[夢シリーズ] 博多・中洲の古いクラブを再建する嫁。
【夢のパターン紹介】
というわけで今回の夢はこの3パターンを総合した、過去生縁談もの・世は情け浮世の女房。
【博多・中洲のクラブ?閉店パーティ】
それなりにフロア面積のある、古いクラブ的な中洲のお店の、今日は閉店パーティ。クラブと呼ぶのか、私にはよくわからないのだが、お客のグループそれぞれが革張りのソファのボックス席にハマって、ダンスしたりカラオケしたりスペースもちょっとあるような。昭和の感じの。
それは成金の若い男の店で、心も姿も美しい奥様が仕切っていた。(男の顔も奥様の顔も、夢からさめても覚えております。オトコ丸顔。小柄で眉濃い。)
私はなんとなくこの女性の方と知り合いだったっぽい。けっこういつもカラオケマイク握って話さない老齢の常連客たちで賑わっていた感じのお店。
私はパーティ客の一人で、大勢の客の中で偶然座った席のほぼ正面にいた男性が、明日から新しいオーナーになるヒトだった。
これまたまだ若い感じの、けれど実直、愚直な、言ってしまえば冴えない感じの人で、周りの陽気なじぃさんたちが、ちょうどいい、アンタこいつと結婚したらいいじゃないか、と話を進めて盛り上がって、私もなぜか、はぁ、まぁいいですけど、と乗り気でもないのに反応してしまい、スルリと話が進んだ。
【冷めきった夫婦の終わり】
一晩中盛り上がって、宴の後、朝方、客は三々五々引き上げ、しんとなった暗い店内の別室、いつのまにか帰ってきていた成金の夫が、自分の寝室のキングベッドに入っていて、美しい奥様は侍女を連れてガウン姿で夫の部屋に入って行って、靴のまま床に正座、三つ指状態で挨拶を始めた。おいおい。
めぢゃぐぢゃ丁寧な言葉遣いで、閉店パーティ開いた事情を伝えると、そっけなく、あーいーよ別に、と夫。なんっか私好きじゃないんだよな、こいつ。
さらにめぢゃぐぢゃ丁寧に、あなた様どうぞこの先お幸せにお過ごしくださいませ、と涙ながらにお別れ言葉を告げてもどってきた美しい奥様の方に、私は共感するやら背中さすってやりたいやら、なんとかその涙のケアを・・・と、思ってはいるのだけれども・・・
・・・なにっせ、自分のことがあまりに激変しているのでアタマの中がぐるぐるして、行動が伴わない。だって、今日から私は中洲の店は再建せないかんし、この目の前にいる男と結婚すると言うてしもうたし。
【嫁の、クラブ再建案】
毎晩夜中までちゃんとした格好してお店に出て、うーん、ちゃんとした格好といっても昨夜までの奥様のような妖麗な服は無いからまずは今持ってるアレとアレで何とかして、徐々に店内の雰囲気のほうを、私の好みの格好が馴染むような方向に変えていこう、とか。
(リアルだなー。私の基本方針といってもよい。自分に寄せさせる(笑)。自分は寄らない。)
朝早い授業の時には(現実の今の仕事もやってるらしい 笑)睡眠時間かなり少なくなるな、準備を早めにしとかんと、とか。(この、睡眠不足を覚悟して当然のものとして乗り越えるのも、リアル生活だ。)
あのカラオケ好きのご高齢の方々が定期的に集まるような企画ものを入れたら、お客さんがそれなりに集まる日はつくれるな、とか。(ここは、まさかの私の企画の才能が開花したところ。現実世界では、人集め関連ノーアイディア。)
昨夜のパーティに集まっていた客の中には、現実のフラメンコのレッスンで私に嫉妬心を燃やして異様にこっちをマル無視ツンツンしとった人なんかも来ていて、アンタここの奥様になるのね的なことをワイワイ言うて帰ってったから、ああいう人たちが楽しんでこの場所で踊ったりする企画も立てるといいのだろうな、とか。
ほんとに、まさかの、淡々と案を出し続ける感覚。わたくし、こう見えましても実は、博多商人の血筋なのです。とうとう血が湧いたか?
嫁の再建案は、リアル+αで笑える。我ながら、夢の中なのにそのアタマの中で考えていることが、あまりに現実の感覚そのまま。そしてやがて、商売なんてやったこともやろうとしたこともないのに、必死こいて考え始めるじいちゃん・善次郎の孫DNA。
窮地に立たされると、何かとにかく考えつくものなのだろう。けれど、考えつくこと自体に喜びとかはないのかもしれん。ただノルアドレナリン出るのみなのかも。少なくとも今回の夢の中では、そうだった。楽しくはない。
【好いた惚れた感情ゼロで結婚するということ】
そして何よりも、結婚すると言うてしまっとることが、この夢の中の根源的な重荷なのである。まだキャンセルできるよねとか相手に言ってみたが、あまりに愚直な相手はハハハとかわすばかり。
こいつ若そうだから、朝になって明るくなって私の歳に気づいてやっぱ嫌だって破談にしてくれんかな、と思ったりもしている。
でも別れる前提は無い夢の中の状況としてはとにかく、なんとかして、こいつとこれからコミュニケーションとっていくしかないから、その方法をだーっと考えているのだった。
「あのさ毎朝毎晩、言うことなくてもメールとか何かで、とにかくなんか送り合うことにしようよ」と言ってみた。その愚直なアホは、「あ、じゃあ朝はSNSの何々を使って、夜は別のを使うといいの?」とか言い始めて、やっぱ実直すぎる愚直なアホ発想。既に会話はズレてってるなぁヤレヤレ、と脱力しつつ、私も話を進めていこうとする。
それは離婚を決めてうつむいて泣いている奥様のすぐ横、ライブハウスの楽屋みたいな狭く暗い空間を占領している大きなテーブルについてボソボソと続けている会話なので、このやりとりは奥様や他の人々から見たら実に無神経な、他人の不幸も目に入らないぐらい有頂天な幸せの絶頂に見えるのかもしれなかった。
ぜんっぜんそうじゃないんだよなー・・・・という感覚に、私は満ちていた。
【第二部:春色のベランダから地下へ】
その続きの場面では色合いが一気に明るくなって、狭いのだけど春の黄色や若草の色合いで、軽やかだ。すごく居心地の良い石造りの建物のベランダに、テーブルと椅子でぎちぎちになって座って、女性の誰かとしゃべっている。
中洲の女房バナシと場面が打って変わって、色合いが本当に明るく、ベランダで外の空気を吸えて開放的なのも印象的だ。
「自分の父親の入院中に、寝たきりで腸が動きづらくなっていたからお腹をマッサージしてやったらすごく喜んだ、そこから広まって同室の他の方々にもお腹マッサージしてあげた」という話を、相手の女性が私にしていたのか、私がマタイトコにあたるおねえさん(ひとみちゃん。実在。)から聞いてその相手に話していたのか、わからんけどそのどっちか。
途中で狭いベランダの左側にもう一人座っていた老女がヨロヨロと階段を降りて行くのを手伝った。
ベランダ床面の重い石の扉を私は会話を中断してヨイショッと引き上げて開けといてあげて、そこから続く幅の狭いほっこりした石段を、腰の悪い彼女は這うようにしてゆっくり降りて行ったけれど、彼女の服も、石段を囲む壁も、とても明るい春の色だった。
寝てる間、魂は体の外で伸びをしてるのだよ。夢シリーズでした。