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居住者から電気の容量から上げたいといわれたら管理組合としてはどうするか


マンションでは、専有部分の電気のアンペア数をアップしたいという要望が寄せられることがありますが、このような場合、管理組合としては、どうすればいいのか考えてみます。

1. 電気容量増設にかかる費用の実態

例えば電気容量を30アンペアから50アンペアに増やす場合、以下の費用が発生する可能性があります。

  • 専有部分の改修費用: 分電盤の交換やケーブルの容量変更など。

  • 共用部分の改修費用: 建物全体の電気室や配線、主幹ブレーカーの対応能力を増やす工事。

  • 調査費用: 現地調査や技術的な検討、電力会社との調整にかかる費用。

これらの費用は、数十万円から数百万円に及ぶことが一般的であり、マンションの共有部分に影響を与える場合はさらに費用が増加します。そのため、個別の要望に応じて増設工事を行うのは非常に難しいのが現実です。

2.無断改修のリスク

一部の住戸が無断で専有部分の電気容量を増設する事例もあります。マンションの電気容量は、建物全体で一定の上限が設けられています。無断で容量を増設した住戸が増えると、同時使用時に全体の主幹ブレーカーが作動し、マンション全体が停電する事態を招くことがあります。

3.管理組合の対応策

管理組合としては、無断改修によるリスクを防ぐため、住民への周知徹底が重要です。電気容量増設にかかる手続きや費用、また無断改修が招くリスクについて、全住民に向けて定期的に情報を発信します。例えば、以下の内容を掲示や会報で周知することが効果的です。

  1. 無断改修の危険性(火災リスクや停電リスク)

  2. 電気設備の変更には管理組合の許可が必要であること

  3. 違反行為が発覚した場合の対応方針

また、管理規約や使用細則に、電気容量増設や改修に関する明確なルールを追加し、無断改修を行った場合の罰則や是正措置を規定することで、違反行為の抑止に繋がります。

まとめ

このような工事には多額の費用がかかるため、実際に実施されることはほとんどありません。しかしながら、管理組合としては、無断で専有部分の電気容量を増設するケースが発生する可能性を考慮し、そのリスクと影響について住民に周知し、適切な管理体制を整える必要があります。


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