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千葉ジェッツと宇都宮ブレックスのライバル関係を吾輩が伝える記事🐱🏀


どうも、🐱(吾輩)である。

たぶん、ジェッツブースター歴5年以上くらいの人に「ジェッツにとって『1番のライバルチーム』はどこだと思いますか?」ときいたら、7〜8割くらいの人が「宇都宮ブレックス」と答えると思う。

※便宜上、過去シーズンの話をするときもすべてこの記事では「宇都宮ブレックス」で統一する。横着ですまん。

吾輩の肌感覚で申し訳ないのだが、かなり確信を持ってそう言えるのだ。

そして多分、宇都宮ブースターの中にもジェッツを1番のライバルチームと思っている人が多い気がする。

ジェッツと宇都宮がお互いをライバル視してしまう、この気持ちの源泉はなんなのか?を少し踏み込んで考えてみたのが、この記事だ。

ジェッツブースターだけでなく、宇都宮ブースターのみなさんにも読んでいただければ幸いなのだ。

なお、記事の中では逆説的アプローチとして「なぜ他のチームはジェッツの一番のライバルではないのか」という内容も含んでいる。

ただしそれは「他チームはジェッツのライバルに値しない」とかそういう話では断じてない。あらゆるチームがジェッツとともに切磋琢磨し合う素晴らしいチームだし、情報をどう切り取るかによってどのチームもライバルであると言えよう。

しかし今回はあくまで「感覚的に湧き上がってくる『宇都宮こそジェッツの1番のライバルチーム』という感情の出どころを分析したい」という主旨だ。


(1)ライバルとはなんぞ?


いったん、ライバルという言葉について振り返っておこう。

漫画では「好敵手」の漢字にライバルのルビが振られることが多い。

悟空に対するベジータであり、仮面ライダーBLACKに対するシャドームーンであり、サトシに対するシゲルだったりする、あの関係性だ。

つまり、当然ながらお互いが戦う立場というのが大前提だが、その他にライバル関係が生み出される要素を吾輩なりにいくつか考えてみた。

①バックグラウンドの共通性
②同一カテゴリー性と期間
③互角の力関係

この辺が重なり合うことで強いライバル関係が生まれるのではというのが吾輩の仮説だ。



(2)バックグラウンドの共通性


お互いの出自やバックグラウンドが同じであるからこそ「こいつには負けたくない」という感情が働きやすい。

千葉と宇都宮はどちらも発足当初から地域密着型のプロスポーツチームだ(ジェッツのほうが5年ほど後発ではあるが)。

一方、例えばA東京や川崎BTなどは元々トヨタや東芝など大企業のチーム。かつて弱小のアンダードッグだったジェッツにとっては「潤沢な企業予算をバックに好選手を抱える強豪」であり、そもそものスタートが違いすぎた。

今ではだいぶ状況は変化したものの、こうした元々のバックグラウンドの違いが、A東京や川崎BTなどに対してそこまで強いライバル感が湧いてこない理由のような気がする。

しかし、こうしたバックグラウンドの同一性だけで言うなら、宇都宮だけじゃなく、例えば創設年が同じプロチームでかつてのbjリーグの同期だった横浜や信州だって当てはまる。

それらのチームと宇都宮との違いは何なのか?

それが、次のポイントだ。


(3)同一カテゴリー性と期間


ジェッツと宇都宮はNBL(※)以降11シーズン連続で同一リーグ・同一カテゴリ(B1かB2かとか、そういうカテゴリだ)・同一カンファレンスで戦い続けている。

※「NBL?なんそれ?」と思った方は、以下の記事をご覧いただければと思う。

必然的に対戦数も多くなるし、順位争いなどの関係でお互いが「負けられない試合」の対戦相手になることも多いだろう。そういった勝負のひとつひとつが、この2チーム間にライバル関係を醸成させていったに違いない。

横浜・信州・秋田・琉球などのチームよりも、宇都宮をライバルとして強く意識してしまう理由が多分これだ。

しかし、単に試合数が多いだけで一方的に負けているだけでは、対戦相手に抱くのは「格上感」であって「ライバル感」ではない。

実際のところ、ジェッツと宇都宮との対戦成績はどうなのか?



