一心不乱に蝶を追え!(9月14日刊行漫画演出技法書『カタルシスプラン』外伝106)
夢が情熱を生み出すわけじゃない。情熱が夢を生み育てる。
何がしたいのか自分にもよく判らないのに堪らない気持ちで、懸命にもがいてるうちにそれが形となり、夢となる。そうしてできた夢はただの夢幻で終わらない。
叶えるべき目標としてのリアルな夢となる。
溢れる思いこそ実現すべき夢の根っこだ!
それでも…そんな情熱でもって辛く苦しく…死ぬほどの努力をしてみても、それだけでは効率よくやる奴や楽しんで問題や修練をクリアーする奴には敵わない。
筋トレし過ぎて筋繊維壊すスポーツ選手みたくならないようにしよう。
誰もが頑張る競争率の高いこの業界では努力は当たり前過ぎて大した役に立たない。
多くの場合、楽しんで当たり前にやる者には敵わないのだ。
徹夜するほどに体は壊れる、すると心も乱れ…過酷な仕事場ではスタッフの内乱だって起こりうる。表沙汰にはなってないものの、アシスタントにいっぺんに逃げられた巨匠も少なくない。行き過ぎた努力にはリスクが伴うのだ。
死ぬ思いで描いたって作品に反映されてなければ価値はない。連載開始時は過度の情熱がモノをいうが、いつまでも続けては保たない。やり過ぎは努力のための努力、苦労のための苦労であって作品のため、読者のためにならない。
天才は『蝶を追ううちに山頂にたどり着く』というが、その姿勢こそ学びたい。そこに至るにはまず蝶を溺愛することだ。好きを確立するのだ。そして次に蝶を追う事を当たり前の日常にする事。…優秀なプロ漫画家には楽しんで描く人、苦しんで描く人、両方の人もいるけれど、共通しているのは一心不乱で追い求めて描き続けていることだろう。情熱の蝶を追いかけよう!
その先に夢はある。
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