地方某所

学生「お鎮守さま　オラ、戦に行くことになった…。おっかぁと、さっちゃんのことさ頼む…」

？？？おい、アイツ・・・

…その夜… オラぁ！！・・・アニキ！ちょなにしてんですか、賽銭箱ひっくりかえして！！

どうもこうもねー。あとで、理由は説明する。この賽銭箱の銭つかってありったけの鉄くず買い集めてこい。・・・ア・・・アニキいったい何を・・・？？

だからよ、理由はちゃんと説明するって。練習機で、裏山に墜落したゼロ戦あったろ？これをよ、直すんだよ・・・。・・・ア・・・アニキ！

バカ神「操縦は俺がする。オレが、いまだ！つったらお前はこのストップウォッチを押すんだ。 90秒だけ時間を止める、天界の特注品だ」アホ神「アニキ！？さいきん、おかしいっすよ！！飛行機なおすだの、時間とめるだのって。。一体、何をしようってんですか？」

あの学生、あれエーイチローだろ。あいつな、子供のころから知ってんだよ。あいつのアカシックレコードを見たんだ。あいつは、この戦争で死ぬ。特攻でな。・・・だが、この戦争はあいつが死んだ翌日に終わるんだ…。

アホ神「ちょ・・・アニキ！！それって完全に介入じゃないっすか！！戦争は、人間と人間の争いだから、神はカイニューしちゃいけないって、天界が！！」バカ神「うるせえ！！アマテラスとかオークニみてえな綺麗ごと言ってんじゃねえ！！この作戦で何万の若者が死んでくと思ってんだ！！だいたいな、アイツは、一度も自分のために祈ったことがねえんだ。人のためにしか、祈ったことがない男の寿命を延ばすだけだ！！」

アイツが特攻する場所と時間は調べた。それまでに、飛行機を直すんだ‥。８月１４日の早朝…。知覧から、米艦隊に突っ込むつもりだ…。

バカ神「オラぁ！リハーサル通りいきゃ機体だけ爆走させて、あいつだけを海面に落とす・・・それで、アイツは無事に母親のもとに帰れるんだ・・・」アホ神「・・・アニキ！わかりました。こうなったら、アニキの言うとおりに・・・」

アニキ！！どこっすか、ゼロ戦！！・・・いた！！いたぞ！！やべえ、がんがん米軍の飛行機に射撃されてやがる！！急げ！！

あんれま！お鎮守さまでねーか！！こんな沖縄の空でなんで神様が飛行機さ飛ばしてる！？それとも、これは幻かや！？

オラ！時間とめろ！ハイ！

この手にさわれ！そうすりゃ、機体だけ爆走させて、おめーの体は海面におっことしてやる！飛行機の不具合ってことにすりゃー不名誉じゃねえ！！「お鎮守さま・・・ありがとなでもよ、オレは征くよ」なんでだ！？生きたくねぇのか！？「生きてえよ・・・でもな」でも、なんだ！？「さっちゃんや、おっかあに一日でも長く生きてもらいてえ・・・だから、オラ、征くよ」