(4)数字で見る対戦成績


吾輩は、過去のジェッツと宇都宮との対戦成績を全て追ってみた。
・レギュラーシーズン55試合
・リーグポストシーズン12試合
・天皇杯5試合

合計72試合とけっこうなボリュームだが、その結果はどうだったのかを確認していきたい。


①レギュラーシーズン(RS)

まず、吾輩の感覚ではジェッツはRS中、宇都宮に常にボコられてるイメージしかない

しかし人(猫だけども)の記憶とは曖昧なもの。実際に数字を確認したらイメージと違ってたなんてことはよくある話だ。

さっそく見てみよう。

【vs宇都宮:RS対戦成績】
◯22勝33敗(勝率.400)
 ※うちNBL16試合、Bリーグ39試合
◯得失点差-193(得点4,067-失点4,260)
◯直接対決で勝ち越したシーズン数:2
◯直接対決で引き分けたシーズン数:4
◯直接対決で負け越したシーズン数:5


ボコられとるやないかい。


さらにだ。
直接対決の勝敗数で引き分けた4シーズンに限って考えても、得失点差は-67(24試合:1,790-1,857)になっている。そして、その4シーズンのうち得失点でジェッツが上回ったのはたった1度しかない。

つまり、そもそもトータルでかなり負け越してるうえに、ジェッツは宇都宮に対して小さく勝って大きく負けるというパターンが多いのだ。

例えて言うなら、ジェッツくんが宇都宮くんに軽くデコピンしたら、あいつはお返しに全力で腹パンしてきて「一発は一発だからね!」とうそぶいてくる感じに近い(近くない)

実際の勝敗数以上に宇都宮にやられてる感じがしていたのは、ここに原因があったのだ。

しかし、何度も言うが、中々勝てない相手に抱く感情は「格上感」であって「ライバル感」ではない。

ほなライバルとちゃうか…



②ポストシーズン(CS)

次に、RS終了後のポストシーズンでの対戦成績を見てみよう。

ジェッツと宇都宮がポストシーズンで対戦するのはBリーグになってからであり、5シーズン12戦を戦っている。

【vs宇都宮:CS対戦成績】
◯6勝6敗(勝率.500)
◯得失点差-1(904-905)
◯ジェッツが勝ち進んだ回数:3回
◯宇都宮が勝ち進んだ回数:2回
◯ジェッツの優勝数:1回
◯宇都宮の優勝数:2回


ほなライバルやないかい!

勝敗だけでなく得失点差まで互角なのはすごい。そして興味深いのは、宇都宮は千葉に勝って勝ち進んだCSでは2回とも優勝している(いずれもQF)。

一方のジェッツも、初優勝を決めた相手は宇都宮だった。

この辺の因縁も、かなりライバル感を増している。



③天皇杯

最後に、天皇杯の対戦成績を見てみよう。このピースが合わさることで、きっと答えが見えてくるはずだ。 

【天皇杯対戦成績】
◯5勝0敗(勝率1.000)
◯得失点差+44(383-339)
◯ジェッツの優勝数:5回 
◯宇都宮の優勝数:0回



完封してんの草。

一発勝負の天皇杯でジェッツは未だに1度も宇都宮に負けていない。優勝回数も5回を誇っている。

つまり、レギュラーシーズンでボコされている鬱憤を天皇杯で一気に爆発させているのだ…!

宇都宮ブースターからしたら天敵もいいところだ。普段の相性は良いはずなのになぜか一発勝負トーナメントではことごとくはね返される厚い壁になっている。


なるほど、お互いがお互いをついライバル視してしまう感情の出どころとして、十分納得できる。



(5)まとめ


いかがだっただろうか。

吾輩、自分の感情の出どころの裏付けができてスッキリする結果に至ったことに満足している。

ジェッツと宇都宮は常に名勝負製造機だ。いつもシビれる試合を魅せてくれるのだ。

2024-2025シーズン開幕戦は、いきなり宇都宮をホームに迎えての戦いだ。

こんなん激アツすぎる。



FYI(参考:過去の対戦結果)


参考までに、ジェッツと宇都宮の過去の対戦結果を置いておくので、参考にしてほしい。カウントミスや数字のミスなどあったら、優しく許していただけるとありがたい。   

◯2013-2014【NBL】

千葉J◯80-72●宇都宮
千葉J◯75-64●宇都宮
千葉J●57-82◯宇都宮
千葉J●61-76◯宇都宮
千葉J◯93-88●宇都宮
千葉J●73-83◯宇都宮
→3勝3敗、得失点差-26,(439-465)


