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編集者として作家のネーム描き始めに求めること

僕は編集者として、まずそれぞれの作家の人となりを知れるまでじっくり話し、その中からキャラやテーマを考えてもらい、作品制作に入ってもらうわけですが…

まずプロット見せるべきですか?って作家さんの質問にはいつも「いらない」と答えています。
プロットとかストーリーログラインとかは自分がネームを描く時に読者に何を見せるかのチェックポイントとして書いておくべきものであって、編集に見せるためのものじゃあないと僕は考えます。実際、大まかなストーリーやプロットやログラインで作品の面白さは測れないですしね。
なぜなら同じ話であっても演出次第で面白さは全く別次元に跳ね上がるものだからです。設定も同じ、同じ設定から大ヒット作が出ることもあれば、見向きもされないこともあります。キャラクターの魅力、絵の魅力、足したリアクションの魅力…結局はそこ次第なんですよね。
だから設定はキャラが走りやすように最初はある程度緩めに作っておいた方がいいくらい。
だから作家が作品を描き始める時に僕が聞くのは以下のことだけ。



読者が何を楽しむ作品なのか?
ポイントは一つでいいので、その作品の面白さの基本は何なのか?
その作品に宣伝用の帯をつけるならどんな言葉になるのか?



つまりはしっかり自分で面白いと思えることを描こう!確信なく偶然性で面白さを探すのは時間の無駄だからやめようよ!ってことね。

でも、作品っていろんな面白いことを描かなきゃいけないんじゃない?ポイント一つでいいの?って疑問に思う人もいるかと思うけれど、
面白いものって方向性はいくつもあっちゃあんまり良くなくて、一つの面白さを大きくし続けたり、一つの面白さを煮たり焼いたりして繰り返すべきなんだよね。
その方向性と大きく違う面白さを見せることは期待とは違うことになってしまうから期待はずれになっちゃうんだよね。
意外性はめっちゃ大事だけどそれすらも基本の面白さから外れる方向性であっちゃいけないってこと。
最も意外性が凄くて成功したコンゲーム映画「スティング」だって、冒頭からこれは騙し合いの面白さの映画であることを見せていてその延長線上にどんでん返しがあるんですよね。

だから一つ!面白さの基本を考えましょう。あとはそこから派生するバリエーションでいいんですよ。
さらに言うと、ヒットする漫画って結局キャラが作品の魅力のほぼ全てなんでね…主人公たちのキャラの魅力が出せるシーンこそが面白さの基本となるはずなので、そこを考えましょう!

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