◯2014-2015【NBL】

千葉J●76-89◯宇都宮
千葉J●65-77◯宇都宮
千葉J●70-76◯宇都宮
千葉J◯56-53●宇都宮
千葉J●71-83◯宇都宮
→1勝4敗、得失点差-40(338-378)


〇2015-2016 【NBL】

千葉J●63-80◯宇都宮
千葉J◯83-81●宇都宮
千葉J●64-71◯宇都宮
千葉J●79-90◯宇都宮
千葉J●66-78◯宇都宮
→1勝4敗、得失点差-45(355-400)

〇2016-2017 【Bリーグ】

千葉J●57-83◯宇都宮
千葉J●69-87◯宇都宮
千葉J◯78-69●宇都宮
千葉J●67-80◯宇都宮
千葉J◯92-80●宇都宮
千葉J●64-72◯宇都宮
千葉J◯84-77●宇都宮
千葉J◯90-84●宇都宮
千葉J●73-80◯宇都宮【CS】
千葉J●70-77◯宇都宮【CS】
→RS4勝4敗、得失点差-31(601-632)
→CS0勝2敗、得失点差-14(143-157)


〇2017-2018 【Bリーグ】

千葉J◯76-70●宇都宮
千葉J◯77-54●宇都宮
千葉J◯76-69●宇都宮
千葉J●72-77◯宇都宮
千葉J●71-73◯宇都宮
千葉J◯85-66●宇都宮
→4勝2敗、得失点差+48(457-409)


◯2018-2019 【Bリーグ】

千葉J●61-76◯宇都宮
千葉J◯81-70●宇都宮
千葉J◯68-65●宇都宮
千葉J●64-82◯宇都宮
千葉J◯95-86●宇都宮
千葉J●70-72◯宇都宮
千葉J◯75-67●宇都宮【CS】
千葉J◯88-83●宇都宮【CS】
→RS3勝3敗、得失点差-12(439-451)
→CS2勝0敗、得失点差+13(163-150)


〇2019-2020 【Bリーグ】

千葉J●69-76◯宇都宮
千葉J●79-82◯宇都宮
千葉J●80-88◯宇都宮
→0勝3敗、得失点差-18(228-246)


〇2020-2021 【Bリーグ】

千葉J◯87-78●宇都宮
千葉J●68-85◯宇都宮
千葉J●64-84◯宇都宮
千葉J●76-88◯宇都宮
千葉J◯85-65●宇都宮【CS】
千葉J●59-83◯宇都宮【CS】
千葉J◯71-62●宇都宮【CS】
→RS1勝3敗、得失点差-40(295-335)
→CS2勝1敗、得失点差+5(215-210)

〇2021-2022 【Bリーグ】

千葉J●75-100◯宇都宮
千葉J◯93-66●宇都宮
千葉J◯74-71●宇都宮
千葉J●69-72◯宇都宮
千葉J●70-81◯宇都宮【CS】
千葉J●70-77◯宇都宮【CS】

→RS3勝3敗、得失点差+2(311-309 )
→CS0勝2敗、得失点差-18(140-158)


〇2022-2023 【Bリーグ】

千葉J◯87-58●宇都宮
千葉J◯81-68●宇都宮
千葉J◯92-89●宇都宮
千葉J●80-82◯宇都宮 
→3勝1敗、得失点差+43(340-297)

〇2023-2024 【Bリーグ】 

千葉J●65-78◯宇都宮
千葉J●70-93◯宇都宮
千葉J●55-82◯宇都宮
千葉J●74-85◯宇都宮
千葉J◯82-70●宇都宮【CS】
千葉J●58-67◯宇都宮【CS】
千葉J◯103-93●宇都宮【CS】
→RS0勝4敗、得失点差-74(264-338)→CS2勝1敗、得失点差+13(243-230)

◯天皇杯

第99回(2024)千葉J◯78-72●宇都宮
第98回(2023)千葉J◯77-65●宇都宮
第94回(2019)千葉J◯71-69●宇都宮
第93回(2018)千葉J◯76-71●宇都宮
第92回(2017)千葉J◯81-62●宇都宮
→5勝0敗、得失点差+44(383-339)


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